鑑賞日記(2018/10)
- 海女の戦慄
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宮川チエ(三ツ矢歌子)は弟・健一(太田博之)に雑誌社の座談会出席のために海女・ユキ(万里昌子)と上京し、チエの姉・宮川ヨシ(前田通子)といかり亭・松平(小倉繁)の息子・良一(松本朝夫)も心配した。
だが予定を過ぎても帰らず、いかり亭の良一もヨシに心配し東京に知れべに行き、高級車が来て木島信吾(九重京司)と人相の悪い3人連れ・安原(有馬新二)らが泊まり、数日後に海で傷だらけのユキの海女姿の死体が見つかり山村巡査(芝田新)らが引き揚げ打撲傷があり、鬼の岩太(菊地双三郎)と仙吉(木下隆二)が暴れると、風来坊と言う船員・波野俊介(若杉英二)が来て止めた。
波野は高級車や健一の案内でユキの溺死現場へ行き沖の無人島から流れて来たと聞き、帰って来ないチエの姉・ヨシに会い、洞窟で吸い殻を見つけ、安原が譲次(川原健)と海女らを閉じ込め無人島の舟上でチエらが木島らに魔の海に強引に潜らせられ、拒んだユキが殺されたと脅し、海底に駆潜艇の残骸が有ると言った。
春日啓三郎(林寛)と娘・雅子(桂京子)を木島らは閉じ込め、春日はチエに戦時中に沈んだ駆潜艇にダイヤモンドがあり脅されていると言い、政(村山京司)が雅子に言い寄るが木島が見つけ殴り、波野は木島らを監視し、良一がヨシにチエは行方不明で警察に捜索依頼したと告げた。
<以下、隠し字>
波野は洞窟を探ると政に撃たれ海に落ちたがヨシが助け、波野はヨシと親しくなり海上保安庁の刑事だと話し木島らの行方が掴められないと言い、木島らとチエを目撃した健一が捕らえられ村人が探すが見つからず、東京から波野に電話があり、健一が逃げようとしヨシに会うが政らに捕らえられ、逃げた健一が岩太と波野と駐在に伝えた。
ヨシは木島らにチエを人質にダイヤモンドの探索を強制され海に潜り箱を引き揚げると、木島らヨシとチエらを殺そうとしたが、巡視艇が現われ波野らと木島らとが銃撃戦を行い木島らは全員撃たれ捕らわれ、ヨシやチエらは救出された。
監督:志村敏夫
脚本:内田弘三・坂倉英一
原案:志賀弘
出演者:前田通子・三ツ矢歌子・天城竜太郎・若杉英二・太田博之・小倉繁・松本朝夫・芝田新・九重京司・有馬新二・菊地双三郎・川原健・林寛・桂京子・村山京司・木下隆二・万里昌子
製作年:1957年
感想: モノクロ映画。
似たストーリーが他にもある。
海女物ブームか。
(2018/10/07)
- 怪談昇り竜
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関東立花一家二代目・立花明美(梶芽衣子)は渡世の義理で剛田組組長(加原武門)を狙い、昇り竜の刺青の明美が剛田にドスを振うと組長の妹・藍子(ホキ徳田)が間に入りその目を切り、藍子の黒猫が明美に飛びかかり血を舐めまわした。
刑務所で明美は黒猫にうなされ、女囚(青木伸子・原田千枝子・山辺信子・牧まさみ・大谷木洋子)に挨拶し、3年の刑期を終え明美は出所し谷正一(佐藤允)が立花の客分となり青空組(内田良平)と揉めるのに会い、三井丈太郎(加藤嘉)と娘・千恵(高樹蓉子)が詩郎(溝口拳)や猛(長弘)や寛太郎(砂塚秀夫)や真一(大浜詩郎)らに注意すると明美が帰った。
明美が谷に挨拶し後に黒幕がいると聞くが、明美は組に不要と追いだし千恵が食堂に呼び丈太郎と飲み、組員・末吉(水川国也)と久夫(桂小かん)が土橋組を襲い返り討ちに遭い土橋(安部徹)と裏切った達(大辻伺郎)が企みを言い、明美は何か訳があると思い、組員・功二(晴海勇三)が猫の形相であばれ、盲目女が土橋に来て雇われ、達と寛太郎は芝居小屋で盲目の女手裏剣投げ見て、猫と戯れる奇妙な出し物があり、信子が死体で木にぶら下り「竜の刺青を入れた子分を順番に呪い殺す」と書かれ、明美が猫に祟られていると話し、寛太郎が芝居小屋に迷い込み丑松(土方巽)に襲われ盲目女が止めた。
