花の乱:4(25-32)

第25回:1994年9月18日:宗全切腹

山名宗全(萬屋錦之介)と細川勝元(野村萬斎)は和睦の道を探るが、各地の争いは収まる気配が無かった、1469年春に小川御所で勝元は足利義政(市川團十郎)に森侍者(檀ふみ)が行方知れずと伝え義政は小川御所に留まり、日野富子(三田佳子)は聞き自身で治めると考えた。
宗全は太田垣光景(石田太郎)に鷹を勝元に贈らせ返事待ちと言い、鷹の荷駄行列が襲われ畠山義就(永澤俊矢)と斯波義廉(博田章敬)らは和睦を阻止し、たまがき(濱田万葉)と蛍火(鶴田真由)と左近太郎(尾藤イサオ)と大館右馬助(せんだみつお)らに伊吹三郎(役所広司)らが椿の庄に戻り領地争いから守ると告げ領主は民が選ぶと言い、右馬助が同行を求め、太郎は富子に三郎に伝言を伝えた。
1472年秋、応仁の乱から6年目になり戦火は全国に飛び火し見通しが付かず、宗全は太田垣に富子に勝元との面談を伝えろと命じ、聞いた義就と義廉は大内政弘(藤岡弘)に阻止を言うと宗全の策略と広めさせると聞き、富子は勝元に宗全との面談を告げると受けて西軍本陣で会うと聞き、富子は真乗院と言い綾(鮎ゆうき)が居ると伝えた。
勝元は畠山政長(赤羽秀之)と赤松政則(渡浩行)らに反対され私利私欲では無いと答え、政長と政則は宗全と勝元の殺害を図り、宗全が出向くと義就と義廉らが陰謀を企み、勝元は真乗院で綾と会い、宗全に挨拶し夢から醒めようと話した、真乗院の外で畠山と斯波の東西軍が争い始めたが、宗全と勝元は立ち退かず和議の手順を話した。
両軍が宗全と勝元の元でぶつかり途中で別れ去り、勝元は富子に和議の中断を告げ反対者が多いと伝えると、富子は和睦の証に西軍に行くと告げ、宗全が待ち迎え西軍らが会い、富子は宗全を高雄に誘い柿を渡し去った、宗全は孫・山名政豊(安藤一志)を呼び乱を起こした責任で切腹し死をもって乱の集結と告げて切腹した。


演出:小林武

第26回:1994年9月25日:勝元暗殺

山名宗全(萬屋錦之介)死後も各地の戦乱は収まらず、日野富子(三田佳子)は室町第で細川勝元(野村萬斎)と戦乱の終息を話し、日野勝光(草刈正雄)が金銭での仲介を話して来たと伝えるが、勝元は同意しないが富子は説得した。
勝光が西軍に調停し官位と領地の安堵を伝え金を渡すと言うと勝元の処置を求められ、畠山政長(赤羽秀之)が畠山義就(永澤俊矢)を夜討ちし勝元の指示を無視し、小川御所で足利義政(市川團十郎)は勝元と善阿弥(織本順吉)と話し室町第に戻り和睦を説得したが才覚がないと拒まれた。
骨皮道賢(ルー大柴)は勝元暗殺を命じられ、森侍者(檀ふみ)が訪ね、龍安寺に勝元が細川政元(立川大和)を連れ話すと道賢が襲い、森侍者が付いて来て笛を吹き道賢を止め、勝元は味方に見限られたと考え髷を切り落とし道賢に証拠と渡し逃がし、政元に勝元が死んだと伝え葬儀を命じ、別人となると言い森侍者と旅を言った。
秋に義政の退官と足利義尚(井上孝幸)の将軍就位を控え、富子は小川御所に義政を訪ね、政長の管領を聞くが同意せず、勝元暗殺の噂を告げ義就を求め対立した、森侍者の笛の音が聞こえ互いに知っているか驚き、富子は扇を尋ね生きていたと聞き、関係を聞かれ運命と言い、どう思ったかを問い日野を放逐され身代わったと明かし、守る事は何も無いと言った。


