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鑑賞日記(2018/01)

お遊さま

お遊さま(田中絹代)は粥川へ嫁入り夫に死に別れ子・一と遊芸三昧で暮らし、お遊さまは妹・お静(乙羽信子)と芹橋慎之助(堀雄二)との見合いに付き添うが慎之助はお静よりもお遊さまに心を惹かれ、慎之助は叔母・おすみ(平井岐代子)に縁談を断り、お遊さまのいる粥川の家を訪ねて大旦那・久左衛門(進藤英太郎)と会い、慎之助は叔母にお遊さまとの結婚を望むが無理と言われた。
慎之助はお遊さまと丁稚(久原亥之典)と会い、具合の悪いお遊さまを生花の師匠(相馬幸子)に連れて医者(南部彰三)を呼び看病し、お遊さまは慎之助にお静との結婚を頼み、慎之助をお静に連れたが大旦那から周囲が不承知と聞きお静に結婚を勧め、お静は芹橋へ嫁ぐ事になった。
慎之助とお静の婚儀が行われ、お静は慎之助に名前だけの妻を望み、お遊さまの慎之助への想いを話し、慎之助は思いを隠さないがお静は妹になりたいと言い、慎之助とお静はお遊さまらと花見に行き過ごし、また牡丹見物に寺を訪れ川下りを楽しみ女将(小松みどり)が夫婦と間違い、慎之助がお静に本心を聞くが否定し妹と言い、子・一が重病になった時遊山から帰り粥川家で問題となった。
おすみが慎之助に、一の病没とお遊さまが実家へ帰されと話しお静との仲の噂を告げ、実家でお遊さまは兄・栄太郎(柳永二郎)に勧められ、慎之助とお静は反対したがお遊さまはお静の夫婦仲を怪しみ真実を聞き罪を作っていたと知り姉妹の縁を切り、伏見の酒造家へ再婚した。
<以下、隠し字>
芹橋家は破産し、お静と慎之助は東京で暮らし3年経ちお静は子をもうけたが産後に病気で慎之助に見とられ死に、お遊さまは伏見の屋敷で月見を催し僧侶(石原須磨男)が形だけと言い、女中(藤代鮎子)が門前の捨て子の赤ん坊を連れ手紙を読むと慎之助がお静の死後にお遊さまに託した子だった。


監督:溝口健二
脚本:依田義賢
原作:谷崎潤一郎「芦刈」
出演者:田中絹代・乙羽信子・堀雄二・柳永二郎・金剛麗子・進藤英太郎・藤代鮎子・久原亥之典・相馬幸子・南部彰三・小松みどり・石原須磨男
製作年:1951年


感想: 大映映画、モノクロ。
ゆったりした前半と、駆け足的な後半が対称的だ。
姉妹の思いあいは、悲劇だったのか。
上流階級の生活も実感的でないし、その中の姉妹も不思議な世界だ。
(2018/01/10)

銭形平次捕物帖 平次八百八町

銭形平次(長谷川一夫)は怪我をした目明し石原の利助(伊志井寛)の娘・お品(長谷川裕見子)に簪を贈り、お品は利助の子分・猪之助(黒川弥太郎)に話し、利助は平次に江戸八百八町を荒らす盗賊団・幻組捕縛を頼み、お品との結婚を望んだ。
銭形平次は薬種問屋相模屋を襲った賊を追った近くの雨月庵宗磧(柳永二郎)という謡曲師の家を訪ね宗磧と知合い発句会の招待を受け、八五郎(花菱アチャコ)は近くを調べ、茶屋女・お静(花井蘭子)が平次と相愛で、お品が猪之助と良い仲と知っていた。
平次と八五郎は平次の命をねらうお楽(小夜福子)に狙われ、盗人で平次に捕らえられた男の妹で平次を仇と狙ったが、平次の世話でお静と同じ茶屋で働く事になり、平次は利助の事と、お品と猪之助の仲を告げたが利助は納得しなかった。
宗磧の家の発句会で八五郎は下男・三造(伊藤雄之助)と会い、平次は発句会の席上で三造の行動が不審で、ちらし遊びで意味の判らぬ句を師匠に聞くと不明と言い、前回を憶えておらず、お楽が茶に薬を入れて運び平次が怪しみお静が調べ毒と知った。
平次は八五郎の言う句から幻組の出現を梅屋の寮と考え、猪之助や三輪の万吉(鳥羽陽之助)やお神楽の清吉(若月輝夫)らの目明しも待ち伏せたが宗磧は動かず目星が狂い他が襲われ、平次も腐りお静と喧嘩して別れた。
平次と八五郎は宗磧に三造の句を聞きそれと幻組の襲撃先を繋げ様子を見、お静が狙われ八五郎にお楽を疑うと、平次はお楽を家に呼び手がかりを得ようとしたが、幻組を話そうとしてお楽は手裏剣で刺され、手裏剣の松と言い残し死に、平次は八五郎に手裏剣の松を探させ、調べた結果で三造をつきとめ投げ銭で捕らえ宗磧が来て、平次はお静にお楽から聞き出す為と言った。
<以下、隠し字>
仲間の名前を聞く前に三造も何者かに殺され、万吉や他の岡っ引きが責め、笹野新三郎(小林重四郎)が仲裁し、平次は利助に大詰めが大事と言われ猪之助とお品との結婚を言われ、平次は八五郎に手裏剣の松が物真似が上手か調べさせ、宗磧に平次は三造が鉄砲で撃たれたが一命を取り留め神田の玄庵先生宅に居ると偽り、幻組を玄庵宅に誘い込み宗磧宅で平次が待ち伏せ激しく争い、猪之助とお品に捕えさせた。


