宮本武蔵

宮本武蔵

慶長5年美作・宮本村で暴れん坊の武蔵<たけぞう>(三船敏郎)は出世を夢みて、又八(三國連太郎)は許嫁・お通(八千草薫)と1年別れて、関ヶ原を目指した。
関ヶ原では2人は豪掘りばかりで戦さに敗れ山中を逃げ、お甲(水戸光子)と朱実(岡田茉莉子)の母娘に救われた。
2月後に又八は朱実に言い寄るが、朱実は武蔵に心を寄せ、母娘は戦場の盗品泥棒で武蔵は木剣を貰い、野武士・辻風典馬(阿部九洲男)一味が盗品を狙い家を襲うが、武蔵は木剣で倒し防ぎ、お甲は武蔵に言い寄るがはねのけられ、お甲はと又八と夫婦になり朱実と旅に出た。
武蔵は故郷宮本村に帰るが関所破りで役人に追われ、又八の母・お杉(三好栄子)婆は又八が帰らなく武蔵を恨み役人に訴え武蔵は山中に逃げ、お甲と又八からお通に縁切りの手紙が届いた。
沢庵和尚(尾上九朗右衛門)は武蔵を憂え、お通と武蔵を連れ戻しに行きお通の笛を聞き来た武蔵に自分に任せと言い捕らえて、沢庵は武蔵を杉の大木に吊りさげて力づくを戒め、他人の為に力を使えと言った。
お通は武蔵を救う様に沢庵に頼むが、やり直したいという武蔵を放置したので、1人で助け降ろし逃げたが、まもなくお通は追手に捕えられた。
<以下、隠し字>
武蔵はお通を救いに姫路域に忍びこむが、沢庵はお通の無事を告げ、武蔵を天守閣にとじこめ学問を学べと教えた。
お甲と朱実と又八は京都におり祇園藤次(加東大介)は名門・吉岡清十郎(平田昭彦)が朱実に恋したいると告げたが、朱実は武蔵を思っていた。
3年後に沢庵は城主・池田輝政(小沢栄太郎)に修業をつんだ武蔵<むさし>を会わせ、武蔵は修行で旅に発つ前に、城下で待ったお通と会い一緒に行くと頼まれたが、書き置きを残し修行の旅に立った。


監督:稲垣浩
脚本:若尾徳平・稲垣浩
劇化:北条秀司
原作:吉川英治
出演者:三船敏郎・三國連太郎・尾上九朗右衛門・水戸光子・岡田茉莉子・八千草薫・三好栄子・小沢栄太郎・小杉義男・平田昭彦・加東大介・阿部九洲男・谷晃・
制作年:1954年


感想: 若い暴れん坊の武蔵が修行に出るまでを描く。
お通は何度も、待つが又八も武蔵とも待たされ続ける。
大自然のロケは今は無理だろうか。

続・宮本武蔵 一乗寺の決闘

宮本武蔵(三船敏郎)は城太郎(飯田健人)に弟子は断り、鎖鎌の達人・宍戸梅軒(東野英治郎)と戦い勝ったが、老僧・日観(高堂国典)は心にゆとりがないと言った。
三条大橋でお通(八千草薫)が1年武蔵を待ち、祇園藤次(加東大介)とお甲(水戸光子)は朱実(岡田茉莉子)と吉岡清十郎(平田昭彦)を一緒にして金儲けを企み本位田又八(堺左千夫)とのかたをつけようとした。
武蔵は吉岡清十郎との立ち合いを望むが吉岡道場門弟は避けようとし、武蔵は手紙を残し去り見た朱実は懐かしく、武蔵は研師耕介(田武謙三)から師匠・本阿弥光悦(御橋公)を紹介されそこで物干竿を使う佐々木小次郎(鶴田浩二)の名を知り、又八は吉岡道場門弟に人違いで殺された武士から小次郎の免許状を預かりそれになりすました。
吉岡門弟と会う為に三条大橋に来た武蔵はお通に会うが、吉岡一味が来て斬り合いそれを眺めた小次郎は腕の違いを見、お通は清十郎に恥ずかしめられた朱実に会い共に武蔵探すと知り、宗彭沢庵(尾上九朗右衛門)を訪ね城太郎に会い過ごした。
光悦は武蔵と吉野大夫(木暮実千代)と会わせ廓で過ごし、修行から帰った吉岡伝七郎(藤木悠)は兄の不甲斐なさに武蔵を探し、決闘状を禿りん弥(近藤圭子)に渡し見た武蔵は禿の手引きで抜け出し雪の夜に伝七郎と立ち合い切り、廓に戻った武蔵の袖の血を吉野大夫は拭い心の余裕と言った。
藤次とお甲は逃げ、又八は両親・権六(谷晃)とお杉(三好栄子)に小次郎の免許状を見せ、吉岡門弟から決闘状を受けた武蔵は大夫から去り会うが小次郎が一乗寺下り松での立ち合いをまとめ高札を立て、知った又八や朱実やお通と城太郎と沢庵らも向かった。
<以下、隠し字>
吉岡門弟は清十郎に場所と時間を教えず、小次郎が立合いに来たがだまし討ちと知り、武蔵は朱実から聞き知ったが向かい、80名の吉岡門弟が待つ中に武蔵が現われ鉄砲が火を吹き、武蔵は手傷を負うが斬りながら逃れ、門弟に謀られ遅れた清十郎が武蔵と出会い対決したが、武蔵は勝つが心のゆとりの言葉を思いだしとどめはしなかった。
傷ついた武蔵を城太郎とお通が助け、谷川のほとりで過ごした武蔵はお通を押し倒しすが驚き身を退けるお通に、武蔵は我に返り去った。


