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鑑賞日記(2014/10)

探偵物語

女子大生の新井直美(薬師丸ひろ子)はあと1週間で父親の待つアメリカに行く予定だが、サークルの先輩・永井裕(北詰友樹)に誘われペンダントをプレゼントで貰いホテルに入ると、直美の伯父と名乗る男が永井を追い出し、男・辻山秀一(松田優作)は私立探偵で、直美の父の元秘書・長谷沼君江(岸田今日子)に雇われたらしい。
それから辻山は直美と一緒にいるが、直美が逆に辻山を尾行し、バーで辻山が元妻・直木幸子(秋川リサ)に会いそこでマスター・国崎和也(鹿内孝)とアルバイトの永井の恋人・進藤正子(坂上味和)を見かけた。
幸子は愛人で国崎組の跡取り国崎和也がホテルのシャワー室で刺殺され、辻山のアパートに逃げ、ホテルは密室状態で幸子が疑われ警察と国崎組は幸子を探し、テレビを観た直美が辻山のアパートに来て、警察と国崎組を誤魔化して直美の家へ逃れた。
直美は幸子を匿い、辻山と真犯人を探そうと言い、和也の葬儀で直美は未亡人・国崎三千代(中村晃子)と国崎組・岡野(財津一郎)が一緒を見つけ、辻山も来て尾行し、三千代と岡野のベッドでの会話を録音したが、国崎組に追われた。
家に戻ると長谷沼が国崎組に連れ去られ、辻山と幸子の話しを聞いた直美は街で見知らぬ男(加藤善博)と彷徨うと和也が殺されたホテルが空室で入り、シャワー室で換気孔を発見し逃げ出した。
<以下、隠し字>
帰宅し長谷沼と幸子が代わり、辻山が偽の録音テープを持って国崎組へ向ったと知り本物のテープを持ち直美も後を追い、国崎剛造(藤田進)にテープを聞かせ岡野は認めたが和也の犯人を聞かれ、直美は皆とホテルに行き換気孔から隣の部屋へと移動を行ったが直美は途中でペンダントを発見した。
辻山・幸子は帰るが警察に連れて行かれ、直美はペンダント店で働いていた永井の恋人・進藤正子に問いつめ・・・・。
渡米の前日、直美は辻山のアパートを訪れるが気持が合わず、直美は愛を告げて帰った。空港で直美を辻山が待っていて、別れのキスをして直美は出発した。


監督:根岸吉太郎
脚本:鎌田敏夫
原作:赤川次郎
出演者:薬師丸ひろ子・松田優作・秋川リサ・岸田今日子・北詰友樹・坂上味和・加藤善博・藤田進・中村晃子・鹿内孝・財津一郎
制作年:1983年


感想: 赤川ミステリの世界だ。
女子大生のつかのまの探偵と恋を描く。
ストーリーが判りやすいのが楽しめる。
(2014/10/02)

遺産相続

勅使瓦英俊(野々村真)は京都の落ちこぼれ大学生で米田(今田耕司)・山内(東野幸治)・準子(西端弥生)らと遊び暮らすが母・綾乃(宮下順子)のつてで、東京下町の中小企業・セントラル工芸というマネキンを製造・販売会社に就職に行き、社長・藤島元春(竜雷太)から総務課長に任命された。
専務は内縁の妻・庄司喜久恵(佐久間良子)で重役は喜久恵の連れ子・和仁(尾美としのり)と里実(宮崎萬純)の同族会社で、翌日に喜久恵の指示で高橋重役(北村総一朗)のデパートにデザイナー(掛田誠・金子真美)・解体課長(長江英和)・造型室長(江藤漢)ら総出で納入し夜は接待だが、勅使瓦と和仁の意見が対立した。
喜久恵は元春に籍を入れる様に言って来たが、本妻・藤島静子(小川真由美)が認めず、和仁と美香(清水美砂)の結婚式でで勅使瓦は失敗した。
勅使瓦は元春に誘われ釣りに行き、藤島が崖で転落死したが遺言状はなく、本妻・静子が弁護士・安西(風間杜夫)と来て法律通り遺産は妻と子供で分配と言い、喜久恵は会社の4000株が自分名義だが納得出来ず、妻の相続権を得ようとするが税務署主任(斉藤晴彦)らが税務調査に押しかけた。
安西は不倫で慰謝料の必要な里実を引き込み相続者のみで株主総会を行い、総額60億の株式が財産で相続税回避と早期現金化に会社売却をまとめた。
喜久恵は子供・和仁と里実に裏切られ喧嘩になり、本妻・静子に押しかけ市会議員に立候補したその息子・鳥井忠雄(佐藤B作)と妻・和子(美加里)と義父・鳥井忠義(神山繁)の前でやり合いマスコミが見つめた。
<以下、隠し字>
喜久恵は株主総会の無効を考え、勅使瓦と里実の結婚を画策し、藤島本葬に京都から勅使瓦の母・綾乃を呼んだ、綾乃も藤島の愛人で勅使瓦は藤島の私生児で新事実に遺産分割はやり直しになり、喜久恵が有利になるが逆に藤島家内は崩壊していった。
本妻は裁判も辞さないが議員の鳥井忠義や候補の忠雄は裁判は出来ず安西に和解を依頼し、里実と勅使瓦の結婚式が始まるが里実は不倫相手追って失踪して大混乱となるが、安西が来て喜久恵に静子が遺産の半分の相続権を認めたと伝え、喜久恵は同じ額で納得し会社の売却を言った。


