鑑賞日記(2016/10)
- 東京流れ者
-
本堂哲也(渡哲也)を数名の男が囲む、倉田(北龍二)組がやくざから不動産業に変わった事で倉田組に喧嘩を売ろうとする大塚(江角英明)組だったが、哲也は倉田の無抵抗主義を守った。
哲也は恋仲の歌手・千春(松原智恵子)と結婚してやくざをやめる積もりだった。
倉田は金融業・吉井(日野道夫)からビルを担保に金を貸り、熊本(長弘)は手形が問題と言い、哲也は吉井に手形延期を申し込んだ。
事務員・睦子(浜川智子)に聞いた大塚は部下に吉井を哲也のふりで呼び出し、担保のビルの権利書一切を脅し取り、大塚組の田中(郷英治)の電話で知った哲也は、権利書をとられ、吉井と哲也は捕らえられたが逃げた。
睦子と吉井を殺し、倉田に権利書を大塚らは要求するが哲也に妨げられ、大塚は哲也を殺すため殺し屋・辰造(川地民夫)を雇った。
相沢健次(二谷英明)がキャバレーにおり、哲也が殺しをかぶると言い、大塚は倉田に哲也とひきかえにビルの問題から手をひくともちかけ、聞いた哲也は大阪に発ち、辰造らは哲也を追った。
<以下、隠し字>
酒井刑事(伊豆見雄)が哲也を大阪に連れるが出入りの最中で、辰造らを哲也はやむを得ず向かい討ち逃げるが、辰造はしつこく追い哲也は傷ついた。
健次が来て、哲也の怪我を手当てして、倉田を信じ過ぎるなと言い、哲也は旅に出て佐世保の梅谷(玉川伊佐男)の所で健次や辰造に会い騒ぎになり、辰造は自害した。
東京では大塚が倉田に権利書の代わりに、哲也の命と千春にクラブ商売をさせると言い、倉田は梅谷に哲也を殺せと命じた。
東京に帰った哲也は千春を捜すが、千春は哲也が死んだと聞かされ敬一(吉田毅)を人質に大塚のクラブで歌い、哲也は倉田の裏切りを知り大塚を撃ち、倉田と別れ、千春と別れて去っていった。
監督:鈴木清順
脚本:川内康範
原作:川内康範
出演者:渡哲也・松原智恵子・吉田毅・二谷英明・北龍二・長弘・江角英明・川地民夫・郷英治・伊豆見雄・玉川伊佐男・日野道夫・浜川智子
製作年:1966年
感想: 流れ者シリーズ第1作。
不死身の哲と言っても、格好良いのか単純なお人よしかは疑問だ。
人を信じて裏切られ、周囲に迷惑をかける。
厄介な流れ者だ。
(2016/10/07)
- 肉体の門
-
敗戦で警察によるパンパン狩りが行われて、東京は喰うか生きるかの町になり、阿部(和田浩治)と会った17歳のボルネオ・マヤ(野川由美子)は、関東小政のおせん(河西都子)グループに入った、既に兄を亡くし外国兵に肌を奪われ黒人牧師(チコ/ローランド)に助けられていた。
焼ビル地下に、ジープのお美乃(松尾嘉代)・ふうてんお六(石井富子)・町子(富永美沙子)らが似た過去の女たちがいて、縄張り破りと只で体を売らない極めがあった。
おせんは掟を破った女がリンチをうけ髪を切られ裸でさらされるのをマヤに見せた。 おせんのグループは縄張り破りの女(緒方葉子・横田陽子)ともめ、彫留(玉川伊佐男)による関東小政の刺青をもつ・おせんは、復員姿の伊吹新太郎(宍戸錠)に会い、たくましい男に愛に似た感情が生じ進駐軍を刺し追われた所を助けたが、いつの間にか新太郎は一緒にいるようになった。
おせんは阿部に新太郎が進駐軍の物資を持っていると声を掛けられ、新太郎中心の生活はマヤは誰かが裏切ると感じ始めた頃に、町子が小笠原(江角英明)と結婚を約束し無償で身体を与えているとバレ、怒った小政・マヤらは地下室に町子を宙吊りしてリンチを加え、すさまじいさはマヤの身体が忘れた女が目覚め、マヤは新太郎にひきつけられた。
傷が直った新太郎は外で強盗を始め、おせんらは進駐軍の品の横流しを薦め、小政の口ききで新太郎は阿部と兄貴分の石井(野呂圭介)にペニシリンを売り多くのお金を受けとった。
<以下、隠し字>
マヤは新太郎が町子を連れているのを見かけたが、黒人牧師に声を掛けられ逆に誘惑し、新太郎は牛盗み地下室で殺し牛肉にして皆がありつくが、阿部がおせんに新太郎との取引は無かった事にと持ちかけ、地下室はそれを知らず飲み食いした。
