鑑賞日記(2018/03)
- 忠臣蔵外伝 四谷怪談
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元禄14年に江戸城松の廊下で吉良上野介(田村高廣)に刃傷を起こした赤穂藩主・浅野内匠頭(真田広之)は切腹し藩は取潰しで、堀部安兵衛(渡瀬恒彦)や高田郡兵衛や片岡源五衛門ら江戸詰藩士らは赤穂城へ戻るが、家老・大石内蔵助(津川雅彦)は再興が決まる1年先の人の心は判らぬと言った。
浪人は厳しい生活が待ち民谷伊右衛門(佐藤浩市)も自害した父・伊織(近藤正臣)ゆずりの琵琶で横川勘平(火野正平)や右衛門七らと門付けしお岩(高岡早紀)に会い、湯女宿の番頭・宅悦(六平直政)に誘われ湯女のお岩と出会い一緒に暮らした。
鬼子母神境内で伊右衛門らは、侍女らを従えたお梅(荻野目慶子)一行に出あい、絡んだ酔っ払いを倒した伊右衛門をお梅は見つめ、内蔵助は浮橋太夫(名取裕子)と遊郭で遊び安兵衛と伊右衛門が金を借りに来て、主税は自害者を伝えるが内蔵助は答え無かった。
吉良家の家臣でお梅の祖父・伊藤喜兵衛(石橋蓮司)とお槇(渡辺えり)が伊右衛門の家を訪ね大金を持って来たが断り、安兵衛は辻斬りで金を得た、お岩は伊右衛門の子を身籠ったと打ち明けるが仇討ちを行う伊右衛門は死ぬ身と拒絶し、内蔵助は討入りを決め江戸の安兵衛や伊右衛門らにも招集がかかるが強行派の郡兵衛が脱落すると知り、お岩は伊右衛門を止めた。
内蔵助が決起し、伊右衛門は喜兵衛の家に行き、お槇に頼まれた宅悦がお岩に来て安産の薬を飲ませたが喜兵衛の策略の毒薬でお岩は流産し自害し、戻った伊右衛門と喜兵衛は心中に見せかけ川に流し、伊右衛門は吉良家の家臣推挙を求めお梅と祝言を挙げ、寝間にお岩の亡霊が現れ、誤ってお梅を斬った。
<以下、隠し字>
吉良家・清水一学(蟹江敬三)に伊右衛門は内蔵助を倒せと命じられ、内蔵助と会うが斬れずお可留(菊池麻衣子)を身ごもらせた47人は死神で討ち入ると聞き自由な伊右衛門は世間が嫌うといわれ、浪士らを呼び襲わせた・・・・。
討ち入り当日、吉良屋敷へ内蔵助以下赤穂47士が押し寄せ、亡霊の伊右衛門が見守るが姿は見えなく、その討ち入りを亡霊となったお岩が手助けし仇討ちが成功し、死んでお岩と一緒になった伊右衛門は琵琶を弾き・・・・。
監督:深作欣二
脚本:古田求・深作欣二
出演者:佐藤浩市・高岡早紀・荻野目慶子・石橋蓮司・渡辺えり・蟹江敬三・火野正平・菊池麻衣子・田村高廣・真田広之・名取裕子・近藤正臣・六平直政・渡瀬恒彦・津川雅彦
製作年:1994年
感想: 松竹百周年、カラー映画。
伊右衛門は自由に生きたのか、47士は死神なのか。
お岩の亡霊が、伊右衛門ではなく、吉良が仇と手助けする。
亡霊のお岩と伊右衛門が結ばれる??。
(2018/03/11)
- 赤穂城断絶
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江戸城殿中で浅野内匠頭(西郷輝彦)が吉良上野介(金子信雄)に斬り掛かり梶川(天津敏)が止め、柳沢吉保(丹波哲郎)が将軍・綱吉(茂山千五郎)に伝えると即時処分と言い、浅野大学(西田健)が阿久里(三田佳子)らに伝えると詳細を調べ国元に報告を言い、吉保が裁きを伝え多門(松方弘樹)が再吟味を言うが実行を命じ、片岡源五右衛門(和崎俊哉)が内匠頭の切腹前に会い、阿久里は髪を下ろし瑶泉院(三田佳子)となった。
