鑑賞日記(2017/12)
- 愛は降る星のかなたに
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太平洋戦争直前の昭和16年10月、元内閣嘱託の評論家・坂崎秀美(森雅之)は新木特高課長(二本柳寛)にソ連スパイ・ゾルゲの関係でスパイ容疑で逮捕され、日本のためだと坂崎は特高課の調べに意見を変えないが、妻・栄子(山根寿子)と娘・知叡(浅丘ルリ子)と義弟・冬樹(須藤孝)らは周囲に疑われた日を送った。
杉浦弁護士(浜村純)が坂崎を訪ね冬樹が兄に代り国家に尽すと志願したと言い、杉浦弁護士は栄子に面会出来ないと言い、夫は売国奴と疑問の持つ栄子に話した。
「坂崎が上海から帰り翌昭和11年2月に画家・宮部(金子信雄)が訪れて栄子と知叡(葉山洋子)と出かけ、女給・マリコ(明美京子)といたゾルゲ(ロバート・H・ブース)に会うが諜報部員と知り協力を拒否した、翌日2・26事件が起き軍部の横暴を感じた坂崎はゾルゲと協力を決め東亜研究所を設立し秘書・樋笠くに子(高田敏江)と働き、近衛内閣が出来てゾルゲに説得され嘱託となり日中戦争となり、新木らは怪電波傍受からゾルゲを調べ愛人・一枝(小園蓉子)を追った。
坂崎を東園寺(伊藤寿章)と犬貝(松下達夫)と中国人・陳(天本英世)が訪れ和平工作を話し、ゾルゲと会った坂崎は武富軍務局長(天草四郎)から日米開戦を知り、坂崎はくに子と抱擁し、坂崎は喀血して倒れ見舞いのくに子にメモを渡し見たゾルゲは坂崎を騙し日ソ開戦中止と日本の兵力を打電した、彼の正体を知った一枝が自殺し新木は絵から宮部とゾルゲと坂崎らを逮捕した。」
栄子は夫の理解に全力を尽くすが昭和19年秋に死刑の判決が出て、そこへ怪我を負った白衣の冬樹が帰り、聖戦とは侵略だと兄・坂崎を判り始めたと言った。
面会日に、坂崎夫婦が話し合い冬樹は知叡の小学校の先生・植村靖代(香月美奈子)と結婚を決め杉浦と杉浦夫人(原恵子)の仲人で冬樹と靖代が結婚し満州へ行き、昭和19年11月7日に坂崎は処刑され、栄子と知叡が遺骨を引き取り、杉浦がくに子の自殺を告げた。
<以下、隠し字>
杉浦と栄子に知叡が、坂崎の手紙の公表を提案し整理を始めたが、ソ連参戦で1週間後に戦争は終り冬樹は坂崎の言葉を信じてソ連軍に殺されたと陳が来て告げ、栄子の信念も揺らいだ。
昭和21年に坂崎の書簡集「愛は降る星のかなたに」が発売されベストセラーになり、閉ざされた栄子の心も知叡の励まし本のサインを提案し、次第に夫への信頼を取り戻した。
監督:斎藤武市
脚本:猪俣勝人・糸永英一
原作:猪俣勝人・糸永英一
出演者:森雅之・山根寿子・浅丘ルリ子・伊藤寿章・須藤孝・高田敏江・香月美奈子・小園蓉子・浜村純・金子信雄・松下達夫・天草四郎・二本柳寛・明美京子・原恵子・天本英世・ロバート/H/ブース
製作年:1956年
感想: モノクロ映画。
ゾルゲ事件を背景に、坂崎一家の悲劇と夫婦と家族の繋がりを描く。
理解し難い夫の考えを、理解しようと悩み続ける。
(2017/12/01)
- ゼロの焦点(1961)