マヤは新太郎から兄を思い出し、新太郎を廃船につれこみ愛撫を求め、彼も激情でマヤを抱いたが、新太郎は肉を売りに出てマヤは皆からのけ者にされると言い、新太郎は他の土地に行くならと場所を約束したが、影で聞いたおせんらは、マヤを宙吊りし激しいリンチを加えたが、マヤは希望を持っていた。
新太郎は阿部に、ペニシリンがインチキだと密告され阿部と石井らに追われ撃たれた。
マヤは新太郎との約束の場所にゆくが・・・・、脱落者の幸福を地獄でも離さないと思った。
監督:鈴木清順
脚本:棚田吾郎
原作:田村泰次郎
出演者:野川由美子・宍戸錠・河西都子・松尾嘉代・石井富子・富永美沙子・野呂圭介・和田浩治・玉川伊佐男・江角英明・緒方葉子・横田陽子・チコ/ローランド・中庸子
製作年:1964年
感想: 全てが乱れ、生きて行くだけでぎりぎりで幸福など考えられない時代。
そこで生き延びるパンパンたちの集団と掟。
だが女を想い出し、外れる者にも別の物があるのか。
(2016/10/07)
- としごろ
-
中学を卒業した森川昌子(森昌子)と渡辺優子(秋谷陽子)は同窓生でバレーボール部の親友で、高木京子(山口百恵)ら後輩から送られ母校の事務員兼バレーボール部のコーチ・大和田章子(和田アキ子)から元気付けられた。
昌子は母と2人の貧しい家庭で近くの工場に就職した。
優子は岡部(堺正章)らが眼を付け、優子が章子に高校でバレーボールを続けるつもりが、大工の父・渡辺源三(谷村昌彦)が怪我で高校を止め実業団に入る話が進み、バレー部監督で担任・沼田正樹(森次晃嗣)は優子を自宅から高校へ通学させた。
工場で主任・堀口哲也(村野武範)が見回り、昌子の同僚の塚原雄二(夏夕介)に昌子はバレーの話をした。
沼田の家に下宿した優子は、妻・沼田秀子(富山真沙子)が学生結婚で、コーチの時と家庭は違うと言うが、優子への沼田の気持は強く、妻・秀子は不満で家を出た。
京子の兄の店で西城英樹ショーが行われ、藤沢淳子(石川さゆり)は昌子に恋人が出来た様だと言ったが、昌子から電話で待ち合わせにゆけないと連絡があり、待っていた淳子はが不良たちに犯された。
淳子はバレーボール練習が激しくなり倒れた時に養護室で妊娠が判り、本人も知っており章子は不良を追い払い、父・藤沢武彦(藤村有弘)の不倫を見て、妻(根岸季衣)も無関心で、淳子は学校を休み友達・山岸(山口亮)と会い期待されるのが耐えられなく期待ほどに力がないと嘆く山岸と淳子は心中で死んだ。
<以下、隠し字>
昌子は淳子の死を嘆き、相談に乗れなかった事を堀口に話すがボヤッとした昌子の身代わりになり雄二が大ケガをし、徹夜で雄二を見守る昌子に堀口が来て、次第に回復して行くと昌子と雄二は互いに惹かれていった。
優子はバレーボールの練習中、足を骨折し医者は1年練習を禁止し、沼田は帰宅を伝え源三と妻は厳しいながら受け入れ、優子は時間をかけて直し復帰したく、章子は歌声喫茶で唄のアルバイトをする昌子に会い、雄二と堀口にも会った。
優子は沼田の家で夫妻を見て、実業団に行くが膝は再起不能で断わられ、雄二の退院を迎えた昌子は優子を見かけ、彼女を励まし死ぬ事を軽蔑すると言い、翌日優子は学校に行き、見守る昌子と堀口だった。
監督:市村泰一
脚本:元持栄美
出演者:和田アキ子・森昌子・石川さゆり・山口百恵・山口亮・夏夕介・森次晃嗣・堺正章・村野武範・富山真沙子・谷村昌彦・西城英樹・藤村有弘・根岸季衣
製作年:1973年
感想: 当時の歌謡映画で、無関係な所に歌謡曲が入り何故か歌っているらしい。
テーマは大人のエゴに振り回される青年・少女たち。
それと死を選ぶ事を否定する事が理解されるか。
(2016/10/17)
- にあんちゃん
-
昭和28年の春、佐賀県鶴ノ鼻炭鉱のストライキが行われ、安本一家の炭鉱夫の父親が死に喜一(長門裕之)・良子(松尾嘉代)・高一(沖村武)・末子(前田暁子)の4人の子供が残された。
