鑑賞日記(2016/07)
- キューポラのある街
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鋳物の町川口市は銑鉄溶解炉キューポラやこしきの鋳物職人の町で、石黒辰五郎(東野英治郎)も職人気質の炭たきだが辰五郎の勤め先松永(殿山泰司)工場は20歳の塚本克巳(浜田光夫)を除いて中老の職工で工場が丸三という大工場に買収されクビの辰五郎らは路頭に迷った。
辰五郎の家は妻・トミと長女・ジュン(吉永小百合)と長男・タカユキ(市川好朗)と次男・テツハルの5人家族で長屋に住み、辰五郎がクビの夜トミは病院で男児を生むが辰五郎は病院へ顔も出さなく家は苦しくなった。
ジュンはトミを迎えタカユキが金を持っているのを見て問うと家出し、サンキチ(森坂秀樹)の所へゆくが、ジュンは金山ヨシエ(鈴木光子)に聞くというとサンキチの父が朝鮮人で辰五郎は付合いを反対し、克巳が辰五郎の退職金をかけあうと組合にも反対した。
タカユキはサンキチに南朝鮮と北朝鮮がなぜ仲が悪いか聞き、ジュンは学校で禁止されている鳩の売買を非難しパチンコ屋で仕事をし克巳に見つかるが裕福な生徒に負けたくないと言うが、辰五郎は足が悪く仕事が臨時ばかりで上手くゆかなかった。
タカユキが鳩の事で開田組のチンピラと揉めるとジュンは開田組に乗り込み分割交渉をし、貧しいが姉弟の心は通じてい、野田先生(加藤武)はジュンを探し克巳と会い修学旅行に行く様に言った。
辰五郎は酒に溺れ家に金を入れず、ジュンの親友・中島ノブコ(日吉順子)の父の会社に仕事がみつかるが辰五郎は新しい技術についてゆけなく、ヨシエ一家は朝鮮に帰ると決め、ジュンやタカユキは喜ぶが、学芸会で生徒は朝鮮人を差別した。
<以下、隠し字>
辰五郎はまた会社を止め、ジュンは職業に上下はなく職人はえらくないと言い、戦争で仕事が増えると言う辰五郎を責め、両親の進学への反対にジュンは修学旅行に行かず進学希望の高校を見にゆきトミが飲み屋で騒ぐのを見た。
ジュンは不良の級友・リエ(青木加代子)にバーに誘われ、睡眠薬をのまされたが克巳が連れてきた刑事(河上信夫)に助けられた。
学校に行かなくなったジュンを野田先生が夜学や通信教育もありやる気があればどこでも勉強が出来ると言い、ジュンは学校に戻り作文で色々な疑問を書き、朝鮮に帰るヨシエ一家を見送り逆に励まされた。
ジュンは昼間働き夜間高校に行き、タカユキは新聞配達をし、克巳の会社に辰五郎が工場に行くことになった。
監督:浦山桐郎
脚本:今村昌平・浦山桐郎
原作:早船ちよ
出演者:東野英治郎・吉永小百合・浜田光夫・鈴木光子・加藤武・市川好朗・森坂秀樹・殿山泰司・菅井きん・日吉順子・青木加代子・河上信夫
製作年:1962年
感想: モノクロ。
何時の世代でもある問題を主に、前向きな若者の視点で描く。
問題はいつもあるし、年代の持つ感覚差は同様だ。
あとは若者が前向きかどうかだけだ。
(2016/07/09)
- 殺しの烙印
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プロの殺し屋NO3ランクの花田五郎(宍戸錠)は5百万円である組織の幹部・大類進(南原宏治)を護送中にNO2とNO4らの一味に襲撃され、花田の相棒・春日義平(南廣)は撃たれ、大類が襲撃者を撃ち殺し、逃れた花田は男を目的地に送った。
花田は、中条美沙子(真理アンヌ)に車で迎えられ、妻・花田真美(小川万里子)と狂ったように抱き合いセックスだけ親切と言われた。
花田は薮原道彦(玉川伊佐男)から4人の殺しの依頼を受け、義眼(荒井岩衛)・眼科医(緑川宏)・宝石商(久松洪介)と次々と指名の人間を消した。
中条美沙子(真理アンヌ)から外国人を殺害を依頼され、他人と外国人とを殺し失敗したが殺し屋に失敗は許されなく、家に帰った花田は情事の後で逃亡を謀るが妻・真美が拳銃を撃った。
花田は逃げ、殺し屋・中条美沙子に向かいアパートに転げこむが、花田を美沙子は射てなく、2人は殺し屋と互いに知りながら互いに求め合い、花田と美沙子は相手を殺すチャンスはあるが殺せなく、花田は駄目な殺し屋と悩んだ。