千恵と谷が女が阿片を立花一家の出店にばらまくのを見、土橋と達が警察に密告し立花一家は評判を落とし、明美は一時組員を旅に出し、青空組が土橋に利用したと襲い揉め盲目女が立花組の庭場を折半でまとめ、千恵が達と阿片を持つ女を見つけ千恵と谷は土橋のせいと聞き出すが女が手裏剣で殺され、千恵が達に攫われ丈太郎が呼び出され刺され丑松が見ていた。
<以下、隠し字>
谷が土橋組の賭場でいかさまを咎め盲目女が案内し阿片窟で阿片に溺れた女らに会い、土橋を襲い達の仕業と聞くが、千恵が人質にされ自身も捕らわれ水責めに会い、祟られた丈太郎と丑松が来た、土橋が千恵を手籠めに狙うが盲目女で、明美に谷と千恵が丈太郎の死体を運び土橋と達の仕業と告げ、達が盲目女を牢に閉じ込め殺そうとし、明美が仇を討つと言うと千恵と谷が同行し一家が殴り込み達と土橋を斬り殺した。
盲目女が明美を連れだし剛田の妹だと名乗り、明美と言い勝負し猫が明美を襲うが斬り返し、盲目女が手加減したと知り純な心に負けを認め去った。
監督:石井輝男
脚本:石井輝男・曽根義忠
出演者:梶芽衣子・ホキ徳田・佐藤允・高樹蓉子・加藤嘉・大辻伺郎・長弘・砂塚秀夫・大浜詩郎・晴海勇三・桂小かん・水川国也・溝口拳・土方巽・青木伸子・原田千枝子・山辺信子・牧まさみ・大谷木洋子・安部徹・内田良平・加原武門
製作年:1970年
感想: 日活映画、カラーワイド。
まさかの、任侠映画と怪談映画のコラボだ。
血で傷ついた刺青をなめる猫のモチーフがぴったりだ。
盲目の女復讐鬼も良いキャラクターだ。
(2018/10/07)
- 夜来香
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慰安婦・矢吹秋子(久慈あさみ)は軍医・関三郎(上原謙)と華北で日本軍敗退のどさくさ時に初めて逢い、麗美書館・女将(清川玉枝)からぎん(利根はる恵)とノンコ(牧由紀子)とスウちゃん(桂雅子)と逃げだし、秋子は関をぎんに連れ治療し、翌日に秋子は関と会い翌晩の約束をし2人は夜来香の花と空襲の中で2夜を過ごし別れた。
1950年に関は神戸の製薬会社で働き、住吉(三原純)と中が悪く、父・小田切曠介(伊志井寛)が家政婦・多見江(本間文子)と息子・利夫(川喜多雄二)を待ち、関は度々その医院を訪ねたが、利夫は看護婦・亀山千代(月丘千秋)の兄で闇ブローカー・連吉(河村黎吉)を手伝い家へ寄りつかず、連吉は関を自分の一味へ引き入れようとし秋子の行方を探していた。
関は連吉に秋子の住所を尋ねるが違い、戦地での傷が原因で関の眼は次第に見えにくくなり、千代は利夫を愛し子を妊ごもり、関は退職しあるレストランで秋子と再会したが疲労で関は倒れ、秋子はアパートへ運び看護をし、多見江が警察の野呂(伊藤雄之助)に捜索願いを出し、関は目の悪化で別れようと考え秋子が止め、秋子は関の治療費の為に身を売ろうとし、関はそれを知り秋子の許を去り行方不明になった。
<以下、隠し字>
利夫は闇売買で野呂刑事に逮捕・留置され、関は千代からそれを聞き連吉を訪ね、仕事を手伝う條件で利夫の保釈金10万円を出させ、連吉は利夫に金を自分の好意で出したと言い兵庫駅の抜荷計画に引き込み、ぎんは秋子に代わり関を探し、関は利夫から秋子が探していると聞き連吉から保釈金で仕事引き受けたと知り病気の秋子を訪れぎんは再度来ないと感じ、失眼で利夫を止めようとして来た列車にひかれ死んだ。
監督:市川崑
脚本:松浦健郎・市川崑
出演者:上原謙・久慈あさみ・利根はる恵・川喜多雄二・河村黎吉・月丘千秋・伊志井寛・本間文子・伊藤雄之助・三原純・清川玉枝・牧由紀子・桂雅子
製作年:1951年
感想: 新東宝、モノクロ映画。
昭和の中頃流行った、すれ違い恋愛ものだろう。
戦争がまだ絡む時期だ。
(2018/10/17)
- 月よりの使者(1954)