喜一は20歳で坂田の婆(北林谷栄)は喜一と良子の長崎での仕事を勧め、保健婦・堀かな子(吉行和子)は反対で、安本一家の山の中腹の長屋も皆その日暮しで、高一と末子は北村五郎(西村晃)と妻・菊枝(田中敬子)から米を借り、喜一は返すあてがなかった。
父の49日に辺見源五郎(殿山泰司)が会社と交渉したが給料の金券が減額になり鉱業所長(芦田伸介)は仮雇いの喜一は首で、他で廃山が続いていると言った。
金山春夫(小沢昭一)が良子の仕事を持って来て、辺見は喜一と良子は働きに出し、高一と末子を辺見家で預かった。
辺見家も生活は苦しく、給料遅配でストライキは広がり末子が学校を休み担任教師・桐野(穂積隆信)が訪ねたが、西脇(浜村純)が来て子供が赤痢と判るが保健所係長前田(日野道夫)は予算がなく、末子は罹病した。
高一は廃品集めを始めたが、西脇が自殺し辺見に非難されたかな子は倒れ、かな子の母(岸輝子)と松岡亮一(二谷英明)は東京に帰る様に言い、辺見は謝った。
学校の遠足の時に末子は、福島精肉店主(松本染升)を訪ねるが出掛けており、帰りのバスで会った。
<以下、隠し字>
炭鉱で事故が起き辺見も巻き込まれ退職に悩み、喜一が帰るが職はなく、会社が人員削減で多くが退職し人々は家をたたんで山を下りた。
高一と末子は、喜一に連れられ閔(大森義夫)と閔の妻(牧よし子)の家に行くが堀立小屋で異臭で夜逃げして炭鉱に戻り、金山に仕事を紹介され辺見の家には戻れずかな子の家に泊まった。
高一は末子をかな子に預け、住み込みの漁港でいりこ屋主人・西河(大滝秀治)と娘・多和子(加代あけみ)の所で働き、喜一は佐賀のパチンコ屋に就職し、かな子は東京に許婚者を追い帰る予定で、末子は北村の所で住み働いた。
高一は東京へ行くが、中学生が1人で九州から職を探しに来た話が不審な自転車屋・主人(高原駿雄)が警察に連絡して、送り返され喜一と良子が博多で迎えた。
高一は炭鉱村に帰り迎えに来た末子と会い、いつか飛び出そうと思った。
監督:今村昌平
脚本:池田一朗・今村昌平
原作:安本末子
出演者:長門裕之・松尾嘉代・沖村武・前田暁子・北林谷栄・芦田伸介・小沢昭一・日野道夫・岸輝子・松本染升・二谷英明・大森義夫・牧よし子・殿山泰司・吉行和子・穂積隆信・高原駿雄・大滝秀治・加代あけみ
製作年:1959年
感想: モノクロ映画。
にあんちゃんは高一の事。
末子と高一の1人称の語りを挟んで進む。
当時の貧乏と現在に想像で描き貧乏にはどこか差があると自然に感じる。
(2016/10/17)
- 海猫
-
フィアンセ・高山修介(鳥羽潤)から亡母・薫(伊東美咲)の事で婚約破棄された野田美輝(ミムラ)はショックで失語症になり、故郷・函館の病院で祖母・野田タミ(三田佳子)から母の死の経緯を聞いた。
薫が函館から峠を越えた漁村の漁師・赤木邦一(佐藤浩市)に、弟・孝志(深水元基)らとバスを借切で嫁いだのは80年代半ばで、婚礼の宴会で義弟・広次(仲村トオル)と会い、その後邦一と初夜を過ごした。
銀行に勤めていた薫は田中(佐藤二朗)らに絡まれた所を邦一に助けられ知り合い、嫁ぎ先でロシアの血を引き青い目の薫は歓迎され、義母・赤木みさ子(白石加代子)と漁師の生活に溶けこむ努力をした。
函館の工場で働く義弟・広次は、孝志を幸子(角田ともみ)と会わせ、部屋に薫の絵があった。
薫は昆布漁に慣れなく、孝志が訪ねて口出すのが邦一は不満で邦一は孝志と薫の制止を無視して喧嘩し、広次が帰り薫にプレゼントし一緒に過ごし広次は薫を守ると言った。
薫夫妻に子供が産まれる頃に、邦一は漁場争いに巻き込まれ、薫はみさ子と産婆のタエ(小林トシ江)に看取られ女子を産み、怪我をした邦一は入院して看護師・啓子(小島聖)と出会い、薫と広次が見舞いに来て邦一は美輝(三好杏依)と子に名付けた。