演出:小林武

第27回:1994年10月2日:花の御所炎上

9代将軍・足利義尚(井上孝幸)誕生時には山名宗全(萬屋錦之介)も細川勝元(野村萬斎)も居なく、日野勝光(草刈正雄)の野望は大きくなり、1476年秋に真乗院跡で日野富子(三田佳子)は左京太夫・大内政弘(藤岡弘)から畠山義就(永澤俊矢)から陰謀を持ち掛けられ勝光がそそのかしたと聞き、自身は大乱を招く気持はないと聞いた。
富子は勝光に森侍者(檀ふみ)を殺したと聞いたが嘘で生きていると探せと命じ、森侍者と勝元は旅をし宗全の墓に参り柿を食べ、勝元は一休宗純(奥田瑛二)の言葉を思い出し離れ、役人が森侍者を捕らえ連れ去り、勝光が左大臣になり公家の天下を望み、富子に森侍者を捕らえたが何も知らぬ様子と告げ、富子は自ら調べると言い毒を求めた。
富子は足利義政(市川團十郎)を招き、執事・伊勢貞宗(長森雅人)と毒殺を図り、富子は勝光から毒を受取り貞宗が花模様の器に入れさせ義政から森侍者に飲ますと告げ、富子と勝光は森侍者に会い扇を見て確かめ幼少を思い出すと、姉上と呼ばれ夢を見ると聞き、宴で義政と勝光らは「富子の衣裳の森侍者」と「森侍者の衣裳の富子」の舞を見た、貞宗が器から花模様を拭き落とし義政に持ち、富子が勝光に毒酒を揉ませ陰謀を暴露した。
勝光は暴れ火が屋敷に燃え移り御所が炎上し、富子が勝光を長年の恨みで斬り勝光は死に、御所炎上で多くの事が消えて行った。


演出:黛りんたろう

第28回:1994年10月9日:銭の種

聚楽第が焼失後に9代将軍・足利義尚(井上孝幸)は執事・伊勢貞宗(長森雅人)の館に移り、後土御門天皇(川野太郎)は北の御所を借り住まいに移り、1477年春に日野富子(三田佳子)は侍女・近習らと足利義政(市川團十郎)の住む小川御所に移り、大御所・義政に衣類の多くの焼失と庭に野菜等の栽培を諸将に行わせていると告げたが義政は不満で、細川勝元(野村萬斎)の妻・綾(鮎ゆうき)を富子が預かると告げた。
富子は左近太郎(尾藤イサオ)に酒屋が半数に減り再開方法を尋ね、御所の貸し付け援助を行い貞宗に銭の種を撒くと告げ、富子を大徳寺住持・一休宗純(奥田瑛二)が訪ね焼けて堺豪商の助力で復興を告げ富子がはつらつと見え、新しいものを作ると答えられた。
義政が富子と一休と綾に復興したい山荘の箱庭を見せると、富子は蓄えは全てを復興の為に貸し与え幕府財政の再建が必要と告げ、一休は富子に万民と自身の幸せの双方が大事と告げると、富子は義尚の周囲には柱となる人物がいないと答え、森侍者(檀ふみ)の行方を尋ね今1人の自分と言い、一休は会った事を知り良く悟ったと答えた。
たまがき(濱田万葉)らは病の森侍者を見つけ、伊吹三郎(役所広司)や蛍火(鶴田真由)や大館右馬助(せんだみつお)が来て無事喜び森侍者の扇を見た、富子は大内政弘(藤岡弘)に都からの兵の引き揚げを望み乱を収束させたいと言うが、決着前に撤退は出来ないと言われ、賊軍の勝者か忠臣の敗者かを尋ね、守護職の銭での買い上げを提案し安価と義尚の忠臣を求めると大内は受けた。
富子は参内し大内への守護職安堵を認められ、畠山義就(永澤俊矢)が大内に撤回を求めるが大内に拒否され、伊勢邸で義尚と富子は一色義直(内藤達也)らに丹後と伊勢の安堵を告げ、義政が富子に領地切り売りの撤回を求めたが隠居の身と断り、西軍が領土に戻るが義就だけだ河内に出陣し、11月に小川御所で大乱の終わりを祝う宴が行われたが、義政は戻らず富子は義尚に父を頼るなと告げ、応仁の乱は不毛のまま幕を閉じた。


