ゴーレム02
2000/06:「山尾悠子作品集成」国書刊行会
- 夜明け前後・雨、霊柩車、火
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Fの顔はむさ苦しく、見るからに憔悴しきっていた。
Fにとって言葉は苦手で道具の価値しかなく、語ることは少なかった。
Fの雇われた最初の仕事は昏睡状態の娘の彫像制作で、職人として律義にこなした。
謝礼を受け取り、再度呼び戻される間に何があったか聞けなかった。
親夫婦の注文は首の骨が折れた遺体の彫像を翌日の葬儀までに間に合わせる事だった。
Fは事故よりも自殺のイメージを浮かべ、依頼は新しく制作をやる事で取りかかった。
Fは死んだ少女と対話でき、死と夜は同質だった。
夜明けに葬儀の準備がはじまり葬儀屋の主人が来た。
Fは三袋の粘土の取引を話した。
迷路の路地奥で火が上がっていた。
火事で全面解除の会話を聞き、Kは急いだ。
あたりに制服組があふれ、Kは脇の通路にそれたがKを呼ぶ声があり、Gと出会った。
話を始めると、市長と市長代理を探す集団がなだれこみ、逃げ出し駅に向かった。
Gが戻ろうとし、議論になった。
Fは元気になったが下町に近づくと車は渋滞し動かなくなった。
Fが目指しているのは下町を越えねば行けず、火事の渋滞で動かなく、火事のタイミングが臭った。
葬儀屋がバックで逃げたらと言い、前を見たFは窓から火が上がった。
後退出来ない時に、KとGを煙越しに見て、葬儀屋を放置して車を降りふたりを追った。
Fは頭の中で喋りKに追いついた時に火は焔を降らせていた。
Fは車と荷物の説明をはじめ、三人は路地の先の駅を振り返り、すでに霊柩車は横倒しになり火が放たれていた。
後で葬儀屋が「影盗み」を口にし、群衆が横転させ扉が壊れ開き炎上したと知った。
Gは棺を見たか尋ね、Gの右の包帯が解け皮膚が露出し、GがFに顔が変わっていると言い、Fはびくっとし、眼だけが光る暗い顔の輪。
- 午前十時から正午まえ・海
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駅舎は封鎖されず三人が着いた時に、二人が待っていた。
Kと同じ制服の男が間に合ったと言いながら公用車を示し、午前十時で市長代理が色々言い、車にみんなを誘いスタートさせホームの列車を見るとGが乗り込む瞬間を見た。
ギルドの男が彫像が彼の顔と同じかもと言い、Fが迷う内に列車が通過していった。
こののちGは右腕のない黒ずくめの男につきまとわれる事になる。
ゲットーの火事の伝説も別のはなしになる。
列車の中でGは眠り、目覚めた時には列車は河口地帯で「海だ」とGは言った。
(終わり)
- 感想:
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正体不明の登場人物で話も完結せず、読者はいくらでも想像する事が出来るしそれを要求されそうだ。
それゆえ、元の中編バージョンや長編バージョンの「仮面物語」があるとも言える。
何を持って完成というか悩まされるが、とにかくGは遠い海へ脱出した。
要約不可能と言われる山尾作品は、「ゴーレム」でも同様です。