監督:降旗康男
脚本:松田寛夫
出演者:佐久間良子・宮崎萬純・野々村真・清水美砂・尾美としのり・竜雷太・風間杜夫・小川真由美・佐藤B作・美加里・神山繁・宮下順子・西端弥生・今田耕司・東野幸治・掛田誠・金子真美・長江英和・江藤漢・北村総一朗・斉藤晴彦
制作年:1990年


感想: 難解で揉める遺産相続をいろんな切り口で描く。
揉める程に税が増え、信用をなくす。
現金化は制約が多い。
そして、家族を崩すかも知れない。
(2014/10/08)

はなれ瞽女おりん

おりん(岩下志麻)は阿弥陀堂で大男・平太郎(原田芳雄)と会い泊り歩く2人旅が始まり、平太郎は下駄の鼻緒のすげかえをし、大八車でおりんと2人の所帯道具を運んだ。
おりん(嶺川貴子)は若狭小浜から越後高田に6才で来た盲目の少女で斉藤(浜村純)にテルヨ(奈良岡朋子)らの瞽女仲間に連れられ、そこで教えられ8才でツギ子(神保共子)・カネ子(横山リエ)・ヤス子(宮沢亜古)・ミツ子(中村恵子)らと旅廻りを始めた。
ヤス子がつわりで離れ、11才で年期明けでおりんは助太郎(西田敏行)夜這いされ女に目覚めテルヨらから落ちてはなれ瞽女になり子を宿したが死なせた。
露店で山下(山谷初男)・別所(安部徹)らと下駄を作る平太郎と、下駄をフクサで磨くおりんがいたが平太郎は土地のヤクザに呼び出された間に、香具師仲間の別所におりんは犯され、見た平太郎はノミを持ち走り去った。
おりんに平太郎が来て、当分別れて暮らすと告げ姿を消し、1人になったおりんは途中で出会ったはなれ瞽女の一瀬たま(樹木希林)と若狭方面へと向った。
おりんと平太郎に老婆(原泉)が盲目の少女を連れて来たがはなれ瞽女で何も出来なく、老婆らは自害した。
<以下、隠し字>
平太郎は別所殺人犯として今西刑事(桑山正一)に追われ、同時に福井県鯖江隊所局の脱走兵と憲兵中尉・袴田虎三(小林薫)からも追われ、今西はテルヨからりんが若狭小浜の出と聞き張った。
若狭来ていたおりんは、境内で平太郎に呼ばれ、一瀬と別れ、おりんは翌日から2人でまた旅を始めたが、袴田と警察に捕らえられた。
おりんは何も話さないが、平太郎は拷問でついに認め、最後におりんに嘘を謝り連れて行かれた。
おりんは1人に戻り、テルヨを訪ねるが亡くなっていた、そして・・・・。


監督:篠田正浩
脚本:長谷部慶治・篠田正浩
原作:水上勉
出演者:岩下志麻・原田芳雄・奈良岡朋子・神保共子・横山リエ・宮沢亜古・中村恵子・桑山正一・殿山泰司・樹木希林・小林薫・西田敏行・原泉・嶺川貴子・不破万作・山谷初男・安部徹・浜村純・加藤嘉
制作年:1977年


感想: 最初はおりんと平太郎の旅と、瞽女になった頃が併行して描かれる。
おりんの過去の謎が明らかになるが、別れる事になる。
それから、逃亡と平太郎の過去が明らかになる。
瞽女の仲間旅とはなれ瞽女とも併行して描かれる。
(2014/10/14)