監督:佐伯清
脚本:冬島泰三・佐伯清
原作:野村胡堂
出演者:長谷川一夫・花菱アチャコ・黒川弥太郎・長谷川裕見子・花井蘭子・鳥羽陽之助・伊志井寛・小林重四郎・若月輝夫・柳永二郎・伊藤雄之助・小夜福子
製作年:1949年


感想: 新東宝映画、モノクロ。
俳句の推理は無理があり、失敗する。
あまり調べない平次が登場する。
(2018/01/10)

野戦看護婦

昭和17年に看護婦が集団派遣になり三田光枝(宮城千賀子)は母(村田嘉久子)と子に挨拶し、恩田恵子(折原啓子)の父に挨拶され、別れて戦地に向かった。
長井軍医中尉(水島道太郎)と婦長・光枝や恵子達らが華南の野戦病院に配置になり、小島雪子(南風洋子)に会い、光枝は青木軍曹(安部徹)に声を掛け病人の軍刀を預かると言い断られるが雪子が仲裁し長い勤務で慣れたと聞いた。
雪子が根本軍曹(中山昭二)に声を掛け、根本が長井軍医に挨拶し、園遊会で楽しみ看護婦も歌い芝居した、夜に恵子は雪子から好きかと聞かれ答えず光枝が見て、恵子の患者が逃亡し根本が見つけ、雪子と連れ帰り、雪子が恵子を抱いて川を渡った。
光枝が恵子と雪子の仲を心配し、雪子が恵子を脅しチフス患者を注意し、恵子と根本は同郷とわかり親しみを増して雪子が嫉妬し、チフス患者が隙に死に、長井軍医に雪子が転属が不満と言うが青木軍曹と任地へ行き、山本海軍中尉(鶴田浩二)が根本に声を掛け長井軍医らと酒を飲み旧交を語り歌い、患者と看護婦らが聞いた。
光枝が長井軍医から残り少ないとキニーネを受け取り、山本が恵子と根本の仲を気にかけ、根本が長井軍医らに別れを告げ前線に行き山田軍医少佐(藤田進)が恵子に声を掛け、恵子が根本を見送った。
看護婦らも前線に行き、雪子は青木から悪性マラリヤ用にキニーネを受け取るが根本に与えず、間もなく飛行機で山本がキニーネを届け、青木は根本の様子が変で雪子を疑い責めて個人の感情で直そうとしないと言い元の心に帰れと言った。
<以下、隠し字>
空襲で火災が起こり逃げ遅れた根本を恵子が助け、一行は移動するが攻撃され運転手が撃たれ看護婦が運転して逃げるが青木が撃たれ死に、ガソリンが無くなり歩いて移動するが患者が死んで行き、病院に着いたが敵の攻撃と重なり、雪子と光枝が連絡役で援軍を呼びに行くが傷を負った雪子が残り、光枝の連絡で中国軍が到着し日本の降伏を伝え、雪子が倒れ死んだ。


監督:野村浩将
脚本:野村浩将
原作:安斎貞子
出演者:南風洋子・中山昭二・宮城千賀子・折原啓子・水島道太郎・鶴田浩二・藤田進・安部徹
製作年:1953年


感想: 新東宝映画、モノクロ。 戦地に派遣された看護婦が次第に戦争の中に巻き込まれる。
後方では、まだ楽しみがあるが、看護婦の中で争いがあった。
追い詰められた所で終戦を迎えた。
(2018/01/20)