花田は真美から、組織の事を聞き言い訳する真美を殺し、酔って戻った花田は美沙子が組織に捕われた事を映像で知った。
<以下、隠し字>
花田はスナックの女(萩道子)から組織からの電話を受け埠頭に呼び出され、連中と対決して殺して行くが、最後に現われたのは大類進で幻の殺し屋といわれるNO1だった。
大類は護送の借りを返し、花田は籠城するが見張られ悩み続け、大類が部屋に乗り込み暮らすと言い条件を決め、郵便配達人(戸波志朗)が荷物を持って来て髪が入っていた、大類は対決の場所として後楽園ジムを指定して去った。
残した映像では美沙子は生きており、花田は捨身作戦を練って乗り込み、大類は花田に倒され花田も大類に撃たれ、ジムの中によろめき立つ花田に美沙子が現われたが見分けのつかなくなっていた花田は射ち、自身も倒れた。
監督:鈴木清順
脚本:具流八郎
出演者:宍戸錠・小川万里子・真理アンヌ・南原宏治・玉川伊佐男・南廣・緑川宏・久松洪介・荒井岩衛・萩道子・戸波志朗
製作年:1967年
感想: モノクロ。
プロの殺し屋の世界も独自の仁義で描くとコメディタッチだ。
奇妙な生き方は妄想にも見える。
(2016/07/09)
- 父と暮せば
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1948年夏、広島。 火曜日、原爆で父・福吉竹造(原田芳雄)を亡くした福吉美津江(宮沢りえ)の前に、竹造が幽霊となって現れ、美津江は図書館勤務で幽霊・竹造と3年前の事からを話し、幽霊・竹造は何も食べなかった。
幽霊・竹造は、美津江が青年・木下正(浅野忠信)から饅頭を貰うのを見ており木下をインテリと感じ美津江は何でもないと言い、幽霊・竹造は美津江が好きだろうと思った。
美津江は資料を求めて図書館に来た木下に、利用も制限され現実に焼けて残っていないと答えた、自身も思い出の品は焼き捨てたと言ったと説明した。
幽霊・竹造は、木下と美津江は互いにひとめぼれと言い、明日会う約束をしたと知っており、好きな者が一緒になるのが幸せというが、美津江は幸せになる事を断り、美津江の恋を成就させるべく現れたと言うが、美津江は恋は出来ないと言った。
水曜日、美津江は子供向けのイベントの準備に忙しく、幽霊・竹造は料理をし美津江の昔話研究会が6年前は政府から批判されたと言い、木下は原爆瓦を集めており1枚を美津江に預け、木下は資料を集めすぎて下宿から文句を言われ、図書館で預かる事を依頼されたと美津江は言い、幽霊・竹造は皆が知っている話しに原爆の事を加える事を提案したが美津江は進駐軍が目を光らせていると答え、幽霊・竹造は一寸法師を始めた。
木曜日、雨で幽霊・竹造は雨漏り対応しながら木下宛ての手紙を見つけた、イベントが中止になった美津江が帰り木下を避けていた。
<以下、隠し字>
美津江は木下が原爆病が出たら看病し子供に影響でても同様と言ったが、もっと不幸な人に対し自分が幸福になってはいけないと言い、美津江は被爆時の時に偶然自分が助かるが友人の遺族に何故生きているかと言われたと語ったと言うが、幽霊・竹造は全て納得していて、木下宛ての手紙を直ぐに出せと言った。
金曜日、美津江の家に木下の資料が運びこまれ、幽霊・竹造は木下の事を気にし準備するが木下を避けようとする美津江を幽霊・竹造は逃げるなと言い、美津江は父を置き去りにしたと言い、自分を助け逃がそうとした父の想いを思い出し、自分の分まで生きろと言い後世に伝えて欲しいとの父の願いを知った。
美津江は生きる希望を取り戻し感謝し、幽霊・竹造にしばらく会えないかも知れないと答えた。
監督:黒木和雄
脚本:黒木和雄・池田眞也
原作:井上ひさし
出演者:宮沢りえ・原田芳雄・浅野忠信
制作年:2004年
感想: 原爆の中で生き残った者の死者への思いが揺らぐ。
託されて生きる事もまた苦しい。
父の思いは迷うと甦るのだろう。
(2016/07/19)
- 白夜行