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鵜原禎子(久我美子)は新婚7日目に社用で金沢へ行く夫・鵜原憲一(南原宏治)を上野駅まで送り、後任・本多(穂積隆信)と事務引継ぎに金沢へ行った。
禎子と母(高橋とよ)に憲一を佐伯(十朱久雄)が勧め、結婚式で重役(北竜二)が金沢所長から東京に栄転を言い、予定の12日に憲一は帰らず、義兄・鵜原宗太郎(西村晃)と妻(沢村貞子)も心配し、会社の同僚・青木(野々浩介)が事情調査に金沢へ行き禎子も同行した。
金沢で本多は金沢在任中の下宿は分らず警察・北村警部補(永井達郎)に捜索願いを出し、翌日に憲一が親しい丸越工業へ行き受付が替わり外人と話し、自宅で社長・室田儀作(加藤嘉)を訪ね夫人・室田佐知子(高千穂ひづる)は憲一が直前に落ち込み失踪は心当りがないと言った。
北村警部補から本多と禎子に失踪人の連絡があり、禎子は能登の羽咋へ向かうが人違いで、禎子は母に憲一を調べて貰い広告社に勤める前に立川署の風紀係巡査でパンパンの取締りに当り、義兄・宗太郎が来て禎子は後は任せ金沢署捜査主任(織田政雄)に会い帰京した。
禎子は姉から宗太郎の行動が疑問と聞き、宗太郎が死んだ知らせが入り、禎子は姉と金沢に行き、宗太郎が鶴来の旅館でパンパン風の女と会い女が先に帰り、後に宗太郎が青酸カリ中毒死で発見され、禎子は憲一の失踪を警察に話し、禎子は憲一の失踪と宗太郎の死の関係と犯人がパンパン風の女で憲一が風紀係と関係を考え、禎子は室田の会社の受付がパンパン独特の英語を使っていたと思い出したが、その女・田沼久子(有馬稲子)は3日前から休み曽根益三郎という内縁の夫がいたが12月12日に死亡し、曽根の生前の住所の能登の高浜町に禎子は行った。
禎子は家が憲一の写真と同じで曽根は頭部挫傷で自殺で扱われ、周囲の話しで曽根が憲一と知り、警察に憲一の死と久子と宗太郎の死を話すと、葉山警部補(磯野秋雄)は久子の死と憲一は自殺と言い遺書を見せられた。
<以下、隠し字>
禎子は働き始めたが割り切れなく、1年後に北陸で室田夫妻と憲一の死亡現場に行き憲一以外に佐知子がいて、久子の死亡現場に佐知子が行き、立川のおばさん(桜むつ子)からエミーが佐知子と聞き佐知子は憲一が風紀係の頃にパンパンをやり、今は名士の佐知子は秘密を知る憲一と宗太郎を殺したと言った。
佐知子は禎子に間違いと言い、憲一が金を脅し佐知子が忘れていた憲一に昔を話してしまい自殺偽装を手伝い憲一を崖から突き落とし、久子になりすまし宗太郎に会い自殺を疑われ立川の事も知られ毒殺し、久子を自宅に連れ帰る時に誤って毒入り酒を飲み死んだと言い、崖から車で転落死した。
監督:野村芳太郎
脚本:橋本忍・山田洋次
原作:松本清張
出演者:久我美子・高千穂ひづる・有馬稲子・南原宏治・西村晃・加藤嘉・沢村貞子・穂積隆信・高橋とよ・十朱久雄・北竜二・野々浩介・永井達郎・織田政雄・磯野秋雄・桜むつ子
製作年:1961年
感想: 松竹映画、モノクロ。
唐突に解決編に進み、推理と告白が真実かは判らない。
犯罪より動機を描く。
(2017/12/01)
- 眼の壁
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昭和電業会計課長・関野(織田政雄)が縊死し、社長(三津田健)や常務(十朱久雄)や部下の会計課次長・萩崎(佐田啓二)は遺書で給料支払の金融工作で関野は堀口を高利貸・山杉商事から紹介されパクリ屋の詐欺で手形を奪われた責任を取ったと知った。