男子を望む邦一と微妙な心がずれ、広次は村を去り、邦一は函館で啓子と浮気し、薫はまだ漁になれなく孤独感で、薫は広次を訪ね一度だけ抱かれた。
1年後に啓子が邦一に「薫が函館の病院へ行き2番目の娘・美哉(三好竜誠)を産んだ」と話すと、邦一は広次を訪ね聞くが何も答えず、邦一は薫に美哉は誰の子か訪ね暴力をふるった。
<以下、隠し字>
薫は娘2人と函館に帰ろうとするが、みさ子は認めず連れもどされ、薫は孝志宛てに助けを求める手紙を送りそれを広次に渡した。
広次が帰ると、薫は病気で伏せ囚人あつかいされていて、孝志が広次に呼ばれ村に向い、広次は薫を家から助け出し、追ってきた邦一と対決した。
薫は広次と孝志の車に乗るが、邦一が追って来ると薫は車を止め、疲れ果てた薫は海に身を投げ、それを追って広次も身を投げた。
タミは美輝と美哉(蒼井優)に広次が画いた薫の絵を見せ、愛されていたと言った。
美輝は父・邦一を訪れ母・薫の事を聞くと遭難した時に海猫の声がしてそれが薫の声に聞こえたと言い邦一は美輝との再会を喜び、美哉は母・薫と広次が眠る墓に詣った。
監督:森田芳光
脚本:筒井ともみ
原作:谷村志穂
出演者:伊東美咲・佐藤浩市・仲村トオル・三田佳子・ミムラ・蒼井優・深水元基・白石加代子・鳥羽潤・佐藤二朗・角田ともみ・小林トシ江・三好杏依・小島聖・三好竜誠
制作年:2004年
感想: 仕事と性格で行き違う夫婦。
互いに溝を埋めず、他と浮気に走った。
食い違いが悲劇に向かう。
誰もに問題があるが、純粋とも言える・・。
(2016/10/27)
- アンフェア the answer
-
北海道・西紋別署勤務・雪平夏見(篠原涼子)は、犯人を射殺し警察内部の抗争で追われたが機密情報を持つと言われ、雪平は一条課長(佐藤浩市)と夜を過ごした。
東京で山路刑事(寺島進)らが殺人事件に行くと、何でも屋の元雪平の夫・佐藤和夫(香川照之)が現れた。
小久保(阿部サダヲ)が鑑識・三上(加藤雅也)から新城殺害・田島殺害・武田(吹越満)殺害の3件の連続殺人は容疑者が次ぎに殺され、佐藤が指紋から容疑者となった。
雪平は東京の三上から武田が北海道にいた情報を得、外で佐藤と会い容疑者が殺される予告殺人と聞き、USBを返され特定のパソコンのみアクセス出来ると聞いた。
雪平は佐藤の殺人容疑で逮捕され、小久保ら警視庁は騒ぎになり、三上が北海道に向かい、東京地検・村上(山田孝之)が来て、雪平は村上を人質に逃走を図り、村上は雪平を逃がしたのだった。
村上は警察内の捜査中で、雪平は佐藤の現場を見て、村上は車を乗り換え検問を通過したが結城脩(大森南朋)に尾行され、村上の家で雪平は襲われたが村上が助け、尾行していた一条が来た。
雪平は一条と三上と山路と会い、三上に鑑定を頼み、山路は小久保と連絡を取り、一条は刑事を止めようと言った。
殺人事件が起き一条が行くと十字架で男が殺され、結城から雪平に電話があり、逃げだし三上から警察の機密漏洩がUSBに入っていると聞いた。
<以下、隠し字>
雪平は捜査を始め結城の家で写真を見つけ、結城が帰り殴られ捕らわれ、外へ出た所を村上が見つけ、話す内容を盗聴器で小久保らと一条が聞き、USBを結城に渡そうとする雪平を村上が止めたが逃げた。
雪平は結城にUSBを渡し撃たれ、一条が来て結城は殺人の指示者と言い誰が佐藤を殺したか聞くと自分と一条が答えたが、雪平が結城と手を組み結城を逃がし、小久保らが来て一条を逮捕した。
一条が自殺したが山路は殺されたと言い、村上は雪平に電話をして三上と一条とUSBを読んだが時限装置で破壊され、データは雪平に転送され破壊するように佐藤が設定していた。
監督:佐藤嗣麻子
脚本:佐藤嗣麻子
原作:秦建日子
出演者:篠原涼子・佐藤浩市・山田孝之・阿部サダヲ・加藤雅也・吹越満・大森南朋・寺島進・香川照之
制作年:2011年
感想: シリーズ続編。
題名どうりにアンフェアな内容だ。
約束を守るのは殺人犯だけとは・・・。
(2016/10/27)