海女の化物屋敷

婦警の仁木恭子(三原葉子)は青磯海岸の海女集落へ親友・青山由美(瀬戸麗子)の助けの手紙で来て、青山家は資産家だが由美は恭子に「父が自殺し母親の狂死と姉の家出と兄の遭難と兄嫁の変死と不幸が続いた」と言い、屋敷に老婆・おせん(五月藤江)と差配・辰見(九重京司)と女中・澄(大原永子)と住み、「兄嫁・ワカ(山村邦子)が制止したが兄・史郎(佐伯秀男)が嵐に海に出て帰らず狂い死に以後は亡霊に悩まされた。
恭子は泊まり恋人・野々宮刑事(菅原文太)に調査を頼み、石黒主任(倉橋宏明)担当の江戸川殺人事件で被害者の胃から黒真珠が出ていた。
加代(万里昌代)は青山家の漁場の噂を否定し、禁漁区に潜った新興ボス・伊丹(岬洋二)の海女・ヒデ(浜野桂子)と乱闘になり、海洋大学教授・水木博士(沼田曜一)と助手・日比野(国方伝)が漁場調査に青山家に泊まり加代は研究の為に禁漁区に潜った。
恭子へ野々宮が来て水木と会い、黒真珠が青山家と同一で被害者の遺体を由美が確認したが姉でなく、水木が青山家の書籍を借りに来て探した由美が亡霊に襲われた。
野々宮が被害者が山田久子(山下明子)と知り部屋から木村の名刺が出たが女中(藤川洋子)は主人は行方不明と言い、恭子は隠れ室を見つけたが襲われ、辰見と澄との逢引を見て、由美が亡霊を見て恭子は追いおせんに会い、亡霊の衣裳を見つけ、唖の善助(由木城太郎)に会い、野々宮が来て木村が水木教授と同一人らしいと言い、野々宮は住職(杉寛)から青山家の墓地は海底に埋もれたと聞き、由美に姉・光枝が迷宮事件の被害者と伝え、加代は由美から秘密の財宝の場所を話しかけると恭子が止めた。
野々宮と恭子は亡霊事件の仕掛けを見せ、水木と日比野と加代は作戦変更し、日比野は水木の久子殺害を言い、おせんの首つり死体が見つかり恭子は駐在の老巡査(宇田勝哉)に他殺と言った。
<以下、隠し字>
水木と日比野が由美と恭子を捕え、加代と伊丹と海に連れて、恭子を人質に由美を海底に潜らせ水木と加代を財宝の場所へ案内させ、船で日比野が伊丹を襲い恭子に財宝を1人占めと持ち掛け、水木は由美を殺そうとしたが加代が姉・光枝殺害犯と知った。
善助が野々宮を海に連れ日比野に襲われる恭子を助け、警備艇が日比野に近づき、野々宮は海底に潜り、由美と加代を水木がモリ銃で狙うが足を滑らせ自分を撃ち倒れ、加代が謝り野々宮が助け、由美は恭子と野々宮の結婚の前祝に黒真珠を贈った。


監督:曲谷守平
脚本:杉本彰・赤司直
原案:葭原幸造
出演者:三原葉子・菅原文太・瀬戸麗子・山村邦子・万里昌代・沼田曜一・国方伝・岬洋二・五月藤江・九重京司・大原永子・由木城太郎・山下明子・倉橋宏明・宇田勝哉・杉寛・藤川洋子・佐伯秀男・浜野桂子
製作年:1959年


感想: モノクロ。
スリラータッチのサスペンス仕立てだ。
何故か、グラマーな海女の薄着の色気が目立つ。
(2018/01/20)

網走番外地(1965)