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昭和55年、廃ビルの部屋で質屋の店主・桐原が殺され、妻・桐原弥生子(戸田恵子)と従業員で弥生子の愛人・松浦勇(田中哲司)のアリバイが怪しく所轄刑事・笹垣潤三(船越英一郎)と篠塚一成(姜暢雄)刑事らが質問し、10歳の息子・桐原亮司(今井悠貴)が母親のアリバイを証言した。
笹垣らは、被害者が訪問した・西本文代(山下容莉枝)の家を訪ね、10歳の少女・西本雪穂(福本史織)が会い、帰宅した文代が笹垣の職務質問に嘘を答えようとしたが雪穂が止めた。
33日後に文代のアリバイがあり文代の恋人・寺崎が判明したが供述が曖昧で、その後に捜査本部が縮小され、寺崎が自動車事故死して桐原のライターが見つかり、その後に文代がガス中毒死し、71日後に事件は被疑者死亡で立件されたが、笹垣は被疑者の息子と容疑者の娘が気になった。
昭和61年、遠戚の唐沢礼子(中村久美)の養女となった唐沢雪穂(堀北真希)は、清華女子学園の女子高生になり、川島江利子(緑友利恵)と親友になり、入学当初は実の母親が殺人犯と噂された。
清華女子学園の女子高生の写真を撮った他校の男子達がおり、江利子は雪穂と同じ大学を目指すが、同級生・藤村の被害で警察に雪穂は写真を撮られた中に秋吉がいたと述べ、藤村に2人は黙っていると約束し、生徒会長に立候補すると言った。
昭和63年、桐原亮司(高良健吾)は実家を離れ自活し、オバサン相手に性を売っていたが、ある乱交パーティーで20歳年上の栗原典子(粟田麗)と出会い同棲した。
笹垣は松浦勇が指名手配犯と知り、弥生子のバーを訪れ、夫に財産がなく苦労し、息子・桐原亮司が出て行ったままと聞いた。
平成元年、大学で雪穂と江利子は社交ダンス部に入り、部長・三枝は江利子に接近し家族を紹介し、江利子はダンスで足を怪我し三枝に車で声を掛けられ髪形を大人風に変え、江利子は雪穂を気にした。
松浦勇が雪穂に声をかけ、翌日江利子に松浦勇の事を口止めし、三枝は江利子が来なく雪穂に会い、雪穂は三枝を誘惑した。
笹垣は松浦勇の目撃情報を知り、桐原亮司は松浦勇を見つけ会い、亮司は典子にうなされ幼少の事を聞かれ話した。
<以下、隠し字>
笹垣はまた桐原弥生子のバーを訪れ、見たことのある絵が風と共に去りぬと聞き西本雪穂を思い出し、昔の事を調べ貸し出し図書で桐原亮司の名を見つけ、人形から唐沢礼子に辿りつき雪穂を引き取った理由を聞き、雪穂が西本文代が自殺する事を知っていた可能性を聞き、笹垣は豪雨の崩れた所から白骨死体が見つかり松浦勇と思われ、典子が青酸カリで死亡した。
雪穂は三枝と過ごし、平成10年に結婚し三枝の父から資金の援助を受け、三枝の妹・美香は雪穂が三枝の世話をしないのを責め、笹垣は定年退職したが調べ続け、雪穂は襲われた男に苦しむ美香に自分も同じ体験を話した。
笹垣は人形とモールス信号に気づき、雪穂を訪問し三枝に会うと妻が恐ろしく思う事があり雇った探偵は殺されたと聞き、推理を話しはじめた。
桐原の愛人が母でなく娘で、地獄の日々で児童館で亮司と会うが、亮司の父が雪穂を苦しめる1人で、亮司が目撃し父を殺し雪穂を逃がし現場を細工して逃げ、少年は今も少女の為に生きていた。
雪穂は美香に太陽に変わる何かを語り、三枝に連れられた笹垣は雪穂に会うと三枝会長が来て去り、屋上で笹垣は亮司と会うが自分がやったと飛び降り・・・・。
監督:深川栄洋
脚本:深川栄洋・入江信吾・山本あかり
原作:東野圭吾
出演者:堀北真希・高良健吾・船越英一郎・戸田恵子・田中哲司・粟田麗・緑友利恵・中村久美・姜暢雄・今井悠貴・福本史織・山下容莉枝
制作年:2011年
感想: 長い年月を通じ何かが流れる。
刑事がひとり事件をいつまでも追う。
少女と少年は、成長して行き・・・。
(2016/07/19)
- アフロ田中
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天然パーマで産まれた田中広(松田翔太)は幼い頃から髪質で不遇の少年時代を過ごし、高校生の田中はノープランで学校を中退し、自由を求めて埼玉から上京し肉体労働で働き24歳を迎えたが彼女もなく寂しい生活を送っていた。