赤穂の大石内蔵助(萬屋錦之介)に早駕篭到着を主税(島英津夫)が伝え、総登城で原惣右衛門(安井昌二)が内匠頭が上野介に対し刃傷に及び即刻切腹で阿久里が瑶泉院となり、上野介にはかまいないと伝えた。
内蔵助はお家断絶・ご領地お召し上げの報に対応は慎重に決めると言い、領民は騒ぎ籠城の噂が流れ元藩士が集まるがとどめ、公儀使いに内蔵助は処分に不満が多く開城は慎重に決めると答え、意見が別れ家老・大野九郎兵衛(藤岡琢也)は殉死を言うとそれも考え大野は家族と逃亡を謀り、主税が不破数右衛門(千葉真一)に切腹作法を尋ねた。
内蔵助は妻・りく(岡田茉莉子)と娘・くう(浅川かがり)らと話し、堀部弥兵衛(加藤嘉)らが江戸から戻り、内蔵助は最後の評定で上野介仇討ちを言い相手は公儀で覚悟を求め同意者の誓紙血判を集め時節到来まで隠忍自重を約束し開城を発表した。
内蔵助は吉保に家名存続と吉良処分を訴えたが吉良安泰では家名存続を辞退し再考を訴えた、色部図書(芦田伸介)に吉保は上野介の上杉移動を命じたが上杉綱憲(田村亮)に図書は関わらず内蔵助暗殺を言った。
橋本平左衛門(近藤正臣)や堀部安兵衛(峰岸徹)が橋本はつ(原田美枝子)らに同士と勝手に上野介を襲うと告げ、密偵に見つかり大高源五(寺田農)が止めたが皆がいらだち、吉田忠左衛門(遠藤太津朗)が内蔵助が無法者の手は借りぬと誓紙を返し白紙にすると伝えた。
亡君の法要後に内蔵助は山科へ行き、図書が送った暗殺者が狙い、りくの姑の手紙に妻子を返し主税のみ手元に残し、遊興に明け暮れ藩士は疑問を抱き、上杉綱憲に上野介は留まると図書に告げ内蔵助暗殺を急がせ、内蔵助は大野の家財返却を請け吉田から浅野再興が無理と聞き、大野が間違われ暗殺者に斬られた。
<以下、隠し字>
内蔵助が江戸に来て、橋本は妻・はつを遊郭に売り小林平八郎(渡瀬恒彦)が金で情報を求め反発すると内蔵助の動向が判ったと言い橋本ははつに江戸を逃げようと誘い断られ、内蔵助は同士に仇討ちを述べ吉良邸の図面と在宅確認が必要と話した。
藩士が吉良邸に忍び見つかり土屋主税(三船敏郎)に救われ、大高は山田宗偏(大滝秀治)から茶会が14日と聞き、間十次郎(森田健作)とはつはお仙(夏樹陽子)と遊ぶ橋本を訪ねるが橋本ははつを斬り自害した。
12月14日に吉良上野介は茶会を開き、雪の中を赤穂浪士47名は吉良邸へ討入り、土屋は隣家から灯りを照らし、不破は小林を斬り、上野介を炭小屋で発見し首を落し吉良邸を引き上げた。
戸田局(中原早苗)が瑶泉院に内蔵助の使いから上野介仇討ちを伝え、浪士は細川・毛利・久松・水野家の大名家へお預けとなり、吉保は暴挙は公儀の反乱と言い切腹を申し渡し、荒木十左衛門(若林豪)は吉良家はこのたびの仕方不届につきお家断絶になったと聞いた浪士は感動し、浪士全員切腹して行った。
監督:深作欣二
脚本:高田宏治
原作:高田宏治
出演者:萬屋錦之介・丹波哲郎・千葉真一・岡田茉莉子・近藤正臣・原田美枝子・西郷輝彦・金子信雄・渡瀬恒彦・三船敏郎・天津敏・茂山千五郎・西田健・三田佳子・松方弘樹・和崎俊哉・島英津夫・安井昌二・藤岡琢也・浅川かがり・加藤嘉・芦田伸介・田村亮・峰岸徹・寺田農・遠藤太津朗・永井秀明・大滝秀治・夏樹陽子・森田健作・中原早苗・若林豪
制作年:1978年
感想: 東映・ワイドカラー。
長い作品だが、それでも描きたりない。
何を省くかそれが問題のテーマで、扱い難い。
(2018/03/11)
- 赤穂浪士(1961)