ブタがいた教室

4月、6年2組担任の教師・星(妻夫木聡)は教室に1匹の子豚を連れ卒業まで1年間豚を育て大きくなったらみんなで食べようと言い、星の提案に高原校長(原田美枝子)と教頭・仁科(大杉漣)は困るが、星の熱意と覚悟に校長は学校で豚を飼う許可を出した。
生徒たち26人は校庭に小屋を作ったが校長はやむを得ず許可し、ブタに「Pちゃん」と名付け、教頭は先を心配し、Pちゃんは暴れたり甘利花(甘利はるな)にぶつかったり、池沢先生(田畑智子)のクラスが育てているトマトをPちゃんが食べてしまったり問題が次々発生した。
甘利花の母(戸田菜穂)は花からPちゃんの話を聞き、教頭は授業中の鳴き声が他に迷惑と言い、Pちゃんは小屋から逃げ出し音楽教師(清水ゆみ)の授業の邪魔をし、生徒の母親たちが豚を飼うことに反対して集まったが、校長は子供の意見を優先させるように頼んだ。
夏休み頃にはPちゃんは皆のペットになって行くが、休みが過ぎ卒業まで4ヶ月となった頃にPちゃんを食べることに反対する意見が増え、豚肉を食べられない生徒が出て来た。
星はPちゃんをどうするか考えようと言い、ペットだから食べたくない意見と食べたほうが良い意見に別れたが結論が出なかった。
星は食べないとどうするかと聞くとまた意見が別れ、飼う所があるか調べ、子供達は両親に相談し始めたが親の意見も別れ、子供達はそれぞれが真剣に考え始め、生き物と食物との事への考えも変わってきて意見も揺れてきた。
新年になり校長もPちゃんが気になり、星に生き物に真剣に向き合う事は残酷かと問い、星は引き継いで貰えるかを聞いたが校長は生徒の意向が先と言い、生徒は校内放送で同じ事を訴えた。
池沢先生のクラスが引き継ぐと言うが大きくなったブタは3年で育てられないと思い、卒業式まで7日になっても、引き継ぎと食肉センターに送るかの結論が出なかった。
<以下、隠し字>
残り3日、再度投票したいという意見で最終意見とする事になりその結果は、やはり同数で星の1票で決まる事になった。
池沢先生が、4年になってからの計画を星に渡し、校長の許可を得たといった。
最後にPちゃんの前で、星は最後の1票を言い思いを語り、生徒は3年のクラスに説明して謝り、3年のクラスの生徒は不満だが、星はもう生徒が頑張らなくて良いと考えて判断したと池沢先生に言った。


監督:前田哲
脚本:小林弘利
原案:黒田恭史
出演者:妻夫木聡・大杉漣・原田美枝子・田畑智子・甘利はるな・戸田菜穂・清水ゆみ・池田成志・ピエール瀧・近藤良平・大沢逸美
制作年:2008年


感想: 結論がでない事を考える話で、小学6年生が真剣に悩む。
食用動物とペットはどうちがうか、食べ物を粗末にしていないか、責任を持つとはどのような事か。
結論の出せない事を悩まずに育った大人に問いかける。
(2014/10/20)

僕たちは世界を変えることができない。

バイト・コンパ・勉強で人並みの不満のない毎日、東京の医大2年生・コータこと田中甲太(向井理)だったが何かが足りなく合コンで本田充(松坂桃李)と知り合った。
コータは郵便局で海外支援パンフレットに「あなたの150万の寄付でカンボジアに屋根のある小学校が建ちます」と書かれていて、コータは知り合いにメールを送信した。
集まったのは仲間の芝山匡史(柄本佑)と矢野雅之(窪田正孝)そして本田充だけで、資金集めを考え、チャリティーイベントを開催するために活動を始めサークルを作った。
人集めや協力会社を探し、本田の働きで一回目のイベントは成功するがコータはカンボジアを知らなく久保かおり(村川絵梨)から言われカンボジアへと向かった。
カンボジアは東南アジアの最貧国で、病院でHIV感染者から生きる希望を聞き、大虐殺の歴史を聞き、現実をまじかに見て何も言えないコータだった。
本田は病気になり先に帰国し、残りが学校を訪れたが通えない子供も多いと知り、地雷が埋まれた地域とそこに住んでいる子供を見た。
日本に戻ると全てが違って見えインドネシア経験のかおりから経験を聞かされ、イベントに協力したIT企業の社長(黄川田将也)が違法取引の容疑で逮捕され、サークルへも非難が集まった。 大学の単位も不足で近藤教授(阿部寛)から無償の献体を見せられ学生の本分を忘れるなと言われ、本田は資金集めにノルマを求め意見がばらばらで仲間割れになり、かおりはコータと本田がバラバラだとサークルは壊れると言った。
カンボジアからの手紙で子どもたちを思い出し、本田はコータにやりたい事を探していたと言い、コータは自分を全て受け入れたいと言った。
<以下、隠し字>
コータたちは学生としてまた地道に活動を進めていき、ファイナルイベントを開催しコータはカンボジアで見たことを語りかおりはコータに開校式を見るように言って去った。
カンボジアで開校式になっても、整地の仕事で通えない子供の現実に出会い、無心に整地するコータに学校が終わってから仕事すると子供は言った。
そして、・・・・・。


監督:深作健太
脚本:山岡真介
原作:葉田甲太
出演者:向井理・柄本佑・窪田正孝・松坂桃李・黄川田将也・村川絵梨・阿部寛
制作年:2011年


感想: ドキュメンタリーを埋め込んだ映画だ。
個人でやれる事は何かを問い続ける。
そして幸せが何かも問う。
(2014/10/26)

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