顧問弁護士・瀬川(西村晃)は取返しは無理と言い、萩崎は岩尾輝輔(山路義人)代議士の名刺を聞き、客になりすまし山杉商事を訪ね秘書・上崎絵津子(鳳八千代)がいた、萩崎は絵津子を車で尾行し舟坂邸に入り、新聞社の友人・田村(高野真二)と内野記者から舟坂(宇佐美淳也)が政界の黒幕的存在と知った。
萩崎は舟坂の愛人の銀座のバー「レッド・ムーン」で女給・正美(紫千代)とバーテン・山本(渡辺文雄)と話し田丸(多々良純)と知りあい絵津子が男と現れ、田村の写真で代議士・岩尾輝輔と判り会うが何も知らぬと言い、萩崎と田村は舟坂を訪ね事務長・山崎に追返され、加賀専務(永井智雄)と弁護士・瀬川から警告された。
田丸は山本と競馬で会い夜に山本が田丸を射殺し、萩崎は田村から婚約者・永井章子(朝丘雪路)を紹介され、田丸は前職刑事で萩崎は山本が犯人と考え、絵津子が羽田空港で人を送ったと知り乗客名簿を調べて山本が名古屋へ飛んだとをつきとめ、田村は駅で奇妙な団体を見て章子と新婚旅行に出かけ、萩崎が来て名古屋から瑞浪へ行くと言った。
萩崎と田村は瀬川が行方不明と知り、萩崎は山本を追い瑞浪へ行き精神病院を見かけ、郵便局で伊勢からの女性の高額振り込みを聞き、田村は伊勢へ舟坂を追い通信員・青山(小林十九二)と山崎に会い、瀬川が東京駅から担架で運び出されたと聞き、萩崎は瑞浪郵便局で絵津子が来たと知り受け取り人を聞いた。
中央アルプス山中で瀬川が死体で発見され偽装を疑われ、萩崎は東京の絵津子のアパートを訪ね問うが答えずヤクザが見張り絵津子を連れ、警察の里村捜査一課長(富田仲次郎)は拳銃の線から山本を割出した。
<以下、隠し字>
萩崎は山本の故郷・長野牧口村と絵津子の偽住所が近いと知り、牧口村へ行き戸籍で加藤(左卜全)から妹・幸子と伯父・高橋を聞き、沼で溶けた死体が見つかり山本こと黒池らしく警察は3月前の自殺と判断したが、萩崎は疑問で現場で瀬戸物の欠片を見つけ瑞浪の工場から発送されていた。
萩崎は工場で女性が聞きに来たと知り絵津子が妹・幸子で伯父・高橋が舟坂と考え、舟坂が伊勢で薬品類を買い漁ったと聞き硫酸で溶かしたと推理し、瑞浪の精神病院を疑い、萩崎は精神病院で院長・岩尾輝次(山路義人)に会い、山崎が来て加藤が山崎が舟坂と見破り、警察が来て舟坂は硫酸のタンクに落ち溶け、萩崎は絵津子と会った。
監督:大庭秀雄
脚本:高岩肇
原作:松本清張
出演者:佐田啓二・鳳八千代・高野真二・朝丘雪路・織田政雄・宇佐美淳也・渡辺文雄・西村晃・多々良純・山路義人・三谷幸子・左卜全・永井智雄・三津田健・小林十九二・十朱久雄・富田仲次郎・紫千代
製作年:1958年
感想: 松竹映画、モノクロ。
素人捜査は動機が疑問で、各地を回るのも違和感がある。
警察捜査だと判る事を減らす目的だろう。
(2017/12/11)
- 地獄の夜は真紅だぜ
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佐渡で興業中のシバタサーカスでオートバイの曲乗り「地獄の夜」を演じた三田光太郎(伊藤寿章)が実演中に射殺され、一緒に演じていた娘・三田光子(松原智恵子)は悲しみ久美子(白木マリ)が慰めるが、光太郎は麻薬を使用していた。