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5代将軍綱吉の時代に江戸各所の高札が墨で消され、浪人・堀田隼人(大友柳太朗)は目明し金助(田中春男)に追われたが左吉(多々良純)と伝吉(中村嘉葎雄)と堀部安兵衛(東千代之介)に救われた。
赤穂当主・浅野内匠頭(大川橋蔵)は勅使饗応役を命ぜられ片岡源五右衛門(山形勲)らと応じ指南役・吉良上野介(月形龍之介)の仕打でいらだち脇坂淡路守(萬屋錦之介)が訪れ北の方(大川恵子)と迎え諫め、片岡に上野介の扱いを言うが、当日も謀られ松の廊下で上野介に刃傷し内匠頭は切腹を命じられた。
柳沢出羽守(柳永二郎)は上野介お構いなしとし、上野介の長子・綱憲(里見浩太朗)が当主の上杉家家老・千坂兵部(市川右太衛門)と妻・千代(長谷川裕見子)は使者から片手おちな幕府の処断を聞き、兵部と浅野家城代家老・大石内蔵助(片岡千恵蔵)は親友で対決を感じた。
連絡は赤穂の内蔵助らに伝わり対応は意見が割れた、兵部は清水一角(近衛十四郎)に浪人者を集め上野介を守らせ隼人も含まれ、兵部は妹・仙(丘さとみ)に内蔵助らの動静探りを命じ隼人や蜘蛛の陣十郎(多々良純)も赤穂に向かった。
内蔵助は最後の総登城で集まった60余名に仇討ちを伝え城を明渡し、兵部は仇討ちと思い、内蔵助は妻・おりく(花柳小菊)と大石主税(松方弘樹)と過ごし兵部1人を意識し城を脇坂淡路守に引渡し、家臣は別れ内蔵助を刺客が襲うが隼人が防ぎ仙が目撃した。
伝吉がお咲(桜町弘子)と賭けをしたと桜(花園ひろみ)やあやめ(藤田佳子)に話し、内蔵助は京都山科で浮橋太夫(千原しのぶ)らと遊ぶ日々を送り、隼人は陣十郎を外し仙は2人で話し、内蔵助は妻子を離別し遊ぶが兵部だけは内蔵助の本心を知った。
片岡が内蔵助に情勢を伝え、堀部弥兵衛(薄田研二)は決起にはやる江戸の浪士を諫め、内蔵助は立花左近と名乗るが三島で本物の左近(大河内傳次郎)と会い江戸への目的を聞かれ白紙の書状を見せると彼の情で治まった。
<以下、隠し字>
左吉が安兵衛と妻に内蔵助江戸入りを伝え、吉良邸に多くの浪人が集まり、伝吉は内蔵助と安兵衛らに会い吉良邸図面を見せられ確かか聞かれ見込んだと聞き、吉良邸に入り捕らえられるが何も言わなかった。
内蔵助は討入りを決意し瑶泉院(大川恵子)を訪れ偽りを述べ言外に別れを告げ、元禄14年12月14日に集会所で内蔵助ら47士は揃い富蔵(星十郎)やおよね(木暮実千代)に礼を入り大雪の中を吉良邸に討入り警護を斬り、討ち入りを聞いた兵部は綱憲の出陣を止め公儀の裁きが怖いと言い、浪士は上野介を見つけ首を得て、引揚げる赤穂浪士たちを見送る人々の中に伝吉と仙と兵部がいた。
監督:松田定次
脚本:小国英雄
原作:大佛次郎
出演者:片岡千恵蔵・萬屋錦之介・山形勲・大川恵子・近衛十四郎・市川右太衛門・月形龍之介・東千代之介・大友柳太朗・大川橋蔵・里見浩太朗・丘さとみ・大河内傳次郎・中村嘉葎雄・柳永二郎・松方弘樹・薄田研二・木暮実千代・千原しのぶ・花柳小菊・田中春男・長谷川裕見子・桜町弘子・花園ひろみ・藤田佳子・青山京子・星十郎
製作年:1961年
感想: ワイド画面カラー東映創立10年、横スクロールクレジット。
内匠頭切腹までが長く、浪士というより内蔵助と兵部の争いだ。
原作者の視点が描かれているのだろうが題名と食い違う。
(2018/03/21)
- 忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻(1959)