演出:黛りんたろう

第29回:1994年10月16日:椿の庄

畠山義就(永澤俊矢)は戦を続け畠山政長(赤羽秀之)を破り河内王国の勢力を築き、近隣諸国を狙った、1478年冬に京は再建が始まり日野富子(三田佳子)は見回り、大徳寺で一休宗純(奥田瑛二)が足利義視(佐野史郎)に再建を難しいと告げ、人の絆は戻らない事は寂しいと言い、大御所・足利義政(市川團十郎)と会い義視はひっそり暮らしたいと美濃に行くと答えた。
富子は義視が都を去ると聞き、義視と妻・日野松子(久我陽子)と千寿王(大島一貴)が都を去り富子が見送り過ぎた事は忘れると言った、義就は南山城を襲い始めたが、椿の庄の国人・伊吹三郎(役所広司)は従わず百姓が自ら決める国を作ると返答し、森侍者(檀ふみ)の笛を蛍火(鶴田真由)や大館右馬助(せんだみつお)が聞くと伊吹が戦が始まるので都に戻れと告げると森侍者は一休宗純(奥田瑛二)の庵を守ると言い、蛍火と右馬助も残ると言い、少しの疎開を望んだ。
伊勢貞宗(長森雅人)が一条兼良(内藤武敏)を富子と9代将軍・足利義尚(井上孝幸)に連れ書物が焼けた事を悔やまれ義就の南山城と椿の庄を攻めると聞き、富子は管領・畠山政長(赤羽秀之)に椿の庄の助けを求めるが名目で山城の守護を求められた、伊吹らは義就軍と政長軍の交戦を聞き、応仁の乱の元となった火種が山城国に飛び火した。
小川御所で足利義政(市川團十郎)が善阿弥(織本順吉)に庭の造成に花御所の石を使うと聞き、富子は見て石が高価と言い義政は政長の山城国守護就任は椿の庄に苦難を与え、新しい国作りを守護が妨害し政長の餌食になり、将軍と椿の庄は対立する定めだと告げ、政長の要求を伊吹は断り立ち退きを求め、何故富子と争うかと考え、富子も同じに思った。


演出:村上祐二

第30回:1994年10月23日:悪女

京の七口には関所が設けられ関銭を取り、日野富子(三田佳子)は着目した。 1480年夏、執事・伊勢貞宗(長森雅人)の館で足利義尚(松岡昌宏)と富子は管領・畠山政長(赤羽秀之)が御所修復費用を伝奏・勧修寺教秀(水野強彦)と話し巨費で加役を考え、義尚が関銭の増額を告げ富子は御所修復費用で問題ないと言った。
義尚は富子が代わりに言わすと不満を告げ、富子は助言で将軍の指示が必要と告げ、幕府は関所を設け関銭を取ると、山城国国人は不満で伊吹三郎(役所広司)は用途が御所で、幕府でないと悩むが争いに参加を決め、たまがき(濱田万葉)ら国人が関所を襲い、政長が防御防護と処罰を富子に告げ、富子は椿の庄ら国人は誰にも属さず敵対と聞き直接に話すと告げ、足利義政(市川團十郎)は富子が椿の庄に行ったと聞いた。
富子は椿の庄に向かい幼少時の椿の庄を思い出し、椿の庄で森侍者(檀ふみ)が笛を吹き伊吹は蛍火(鶴田真由)や大館右馬助(せんだみつお)に大徳寺行きを頼み富子が忍びで来ると聞きたまがきが蛍火を呼び戻し、伊吹は富子を迎え蛍火を会わせ富子は蛍火を都を連れたいと告げるが断られ、富子は滝で酒呑童子(松本幸四郎)と幼少の伊吹三郎(黒田勇樹)を思い出し伊吹は椿の庄を継ぐ者を育て武家の支配から逃れるのが目的と言い、富子は仇になると言い天下は将軍のもので無いと言われ立場は変えられないと言った。
伊吹は国人らの一揆を聞き富子と別れ寄合を開き、富子は伊吹十郎太(勝野洋)と椿(村嶋亜矢香)を思い出し義尚為に思い出を捨てると考え、伊吹は寄合で国人らの一揆への参加を決めた。 関銭設置により、富子は悪女として歴史に残る事となった。