佐渡から新潟に渡る船に勝見伸二(小林旭)が同乗しギターを弾き歌い、三鬼(近藤弘)はサーカスに入れバイクの整備係にするが、尾崎(川地民夫)と光子が「地獄の夜」を演じるとガソリンに砂糖を入れられ事故が起き、サーカスはタカラサーカスに合併を迫られるが大町団長(佐々木孝丸)は断り、事故で「地獄の夜」ができず光子は難題を要求されるが勝見が代役のコンビを務め、光子は勝見に好意を持った。
船長・周(藤村有弘)がタカラサーカスの高岡(田中明夫)とサーカスの荷物に麻薬を隠し運び、健(深江章喜)を乗せたいと持ち掛け、健は荷物を詮索し高岡が誘い、ボスが高岡に指示し裏方・戸川(高品格)や政(野呂圭介)らがストライキし高岡が借金があると言い健を代理にした。
勝見らが演奏で間をつなぎ、尾崎と勝見がまぐさを疑い、ボスが光太郎が麻薬を盗んだと知り、勝見はまぐさ運びは石本の事故があり危険と言われ、高牧(三木正三)が光子の部屋を探し、勝見が銃で狙われ光太郎が残したベルトに手紙と鍵を見つけ、高牧が高岡を襲い勝見が防ぎ健と会い、戸川を尾行した勝見はロッカーに麻薬を見つけ光子に預けた。
久美子が光子に高牧が光太郎の麻薬を探したと勝見の疑いを話し、光子は勝見を問い、尾崎が光子の部屋から麻薬を盗むが高岡らに見つかり、勝見が来て拳銃使いの女が自白剤を尾崎に注射し白状し、光子が戸川に攫われた。
<以下、隠し字>
高岡は健らに勝見殺害を命じ崖で争い、逃げた勝見が光子を助け、高岡一味は麻薬捜査官がいる情報で勝見と健を疑い捕らえ、三鬼が光子を連れて来て、拳銃使いの女が自白剤をうつと勝見は麻薬捜査官と言い、健が高岡一味と銃撃戦になり勝見は石本は兄と言うがボスは消えた。
勝見と光子はサーカスに戻り「地獄の夜」が始めると、勝見は狙った犯人・外人ピエロを見つけるが犯人は光子を連れて自動車で逃げ勝見がオートバイで追い、犯人・劉(加原武門)を捕らえ、拳銃使いの女と健は麻薬捜査官で勝見の兄と親友と言い勝見は去った。
監督:野口博志
脚本:阿部桂一・加藤有芳
出演者:小林旭・松原智恵子・伊藤寿章・佐々木孝丸・川地民夫・田中明夫・深江章喜・白木マリ・近藤弘・藤村有弘・高品格・野呂圭介・三木正三・加原武門
製作年:1962年
感想: ストーリーは主役向けになっている。
流れ者がサーカスに加わり、そこの女性が恋をする。
そこの事件を解決して去って行く。
(2017/12/11)
- 鞍馬天狗 鞍馬の火祭
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幕末の京で徳川打倒計画を練り、鬼女面の偽鞍馬天狗が荒らし、白河宗房卿(高田浩吉)を騙そうとし仲間を斬り、鞍馬天狗(嵐寛寿郎)は身の証を求められ、茶屋で櫻町胤保(黒川弥太郎)が姉で芸妓・おえん(入江たか子)といると梶谷主馬(小林重四郎)が来、鞍馬天狗は荒らしているのは偽と言った。