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第1部:桜花の巻 元祿14年春、指南役・吉良上野介(進藤英太郎)は柳沢吉保(三島雅夫)に進物し、赤穂藩主・浅野内匠頭長矩(中村錦之介)は勅使接待役を命ぜられたが進物は藩士に任せ上野介は不満で作法を教えず進物を求め、準備に文句をつけ畳の表替えは堀部弥兵衛(薄田研二)や堀部安兵衛(大友柳太朗)が対応した。
翌日の式服の違いも片岡源五右衛門(原健策)が持参したが、殿中の松の廊下で作法の教えを断られ、刃傷を行い梶川与三兵衛(阿部九洲男)に止められ、上野介は脇坂淡路守(市川右太衛門)にぶつかり逃げ、報せが赤穂へ向かい、将軍・綱吉(里見浩太朗)は老中・吉保に任せ家は断絶で身は切腹となった。
赤穂に知らせが行き、上杉家老・千坂兵部(山村聡)は大石内蔵助(片岡千恵蔵)の動向を探る指示を出し、連絡を受けた城代家老・内蔵助は大石主税(北大路欣也)に詳細まで待てと言い妻・りく(木暮実千代)から原惣右衛門(宇佐美淳也)らの到着を知らせ、公儀の沙汰を知り片手落ちと考えた。
総登城に、病気の橋本平左衛門(月形龍之介)は娘・たか(美空ひばり)に事情を聞き登城し、藩論は二分し城明しに応じる大野九郎兵衛(柳永二郎)派と、籠城し殉忠派が対立し、不破数右衛門(山形勲)も来たが、登城の度に人数が減り矢頭右門七(沢村精四郎)は三村次郎左衛門(加賀邦男)から聞き、小野寺十内(沢村宗之助)が京から来て聞くが、内蔵助は殉死と言った。
登城に人数は50余名になり、安兵衛と赤埴源蔵(徳大寺伸)が江戸から来て誓詞を出し、内蔵助は家臣の心を探ったと言い、本心を城明渡し内匠頭舎弟大学のお取立を願い、叶わなければ討ち入りと明かし、血判を求めた。
たかから城明渡しを聞いた平左衛門は腹を切り、内蔵助は手紙で知り亡骸を抱いて泣き、内蔵助らは脇坂淡路守に城を明け渡し赤穂城を去った。
第2部:菊花の巻
伏見の遊里で内蔵助は生島太夫(吉野登洋子)・初音太夫(花園ひろみ)・青柳太夫(雪代敬子)・小桜太夫(喜多川千鶴)・白菊太夫(花柳小菊)と放蕩生活を続け、数右衛門の諌言に吉良家の間者らがいると話し、小林平八郎(岡譲司)や鈴木元右衛門(吉田義夫)ら吉良の間者が名を偽り本心を聞いても、とぼけ土下座で謝った。
内蔵助はおかる(桜町弘子)を訪ね浪士から大学の処置と上野介の動向を聞き、吉田忠左衛門(大河内傳次郎)はたかに吉良邸の間者を頼み隠居所の建て方を調べる役目を言い、岡野金右衛門(大川橋蔵)の祖母・とわ(松浦築枝)の願いでたかと許婚・金右衛門に仮祝言をあげさせた。
上杉綱憲(中村嘉葎雄)は上野介を本家へ引き取ろうとするが家老・千坂兵部は上杉家への災いをおそれ思い止まらせ、上野介は新規の腰元・お幸(千原しのぶ)とたかに会い、吉良邸への監視から安兵衛は妻(大川恵子)と弥兵衛の家に戻り小山田庄左衛門・高田郡兵衛の浪士から離脱を聞き、安兵衛と源五右衛門は京に上り内蔵助に討入りの決行を迫るが、内蔵助はお家再興を幕府に願い正す事が大事と言った。
<以下、隠し字>
藩士は徐々に江戸に向かい、浅野家再興はならず、内蔵助は妻・りくと大三郎(植木基晴)とお空(植木千恵)を離別し、主税ら数人と、身請けした白菊を連れた内蔵助はひそかに江戸へ着き浪士と会い、吉良邸の付け人が増えて外の地図のみあったが、たかは茶会開催を聞き、大高源吾(遠山恭二)は糸路(丘さとみ)から聞き、岡島八十右衛門(東千代之介)はたかから地図を渡され茶会も判った。