演出:小林武

第31回:1994年10月30日:恋情

1481年春に日野富子(三田佳子)は陰陽師・土御門有宣から9代将軍・足利義尚(松岡昌宏)の祈祷人形を渡され用心を聞き、義尚は一条兼良(内藤武敏)の講義を受け、宿老・細川政元(今井雅之)が富子を訪ね修験道に興味を持つと聞き、政元は義尚を誘い二条持通(藤木悠)らと女人らと遊び、義尚は徳大寺鏡子(かたせ梨乃)に会い誘い出され屋敷で老女が姫は寝所で待つと連れ抱き合った。
一休宗純(奥田瑛二)は森侍者(檀ふみ)を連れ不思議な乞食に会い、悟らされたと言い旅に誘い椿の庄へ戻り、伊吹三郎(役所広司)らが守りを調べ、一休の庵で蛍火(鶴田真由)に会い、義尚は足利義政(市川團十郎)に鏡子との婚儀を望み告げ富子は反対すると告げずに義政の同意を得た。
義政は富子に義尚の正室選びと義尚の意中の姫・鏡子を伝え思いを叶えさせたいと言い聞いた富子は同意を兼良に伝えさせ、義政は鏡子を訪ね琵琶の音を聞き今参局(かたせ梨乃)と思った、3日後に義政は義尚と富子に鏡子に会うなと命じ徳大寺の者か判らないと言い、富子は政元に鏡子が義尚に会わぬと言い別れさす為に会うと言い、富子と政元は鏡子と義政が会うのを見た。


演出:黛りんたろう

第32回:1994年11月6日:狂雲の子

一休宗純(奥田瑛二)は自らを「狂雲の子」と呼び教えを広めたが、死期が近づいていた。 1481年春、足利義尚(松岡昌宏)と足利義政(市川團十郎)が徳大寺鏡子(かたせ梨乃)を巡って恋のさや当てを行った醜聞は後世に伝えられた、日野富子(三田佳子)は亡き今参局(かたせ梨乃)の祟りと思った。
富子は亡き日野勝光(草刈正雄)の子・日野昌子(江口ともみ)と義尚の婚儀を図り、義政から任せられた、富子は義尚に鏡子と逢うことを命じたが逆らわれ、宿老・細川政元(今井雅之)から義政と鏡子との関係を聞き、鏡子の家で義政と鏡子に会い髷を落とし将軍職を捨て親子の縁を切ると言うと鏡子は義尚と出奔し、義政が富子に責任だと問うた。
一休の庵の一休宗純(奥田瑛二)と森侍者(檀ふみ)らは幕府の兵に襲われ、伊吹三郎(役所広司)らが応戦し椿の庄は焼かれ、一休は森侍者と三郎と蛍火(鶴田真由)に富子に会い説き駄目なら群雄割拠の時代になると言うが、三郎は病身で無理と反対したが聞かず翌朝に一休は森侍者と旅立ち、義尚と鏡子は野盗に襲われると鏡子は正体を告げ野盗と去った。
一休は森侍者に抱かれ寒さをしのぎ、京を目指し森侍者に義政に会えと言い、森侍者の笛を聞きながら思いを募らせ魂が体から去り、義尚が笛を聞き来て一休が死んでいると言い、森侍者は義尚と一休を埋葬し旅で死ぬのは本懐と言い、義尚と知り頼みを聞き一休の導きと思った。
富子は執事・伊勢貞宗(長森雅人)から盲目の者が義尚の消息を言い残したと聞き、森侍者と考え、葛川明王院で参籠している義尚を迎えに行った。


演出:村上祐二

ページの先頭へ