国学者・香取任藏(大友富右衛門)が娘・千春(岸惠子)と少年・杉作(美空ひばり)と新吉(かつら五郎)らと住み、杉作が鞍馬天狗を探しに旅立ち、白河宗房卿が訪れ鞍馬天狗は戻っていると言い香取に徳川打倒方針書を預け、黒姫の吉兵衛(川田晴久)が囲まれると天狗が助け、鬼面侍が香取に現われ天狗が見つけ争い、香取と千春と杉作と新作が所司代へ連れられ方針書を要求され、白河卿を貴船の山荘へ運んだ。
天狗は白河卿を街道で救い吉兵衛が追っ手を妨害し、三條卿より方針書を焼捨て長州へ旅立てとの命を伝えるが天狗の変心を疑う卿は聞かず、千春へ櫻町胤保が言い寄るが天狗が防ぎ、天狗は偽天狗の面の作者を調べ探し、長野主膳(海江田譲二)に待ち伏せられ闘い新吉と川に逃げた。
長野が白河卿に処刑を言い渡し、天狗は千春と香取を救うと吉兵衛から牢が手薄と聞き、新吉は香取への毒殺命令を盗み聞き香取に知らせ見つかるが天狗が助け、香取を牢から逃がすと偽天狗が現れ争った。
<以下、隠し字>
天狗はおえんに弟・櫻町が偽天狗と告げ隠れ家を聞くとおえんは出かけ、天狗は帰った杉作と有馬新二郎(岩井半四郎)に会い吉兵衛から千春がいないと聞き、天狗は白河卿の処刑に行き方針書と白河卿の交換を偽り長野と闘い、櫻町は千春を攫い妻になれと迫るが拒否され方針書を見せ偽天狗の正体を明かすと、千春は逃げそこへおえんが来て罪を咎め、梶谷が来て方針書を要求したが追い払い、杉作が来たが櫻町はおえんを斬り千春を連れ鞍馬の木樵小屋へ逃げ、天狗が鞍馬の火祭の中を追い、櫻町と天狗が闘い天狗が勝った。
監督:大曾根辰夫
脚本:豊田榮
原作:大佛次郎
出演者:嵐寛寿郎・黒川弥太郎・大友富右衛門・岸惠子・美空ひばり・かつら五郎・入江たか子・高田浩吉・海江田譲二・小林重四郎・岩井半四郎・川田晴久・山路義人
製作年:1951年
感想: 松竹映画、モノクロ。
歌謡ドラマ仕立てで、子供向けだ。
殺陣もストーリーも奇妙だ。
(2017/12/21)
- 憲兵とバラバラ死美人
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女が軍人に子が出来たと結婚を迫り、昭和12年10月に仙台の留守部隊で萩山憲兵曹長(細川俊夫)と井部憲兵隊長(倉橋宏明)が井戸から首と四肢のない胎児を孕んだ女の腐乱死体を発見し、守谷刑事部長(岬洋二)と馬渡老刑事(久保春二)は部隊内は不可と言われ、捜査が難航し刈田憲兵伍長(小高まさる)が東京から憲兵・小坂徳助曹長(中山昭二)と高山忠吉(鮎川浩)を事件解決に連れた。
小坂と高山は加島しの(江畑絢子)の姉・加島喜代子(若杉嘉津子)の家に宿を取り、警察に協力を求め、水音を聞いた兵が炊事班長・恒吉軍曹(天知茂)を見て、馴染みの酌婦・文子(小野彰子)を清の家の女将(津路清子)は行方不明と言った。
東北帝大を訪ねた小坂は殺された胴体が1人で担ぐのは難しく屍体をバラバラにするには1時間かかると聞き、小坂は馬渡から協力を言われ老姿・およし(五月藤江)の話しから、連隊の隣りの陸軍病院の手術室を疑い、霊安室の傍の古井戸から骸骨と両手と両足が発見され、石川博士(児玉一男)と助手(千葉徹)はぴったりと言った。
仙台の憲兵隊・坂本憲兵大尉(高松政雄)は恒吉を連日拷問をかけ自白を強いたが、小坂は犯人は別で被害者の特定が大事と考え毎日病院に通い、満州出動前に毎日連隊から病院に派遣される下士官が4人いたと判った。