監督:稲垣浩
劇化:北条秀司・若尾徳平・稲垣浩
原作:吉川英治
出演者:三船敏郎・八千草薫・岡田茉莉子・鶴田浩二・平田昭彦・藤木悠・東野英治郎・木暮実千代・三好栄子・堺左千夫・飯田健人・高堂国典・加東大介・水戸光子・田武謙三・御橋公・尾上九朗右衛門・近藤圭子・谷晃・
制作年:1955年


感想: 武蔵の修行と強さ以外に何が必要か。
複数の女性に思われる武蔵は・・。
佐々木小次郎との出会いもある。

宮本武蔵 完結篇 決闘巖流島

奈良で宮本武蔵(三船敏郎)と城太郎(桜井将紀)は阿巌法師(上田吉二郎)との野試合を旅僧・日観(高堂国典)の仲裁で止め、将軍家師範・柳生但馬守に会うように勧められ城太郎と江戸へ出たが武蔵は旅篭で毎日観音像を彫った。
佐々木小次郎(鶴田浩二)も細川忠利(岡豊)候へ仕官のため江戸に来て、岩間角兵衛(佐々木孝丸)の推挙で岡谷五郎次(清川荘司)との御前試合で相手を不具にし、岩間の娘・お光(瑳峨三智子)に慰められた。
武蔵と城太郎は立ち合いで死んだ4人を屋敷に運ぶが関係を否定し、自ら墓に供養し小次郎がそれをみて対決を迫り、明日の再会を約束した、博労・秩父の熊五郎(田中春男)が武蔵に弟子入りし、自身に仕官を勧める長岡佐渡(志村喬)から、小次郎が岩間の推挙で仕官する事を知り、城太郎に手紙を持たせ試合を1年後に延期した。
城太郎と熊五郎と旅に出た武蔵は、野武士に怯える法典ヵ原に小屋をつくり畑を耕し始め、ある日野武士に襲われた男装の女を城太郎と熊五郎が救うとお通(八千草薫)で、それ以降武蔵はまた観音像を彫った。
吉原の遊廓にいた朱実(岡田茉莉子)は細川藩仕官の小次郎から武蔵の居場所を聞き向かうが野武士に囲まれ、辻風典馬の兄・黄平(富田仲次郎)と祇園藤次(加東大介)の一味で朱実を囮に武蔵に送り込んだ。
朱実は野武士が役人に捕まった嘘を流し、お通ともみ合う内に合図の火事を起こし野武士が攻めかかった、武蔵らは迎え討つが熊五郎が死に朱実は藤次と互いに斬り合い双方死に後に荒れた村が残った。
<以下、隠し字>
小倉の小次郎から舟島で試合申し込みの手紙が届き、武蔵は独り向かい、城太郎は病弱なお通と追い、小倉では立ち合いの高札が立ち、長岡は武蔵が当日に舟で島に向かうと知り、お通は倒れそばの宿に運びこまれ、小次郎はお光に自分の力で勝ちたいと言った。
武蔵が宿の亭主(沢村い紀雄)に挨拶するとお通に連れられ、2人で浜辺を歩き離れたくないと言うお通に夫は笑って送るものと言った。
当日に武蔵は船頭・佐助(千秋実)の漕ぐ舟の上で櫂を削り木刀にして、島に着き浅瀬におりると小次郎が迫り闘ったが、次第に時間が経ち武蔵の背後に朝日が出て小次郎の顔を照らし、武蔵と小次郎が斬り合った後に小次郎が倒れた。
長岡と岩間が来ると、武蔵は二度と立ち会えぬ相手と言い、舟に乗り去った。


監督:稲垣浩
劇化:北条秀司・若尾徳平・稲垣浩
原作:吉川英治
出演者:鶴田浩二・岡田茉莉子・三船敏郎・桜井将紀・上田吉二郎・高堂国典・八千草薫・岡豊・志村喬・佐々木孝丸・沢村い紀雄・瑳峨三智子・清川荘司・田中春男・富田仲次郎・加東大介・千秋実
制作年:1956年


感想: 有名な決闘巖流島をラストに、そこへ辿るまでの武蔵と小次郎の1年を描く。
武蔵を追うお通と朱実、小次郎を慕うお光は剣豪の生き方が理解出来ない。
仕官か修行かに迷う武蔵も描く。

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