学生時代の地元の仲間・大沢みきお(堤下敦)・岡本一(田中圭)・村田大介(遠藤要)らの1人、井上真也(駒木根隆介)の結婚の知らせが来て、高校時代の「仲間5人のうち誰かが結婚する日に彼女を連れてくる」約束を思い出し、計画した田中に隣に引っ越してきた加藤亜矢(佐々木希)が現れ、美しさに驚いた田中だが瞬時に諦めた。
田中は彼女がいないと仲間に告白すると決め帰郷したが、仲間は合った彼女がいて井上の彼女・二階堂が来て、結局田中は彼女がいる振りをした。
東京に戻った田中は計画表に気にし旭工務店社長(リリー/フランキー)が挨拶した終業後に合コンに参加を始め、岡本にアドバイスを求めた。
ズレている田中はファッションも奇妙で相手の女子はいなく、村田にアドバイスを求め自然が一番と言われたが理解出来なく、合コンで出会ったユミ(原幹恵)に希望を言うといないと言われ、連絡先を交換したが返事に困った。
大沢からメールが入り行くと仲間が皆呼び出され、AV女優と判った吉岡幸子(美波)が逃げ、田中は説得し大沢は仲直りし、仲間の皆の恋人が来た。
戻った田中にユミからメールが来てホテルまで行くが最後に踏み込めず誤解され、悟った田中は仕事もせず諦めるが、隣室でゴキブリから亜矢を助け2人の仲は急接近し煩悩を捨てた田中だが亜矢の魅力に好意と性欲を抑えられなかった。
亜矢は井上へのスピーチを代筆し、田中を食事に誘い、会社の無断欠勤に逃げる田中に謝るべきと言い、田中は社長や同僚の鈴木シンジ(吹越満)や西田シンジ(皆川猿時)に無断欠勤の事実のみあると言い反省と判断された。
<以下、隠し字>
亜矢と別れた田中は煩悩に悩み、仲間に電話でクリスマスの予定を聞かれ、彼女いないとばれ、亜矢が田中を食事に誘い幸せな田中で、仲間は東京に集まり田中を訪問するがいなかった。
亜矢は食事後に田中を誘い、部屋の仲間が隠れ、田中と亜矢は部屋で話しがちぐはぐになると、仲間が現れ亜矢は怒って帰り、仲間が皆現れ彼女を作る計画がばれた。
3/20の井上の結婚式に田中が出ると仲間の彼女もいなく、酔って友人挨拶し・・、披露宴後に仲間は彼女と別れ、田中をバックアップすると言い・・・・。
田中は亜矢を誘い、アドバイス通り進めるが、最後に亜矢が彼氏の事を話し田中のおかげでよりを戻す話しをしたが断ったが自分が許せず田中と付き合えないと言い・・・。
監督:松居大悟
脚本:西田征史
原作:のりつけ雅春
出演者:松田翔太・佐々木希・堤下敦・田中圭・遠藤要・駒木根隆介・原幹恵・美波・吹越満・皆川猿時・リリー/フランキー
制作年:2012年
感想: 頭の中で考えるだけの主人公は全てがちぐはぐ。
上から見たり、下から見たり、本音に拘る。
極端過ぎると逆に笑えない。
(2016/07/29)
- 探偵屋の女房2
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私立探偵の赤城(金山一彦)を親友・沢田(綾田俊樹)から妻・佐織(平沙織)の浮気調査を頼まれ、過去に3人友達で複雑だった。
佐織を尾行すると「気ままなママのティータイム」という集まりに行くが尾行する赤城をヤクザが尾行していた。
鮫津(沢向要士)も関わるし、恋女房・美咲(中島史恵)が銀座ママから得た情報で新宿ネオンのミッキー(綾田俊樹)会いに赤城は行くが多くの女性が薬中毒だった。
赤城は佐織に会い、沢田には嘘の報告をした。
ミッキーが姿を消し捜査依頼が多数舞い込んだ、自分で失踪して2つのグループが追っているようだ。
<以下、隠し字>
コールガール組織にマダムKの片腕クィーンが現れ、そこは手を引いた。
親しい女性を知り、赤城と美咲は横浜に行きミッキーを見つけるが、2人組に襲われていたが助けた。
監督:門奈克雄
脚本:笠原邦暁
原作:大島やすいち
出演者:金山一彦・中島史恵・綾田俊樹・平沙織・深水三章・賀川黒之助・沢向要士
制作年:2000年
感想: ストーリーが分裂気味だ。
探偵気取りの赤城の行動が、かなり滑稽でユーモアが強い。
(2016/07/29)