小坂はしのから鴨下妙子(松浦浪路)を紹介され夫の写真を見て志願して満州に行ったと聞き、馬渡が生前の写真を探し、4人の当時の状況を調べ君塚軍曹(江見俊太郎)が手術室から毛布と天幕で包んだ私物と厳重梱包した荷物を連隊に運んだと判明した。
<以下、隠し字>
小坂はしのと喜代子が妙子の着物を見立てるのを見て、ドクロの虫歯を歯科医(武村新)に見せ女は県の経理部長の女中・伊藤百合子(三重明子)と判り、小坂は喜代子に頼み村井夫人(高岡久美子)から住所を聞き、酒店に行き手紙が君塚と知り、馬渡が君塚と百合子の写真を入手した。
文子が帰り恒吉が無実と判り、小坂憲兵は満州へ向かい部隊から脱走していた君塚を逮捕した。
監督:並木鏡太郎
脚本:杉本彰
原作:小坂慶助
出演者:中山昭二・若杉嘉津子・江畑絢子・鮎川浩・細川俊夫・小高まさる・倉橋宏明・高松政雄・江見俊太郎・天知茂・千葉徹・児玉一男・岬洋二・久保春二・津路清子・五月藤江・松浦浪路・武村新・小野彰子・三重明子・高岡久美子
製作年:1957年
感想: 新東宝映画、モノクロ。
軍隊を部隊にした、本格推理作品だ。
推理と証拠で犯人を捕らえる憲兵を描く。
(2017/12/21)
- 雨月物語
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戦国時代の琵琶湖周辺の羽柴と柴田間の戦いの中に北近江の陶工・源十郎(森雅之)は焼物を売りに行き、金と荷物を得て妻・宮木(田中絹代)と子・源市(沢村市三郎)に戻り、源十郎は義弟・藤兵衛(小沢栄太郎)とまた陶器を沢山作るために働き続けた。
合戦が始まり皆は逃げるが源十郎は陶器作りに夢中で、窯火が消えたが陶器は完成し、源十郎らは陶器を持って船で大溝城下へ売りに行き、海賊に襲われた梅津の船頭(天野一郎)に会い注意され、源十郎と藤兵衛と女房・阿浜(水戸光子)だけが売りに行った。
合戦間近の大溝城下で源十郎らはその陶器を売り、朽木屋敷の若狭(京マチ子)と名乗る上臈風の女が多数購入し屋敷に呼び、藤兵衛は侍分への出世を夢みてを阿浜と別れ貝足商人(村田宏二)から用具を買い羽柴勢に紛れ、阿浜は藤兵衛を捜し人足らに攫われ寺に連れ込まれ遊ばれた。
源十郎は注文された荷を持って屋敷へ向かい若狭と付添の老女・右近(毛利菊枝)が迎え案内され、自分が作った陶器で饗応をうけ才能をもっと豊にせよと若狭と契りを言われ、次々の快楽に溺れて屋敷から逃れられなくなった。
宮木は源市を抱いて落武者に槍で刺され、藤兵衛は戦場で自害する武将・不破(光岡龍三郎)に会い兜首を拾い、馬と家来持ちの侍に立身したが街道の遊女宿で老女(金剛麗子)に誘われ泊まり、おちぶれた阿浜と会い元に戻すと言った。
町に出た源十郎は、衣服店の主人(上田吉二郎)から帰れと言われ、老僧(青山杉作)に死相を指摘され彷徨うと命がなくなるので妻子に戻れと言われ死霊をはらす細工をされ、屋敷に戻り若狭たちに別れを切り出し引き留める若狭たちは源十郎に触れられず、源十郎の体に呪符が書かれていた。
<以下、隠し字>
翌朝源十郎は廃墟で目覚め、若狭たちは織田信長に滅された朽木一族の死霊だった、源十郎は郷里へ帰り痩せた宮木と源市に会ったが一夜明けると村名主(香川良介)が源市を訪ね、宮木は落武者の槍に刺され死んだと言った。