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高原療養所看護婦・野々宮道子(山本富士子)が患者・弘田進(菅原謙二)を探し戸塚(船越英二)に会い、弘田の妹・晴子(八潮悠子)の速達を伝え、道子は同僚・小谷よう子(若尾文子)から大下婦長(村田知栄子)に呼ばれレントゲン料医師・池内(高松英郎)も贔屓で晴子の手紙で弘田に婚約者・前島弓子(沢村美智子)がいると聞いた。
道子は池内に呼ばれ言い寄られたが浅木院長(信欣三)の名で逃げ、戸塚は弘田から道子を愛し過ぎていると聞き、詩人・橋田(根上淳)も道子を愛し、道子は森で弘田から結婚を言われ婚約者がいると断るが病気で1度破談したと言い、晴子が弓子と戸塚に弘田を連れ帰ると来た、弘田は道子と会い一緒に逃げる約束をした、道子は院長から池内の謝罪を告げられ他の求愛者にも同じ態度を望まれ、橋田が薬多用で重体になり道子が付き添い、橋田は道子を「月よりの使者」と呼び、道子は晴子に弘田の居場所を教えた。
1年後によう子が戸塚と病院が変わり道子が東京に転勤し、弘田と弓子が結婚したと話し、岡田院長(見明凡太朗)から道子は鎌倉の前島家へ派出され、弘田と結婚した弓子が病気で、前島みつ(細川ちか子)と佐々副院長(丸山修)に会い弓子に挨拶し、おふさ(響令子)から両親の気にいらない結婚と聞き、後を任され道子は献身的に看護し、帰宅した弘田に会った。
道子は弓子から眠れないと睡眠薬を望まれ、弘田と上手く行かず親友・晴子が外交官と結婚しスイスにいて相談相手がいなく、高原療養所に好きな人がいると聞き、弓子が道子に人形の発送を頼み、待っていた弘田が道子と話し、道子は弓子を看病し会社を休んだ弘田から決めるのが早すぎたと言われた。
<以下、隠し字>
弘田は会社で戸塚に鎌倉に帰らと言われ弓子に付き添い、翌朝に道子は弓子が多量の睡眠薬を飲み死んだと見つけ池内は変死と道子と弘田を疑い、取調主任・坂田(夏木章)は他殺と見て道子と弘田を疑い、取調で道子は弘田を疑う警察に殺したと庇い、弘田は戸塚に道子が自分を疑っていると言い、池内が道子と弘田とを悪く言い、よう子が道子に捨てられ悪意を持つと言った。
成田弁護士(花布辰男)が道子に弘田の罪を着る事は裏切りと言うが道子は意見を変えず、成田と戸塚が道子に結婚してワシントンにいる晴子に送られたフランス人形から弓子の遺書が発見されたと伝え、釈放された道子を弘田は戸塚と待つとよう子が連れた。
監督:田中重雄
脚本:八住利雄
原作:久米正雄
出演者:菅原謙二・山本富士子・船越英二・若尾文子・根上淳・沢村美智子・高松英郎・八潮悠子・村田知栄子・信欣三・・見明凡太朗・細川ちか子・丸山修・響令子・夏木章・花布辰男
製作年:1954年
感想: 大映映画、カラー。
多数から愛され過ぎると対応が甘くなり、反感か絶望を与える。
自分への甘さと厳しさが同居する結果となる。
素直な後輩が対称的だ。
(2018/10/17)
- 黒線地帯
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トップ屋・町田広二(天知茂)は秘密売春組織を追い、女易者の案内で連れ込みホテルの女中・時子(城実穂)に眠り薬を飲まされ、目覚めると大沼麗子(瀬戸麗子)が殺され罠と考え女易者とポン引の行方を探り、ライバル・鳥井五郎(細川俊夫)と町田はホテルの支配人(鮎川浩)を訪ね警察から帰った時子が普通に答え、町田は時子を尾行し追求すると車が撥ね、髪の中から麻薬が出て「あの晩の男はサブ」と言い残した。
警察に町田の急報と女の電話があり刑事・井上(倉橋宏明)と刑事・近藤(宮浩一)と刑事・鈴木(晴海勇三)らが聞き、町田はエミー浜口(南原洋子)に聞き、踊子と親しい洗濯屋と会うが手がかりはなく写真売り(小高まさる)と会い聞き、麻薬常用女から町田はサブ(鳴門洋二)の居所を知った。