内蔵助は内匠頭の内儀を訪ね、討ち入りを聞く戸田の局(長谷川裕見子)に旅立ちを告げるが内儀からいたわられ今生の別れを告げ去り、浪士たちは待ち合わせ場所に集まり本所松坂町の吉良邸へ討ち入り、上野介を討ち引き揚げた。
監督:松田定次
脚本:比佐芳武
出演者:片岡千恵蔵・大友柳太朗・原健策・市川右太衛門・大川橋蔵・山村聡・中村錦之介・進藤英太郎・東千代之介・月形龍之介・山形勲・美空ひばり・大河内傳次郎・中村嘉葎雄・三島雅夫・里見浩太朗・柳永二郎・岡譲司・松浦築枝・薄田研二・阿部九洲男・木暮実千代・宇佐美淳也・北大路欣也・沢村精四郎・加賀邦男・沢村宗之助・徳大寺伸・大川恵子・吉野登洋子・花園ひろみ・雪代敬子・喜多川千鶴・花柳小菊・吉田義夫・桜町弘子・千原しのぶ・丘さとみ・植木基晴・植木千恵・遠山恭二・長谷川裕見子
製作年:1959年
感想: カラー・セミワイド・東映、2部構成。
切腹までがゆっくり描かれるが不可解な内容だ、教えて貰い行うと本当に考えていたのかあまりに非現実的だ。
エピソードを少なくして大目に描く手法だ。
討ち入りもシンプルだ。
(2018/03/21)
- 大忠臣蔵
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播州赤穂城主・浅野内匠頭(北上弥太朗)は高家筆頭・吉良上野介(石黒達也)を殿中刃傷に及び加古川本蔵(坂東簑助)に止められ討損じ、桃井若狭介(森美樹)が駆けつけ、江戸詰め家臣はあぐり(有馬稲子)に連絡しようとするが、近習・早野勘平(高田浩吉)は当日腰元・おかる(高千穂ひづる)と恋に耽り居合わさなかった。
内蔵助の嫡子・主税(市川団子)と加古川本蔵の娘・小浪(瑳峨三智子)は許婚だが主税は破談を伝え、母・戸無瀬(山田五十鈴)は主税を慕う娘が憐れで加古川は赤穂藩士は恨むと考えた。
家断絶し、内匠頭は切腹と決まり、あぐりは戸田の局(小夜福子)に髪を下ろすと告げ、赤穂で城代家老・大石内蔵助(市川猿之助)は妻・おりく(水谷八重子)に内匠頭とあぐりの声が聞こえると言い、早野勘平は申し訳のため自刃を謀るが、おかるに止められ彼女の里山崎の在所に落ちた。
赤穂城は殉死か籠城かと意見が別れるが、内蔵助は家名存続と城明け渡しての殉死を伝え賛同者が集まり矢頭右衛門七(松本幸四郎)が父の代わりに来て加わり、内蔵助は本心を語り、主君の無念を晴らすと語り誓詞血判を求め数十人が加わり、城を明渡した。
内蔵助は茶屋遊びをおこない、千崎弥五郎(永田光男)に聞いた早野は仇討の連判に加わりく、殺した人の懐から盗んだ50両は女房・おかるが祇園に身を売り作ったのだが、舅・与市兵衛(小川虎之助)を殺したと思った勘平は切腹したが、勘平の鉄砲で死んだのは盗賊となり与市兵衛を殺した赤穂の旧家臣・斧定九郎(香川良介)だった。
浪士は立ち替わり内蔵助を訪れ、主税が上野介の米沢行きの手紙を伝え、吉良方の眼をあざむくためか否かは明かさず、鷺坂伴内(小林十九二)は仇討ちはないと考え、遊女・おかるは連判状の秘密を知り、彼女の兄に刺されかけ与市兵衛と勘平の死を知ったが、誠心を内蔵助に認められ、密偵を見つけた。
<以下、隠し字>
主税を慕う娘と母・戸無瀬は山科に内蔵助を訪れたが、内蔵助の妻・おりくは夫の立場と目的から、内匠頭・内蔵助と加古川の賄の考えの差で破談を言うと、小浪と戸無瀬は死のうとした。
おりくは武士の義理を言うと、折しも訪れた本蔵が自ら腹を切り罪を償い、内蔵助は仇討ちで直ぐに死ぬ身と言いと、嫁の引出物と吉良邸の絵図面を主税に手渡し息絶えた。