藤兵衛と阿浜が村に帰り、源十郎は宮木を弔い陶器つくりを始め、藤兵衛と阿浜も一緒に働いた。
監督:溝口健二
脚本:川口松太郎・依田義賢
出演者:京マチ子・森雅之・田中絹代・水戸光子・青山杉作・上田吉二郎・香川良介・金剛麗子・光岡龍三郎・毛利菊枝・天野一郎・村田宏二・沢村市三郎
製作年:1953年
感想: 大映映画、モノクロ。
2部構成の表示が出るが、映像に境目は不明だ。
夢を追う男と死霊の快楽を見た男が、元の平凡な生活に戻る。
(2017/12/31)
- 暁の追跡
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石川巡査(池部良)は駐在所で山口巡査(水島道太郎)から文句を言われ阿部巡査と短時間交代し、窃盗犯逮捕の連絡を受け、伊達巡査(田崎潤)は金を借し、酔っ払いが来たりした。
麻薬売人・舟木を目撃したが逃亡し石川は追跡したが舟木は国電で電車に轢かれ死に、悲惨な現場を見た石川は落ち込み、寮に戻りうなされ檜巡査(伊藤雄之助)に時間を聞き出かけ、舟木宅は貧しい街の路地の奥で焼香に行き舟木の妻(北林谷栄)と会い、病状の妹・雪江(野上千鶴子)に弱きをいじめると罵られた。
石川は近くの中華食堂へ行き、娘・友子(杉葉子)と恋仲で犯人の家族の仕事探しを言い、次の休日に江の島に誘われ、行き楽しみ仕事を忘れろと言われ、警察で訓練が有り石川も参加し、ある企業の労働争議に警察はトラック2台分の警官を派遣しストに介入し殴られて逮捕し、石川は雪江の職を探し家に行くが大家から夜逃げしたと言われた。
石川は檜から撃たれた巡査を聞き、檜は過失で発砲し仲間を傷つけ免職になり石川は上司に不満を言うと辞めろと言われ、警官が嫌になり転職活動を始め、証券等の会社を数社巡るがどの会社も不況で人員整理中だった。
石川は屋上から殺人現場を目撃し、雪江が石川を訪ねその後に遺体で見つかり、現場に人見捜査主任(菅井一郎)が来て捜査を始め、石川は雪江の殺害を知り舟木の妹で3日前に車内で会ったと答え、石川は雪江の手紙を読み「悪者に使われ警察に訪ね謝りたい」と書かれ、石川は檜と勤めるキャバレーで会った。
<以下、隠し字>
駐在所で友子から外交員の仕事を言われるが他を考えると怒られ、石川は暴徒・銀次を捕らえ加藤刑事(島田友三郎)が舟木の仲間・八郎(江見俊太郎)を聞き出し、石川は捜査参加を望むが警邏と断られた。
警察は八郎を捜し似顔絵を作り、石川は友子に結婚を言い、津川警部補(三原純)は八郎が憲兵上がりと知り麻薬組織集団を見つけ、警官は銃器を保持し包囲し銃撃戦になり逃げる一味を追跡し、仲間割れし屋根を逃げるが崩れて落ち、石川は仲間割れで傷ついた八郎が息を引き取るのを見た。
監督:市川崑
脚本:新藤兼人
原作:中川淳
出演者:池部良・杉葉子・水島道太郎・伊藤雄之助・田崎潤・野上千鶴子・北林谷栄・江見俊太郎・菅井一郎・島田友三郎・三原純
製作年:1950年
感想: モノクロ。
この時代にまさかの、銃撃アクションシーンがある。
警官を辞めたいが、周囲は不況の状況も描かれる。
(2017/12/31)