パチンコ屋でサブを追いマネキン製造所に逃げ親父(大谷友彦)に襲われ、麻耶(三原葉子)と会い賭場と聞き、部屋に誘われ海軍キャバレーの女給・シンガポール(水上恵子)を教えて貰い行くと鳥井が来ていた、町田は麗子のいた横浜のキャバレーへ向かい、途中で高校生・美沙子(三ツ矢歌子)を拾い、黒木蘭子(吉田昌代)が並川(菊川大二郎)に千晶(矢代京子)を勧め、美沙子はフランス人形運搬のアルバイトをしていて町田をブルームーンに誘い、町田は納入先で麻耶を見かけ、マネキンに麻薬が隠されていると考え麻耶を追求したが、鳥井が町田を犯人とキメつけたが町田は2日の猶予を貰った。
町田と麻耶は警官(村山京司)から逃げ、麻耶と町田は車を捨て歩いて逃げ食料品店へ行き店員(原聖二)から買い物をしバスに乗り遅れ麻耶が怪我をしボート屋で看病し、麻耶の事を老人(高松政雄)から聞き、麻耶は知っていることを全部話した。
<以下、隠し字>
町田は加代(山村邦子)にジョー(宗方祐二)を聞き、ゲーボーイ・加代子(浅見比呂志)に会いゲーボーイ(坂根正吾)らと女易者を見つけボート屋に連れ、麻薬団のボスを聞くと薬が切れ苦しみブルームーンと聞き出し麻耶に預け、ブルームーンに向かうと美沙子が人質にされ橘(大友純)を責めると佐野兼子(魚住純子)が銃を取り出したが、美沙子が防ぐがジョーと泰造(守山竜次)が来て、橘を麻薬相場が上がると殺し逃げ、町田がジョーを追い列車と川で闘い、警察が来て逮捕した・・・・。
監督:石井輝男
脚本:石井輝男・宮川一郎
出演者:天知茂・細川俊夫・三原葉子・三ツ矢歌子・大友純・吉田昌代・佐野兼子・鳴門洋二・守山竜次・宗方祐二・瀬戸麗子・南原洋子・菊川大二郎・鮎川浩・城実穂・矢代京子・小高まさる・浅見比呂志・坂根正吾・山村邦子・大谷友彦・高松政雄・水上恵子・倉橋宏明・宮浩一・晴海勇三・村山京司・原聖二
製作年:1960年
感想: 新東宝映画、モノクロワイド。
トップ屋の奇妙な活躍を描く。
歩くと何かが見つかる、何故か警察からは逃げられる。
(2018/10/27)
- 野菊の如き君なりき
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河で渡し舟の老客・斎藤政夫(笠智衆)が老船頭(松本克平)に昔の想い出を語った。
村の旧家・斉藤の次男・政夫(田中晋二)は15歳の秋に母(杉村春子)が病弱で、近くの町家の娘で母の姪・民子(有田紀子)が政夫の家に手伝いにきて、政夫は2つ年上の民子と仲がよく、兄・栄造(田村高廣)や嫂・さだ(山本和子)や作女・お増(小林トシ子)に遊びながら使いをしたり政夫を心配するので人の口の端にのり、民子の母(本橋和子)が心配した。
政夫と民子を母が畑で会わせるが、周囲が悪く言い政夫が気にし民子に離れようと告げ、稲刈り後に祭りが始まり母が政夫と民子を山の畑の綿を取りに生かせ、民子が野菊が好きで生まれ変わりと言い、政夫が野菊が好きと言い、民子が年上を気にし、常吉(渡辺鉄弥)が冷やかし、政夫が話せるのは最後と言い遅く帰り、母が政夫に直ぐに中学校入りを告げ、政夫は民子に手紙を書き残し家を発った。
老客は昔を思い返した。
政夫が冬休みに帰省したが、民子はいなくお増からさだの中傷で実家へ帰されたと聞き、常吉の葬儀を見、政夫は正月だけ過ごし学校へ帰り、民子は病気がちで姉(雪代敬子)や叔母や民子の両親が嫁入りを勧め、民子は拒むが叔母が政夫と一緒になるのは不承知と言い、民子は他家へ嫁ぐと決め、祖母(浦辺粂子)だけが民子を不愍に思った。
<以下、隠し字>
民子は他家へ嫁ぎ、お増は政夫に民子の事を告げ他へ引越し、ある日母が帰り、政夫が授業中に電報で呼び戻され、栄造から民子の死を聞き、母が政夫に謝り民子は政夫を思い流産し家に帰され病で死に、祖母が政夫に「民子は政夫の名は一言もいわなかったが、死後に蒲団に政夫の手紙が見つかった」と言った。
監督:木下惠介
脚本:木下惠介
原作:伊藤左千夫「野菊の墓」
出演者:有田紀子・田中晋二・杉村春子・笠智衆・松本克平・山本和子・小林トシ子・浦辺粂子・田村高廣・本橋和子・渡辺鉄弥・雪代敬子
製作年:1955年
感想: 松竹映画、モノクロ。
幼すぎる恋に行く末は誰も判らない。
見守るか引き裂くかも不明だ。 あまりにも弱すぎた。。
(2018/10/27)