内蔵助と同志は江戸へ向かい、関所で止められるが赤穂浪士と知った役人は通し、吉良邸へ潜入しようとした浪士に清水一角(大木実)が茶会で忙しいと言い、内蔵助はあぐりを訪ね旅行に出る別れと言い責められ焼香は許されず旅日記を仏前に残し去り、間者が旅日記を取ろうとし捕らえると連判状だった。
赤穂浪士は吉良邸に討入り、上野介の首を挙げ、泉岳寺の墓前に報告し、その後切腹となり最後に内蔵助が感謝を述べ切腹に向かった。
監督:大曾根辰保
脚本:井手雅人
出演者:市川猿之助・有馬稲子・松本幸四郎・大木実・森美樹・水谷八重子・瑳峨三智子・高千穂ひづる・高田浩吉・坂東簑助・市川団子・山田五十鈴・永田光男・小林十九二・香川良介・小川虎之助・北上弥太朗・石黒達也・片岡市女蔵・小夜福子
製作年:1957年
感想: 松竹、カラーワイド画面。
勘平・おかると、主税・小浪の逸話が中心だ。
恋愛を取りあげた、忠臣蔵だ。
(2018/03/31)
- ひとごろし
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越前福井藩の剣術と槍の名人のお抱え武芸者・仁藤昂軒(丹波哲郎)が暴れ馬を止め家老の倅を助けたが不満を言う藩主が多く、臆病者の双子六兵衛(松田優作)が妹・かね(五十嵐淳子)から婚期が遅いとぼやかれ兄のせいと不満を言った。
藩士の集団が昂軒の闇討ちを狙い、御側小姓・加納平兵衛(岸田森)が止めたが隙に打ち掛かり斬られ仲間も討ち死にし退藩した、藩主は「上意討ち」を命じたが引き受けてがいなく剣の腕が無い六兵衛が役を願い出て、六兵衛はかねが止めても聞かずに昂軒を追って旅に出た。
六兵衛はまもなく昂軒に追いついたが恐怖にふるえ、直ぐに六兵衛は昂軒を追い越し呼び止められて、思わず「ひとごろし」と叫び逃げ出し、往来の旅人や土地の人らがそれを聞いて逃げだし、昂軒が茶店へ入ると「その男はひとごろしだ。」と喚きたて、昂軒は討たれぬと言うが六兵衛は宿屋や飯屋等昂軒の行き先で叫び続け、昂軒は睡眠不足と空腹で六兵衛に話合いを申出て勝負を望むが、六兵衛は同じ事を繰り返し追い続けた。
昂軒に六兵衛は臆病物を味方にすると言うと、旅篭の女主人・およう(高橋洋子)が昂軒に誰でも泊めると言い、泊まった六兵衛に女中から事情を聞いたおようが闇討ちかと言い六兵衛から事情を聞き、味方して昂軒を一緒に旅に出て追い臆病な六兵衛に代わって「ひとごろし」と叫んだ。
六兵衛におようは味方し一緒に旅をして、船から川に落としたが溺れないように助け、富山で藩の奉行所の与力・宗方善兵衛(桑山正一)が止めたが上意討ち書を調べ、富山藩で助勢すると言い、おようは六兵衛に逃げようと言うが六兵衛は藩主と富山藩に迷惑と答えたが、六兵衛は城に向かうが気を失い、おようは宗方に病人に討ち合いさせるかと言い、無理に六兵衛を連れると六兵衛は正気を失い犬も恐れず、昂軒は去った。
<以下、隠し字>
六兵衛とおようは昂軒に旅先で「ひとごろし」と叫び続け、城では芝居したとおように言うと藩に連れて欲しいと頼まれ承諾し、昂軒は六兵衛を追うのに疲れて切腹すると言い出し、六兵衛は困ると言うと昂軒は本気で切腹しようとし、六兵衛は首は腐るので昂軒の髷を切り勝った証にした。
監督:大洲斉
脚本:中村努
原作:山本周五郎
出演者:松田優作・丹波哲郎・高橋洋子・五十嵐淳子・岸田森・桑山正一
製作年:1976年
感想: 強い武芸者に対する臆病な武士の上意討ち。
武芸以外で勝つ方法とは何か。
そして、何を求めたのか。
(2018/03/31)