網走刑務所に2人1組の手錠の囚人らがきて大槻(田中邦衛)や囚人(待田京介)や阿久田(嵐寛寿郎)がおり、1組に橘真一(高倉健)と権田権三(南原宏治)がいて、教育課長(関山耕司)が調べ、貧農の生れの橘は義父・国造(沢彰謙)との仲が悪く家を出てやくざの世界に入り傷害事件で懲役3年で、権田は前科5犯だった。
2人の雑居房に桑原(潮健児)や依田(安部徹)が殺人鬼・鬼寅の弟分と言い取り仕切り雪中で作業し、依田に権田は共鳴し橘は反抗し、夜に依田と権田が橘を襲い乱闘が看守(北山達也)に発見され懲役房に入れ、母・秀子(風見章子)と妹・道子を思い出した。
橘は母と妹を思い出し国造への怒りを森林伐採の斧に懸命に働き、看守に逆らい主導者として懲役房に入れられ、国造に逆らい家を出たが妹・道子に母を助ける者がいないと言われた思い出し、保護司・妻木(丹波哲郎)ががっかりと言い、橘は妹の手紙で母が国造の虐待で倒れ会いたいと言い、秩父一家の親分(志摩栄)に討ち入った事を思いだした。
雑居房で依田と権田が橘に脱獄を誘うが乗らず、橘は道子の手紙に心が揺れたが、勝手に集団脱獄計画は進み、橘は除外の阿久田を気遣い、妻木は手続き中と橘をなだめ悩み、脱獄計画は大槻の仮病を阿久田が大丈夫と言い失敗し、殺気だつが阿久田は自分が殺人鬼・鬼寅と明かし、橘は阿久田が自分を救ったと思った。
<以下、隠し字>
山奥に作業に出た30人の囚人らは護送トラックから飛び降り脱走を計り、橘も権田に巻き込まれ引きずられ手錠で繋がれ雪中を走り川で足跡を消し、牧場を襲い飲み食いし見つかり逃げ権田はそこが妻木の家と言い争い、妻木は家が襲われ橘への道子の母の手術成功の手紙を読んだ。
妻木らは橘と権田を追い、橘と権田は線路でトロッコに乗り逃げ、見た妻木が追い銃で撃ち、橘と権田は飛び降り手錠の鎖を線路にのせ汽車に鎖を切らせ、線路の外にいた権田は谷間に落ち、橘は重傷の権田を助け追った妻木に頼み病院に犬橇を走らせた。


監督:石井輝男
脚本:石井輝男
原作:伊藤一
出演者:高倉健・南原宏治・丹波哲郎・安部徹・嵐寛寿郎・待田京介・田中邦衛・潮健児・関山耕司・菅沼正・北山達也・沢彰謙・風見章子・志摩栄
製作年:1965年


感想: 東映映画、モノクロ。 何をやってもちぐはぐな男が主人公。 母と妹が隠し味だ。
(2018/01/30)

もず(1961)

小料理屋「一福」の女中・お久こと岡田すが子(淡島千景)と同僚・おなか(乙羽信子)とおてる(桜むつ子)にすが子の娘・さち子(有馬稲子)が訪ね20年ぶりの再会で、さち子は夫と別れ美容師見習いで上京した。
すが子にパトロン・藤村(永井智雄)が来て見たさち子は母の生活を嫌い、藤村がさち子を誘い、すが子はお女将(山田五十鈴)と揉め藤村が来て若い子にもてると言い、さち子が美容院に勤めていると言い、すが子の娘と聞いた。
すが子は場末のさち子の美容院に行き藤村の事を話し一緒に暮らそうと誘うが互いに我が道を望み、さち子はマスター(佐藤慶)の美容院に職が決った日に、すが子が倒れたと聞き、すが子はおてるの家に住みさち子も来て、おてるの叔母・一恵(高橋トヨ)の世話になり、さち子に縁談を持ち老人だがさち子が見合を承諾し母娘の仲は悪くなった。
さち子は一恵からすが子が縁談に反対と聞き断り、母娘は行き違いさち子は転居を考え、さち子の同僚・アヤ子(岩崎加根子)の紹介で母娘は阿部ツネ(清川虹子)の部屋に移り、田舎から酒田(川津祐介)が上京し昔からさち子を愛していた。
酒田の求婚をさち子は断りすが子は男を気にし口喧嘩し、翌朝にすが子が自殺をはかり、さち子は藤村に戻れと勧め別居を考えるが、すが子が家を出てさち子は探し、酒田が田舎に帰ると聞き疲れたさち子も帰る事を考えたが、すが子が帰ったが倒れて入院し結核性脳炎だった。
<以下、隠し字>
すが子は悪化し意識がもうろうとし、さち子は医療費に困り藤村に頼み断られ、仕方なくさち子は藤村に身をまかせ、すが子を訪ねると既に死にさち子名儀の貯金通帳があり、さち子は母にしがみつき泣いた。


監督:渋谷実
脚本:水木洋子
原作:水木洋子
出演者:淡島千景・有馬稲子・永井智雄・山田五十鈴・桜むつ子・乙羽信子・高橋トヨ・清川虹子・川津祐介・岩崎加根子・佐藤慶
製作年:1961年


感想: 松竹映画、カラー・ワイド。
長年別れていた母娘が、互いを思って同居を考える。
ただ、素直になれずにすれ違い続けた。
(2018/01/30)

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