鑑賞日記(2014/03)
- 太平洋奇跡の作戦 キスカ
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昭和18/5/29、北太平洋アリューシャン列島のアッツ島玉砕でそれより120浬東の孤島キスカ玉砕は時間の問題とされ唯一の補給の潜水艦も艦長・天野少佐(佐藤允)も接岸出来なかった。
海軍部司令長官・川島中将(山村聡)は、国友大佐(中丸忠雄)の救出意見と軍令部赤司参謀(西村晃)の5200の守備隊見殺し説の中で、軍令部総長(志村喬)にキスカを救う意見を出し承諾を得て、南方から作戦に大村海軍少将(三船敏郎)を呼んだ。
キスカ島無血撤退の準備が始まったが、キスカ島は米太平洋艦隊の厳重な封鎖で、食料弾薬の欠乏し全軍突撃も近く、10数隻の軽巡洋艦と駆逐艦での北太平洋特有の濃霧に隠れての隠密行動での守備隊収容撤退を企る手しかなく、レーダーが敵だった。
川島は旗艦と交換で駆逐艦を増やし北千島の陸に移り、大村・国友・玉井中佐(稲葉教男)・阿久根大佐(田崎潤)らの会議で気象担当・福本少尉(児玉清)の霧の発生情報からの、冒険的で通信規制中のキスカとの事前準備が必要だった。
連絡役の国友を天野が潜水艦でキスカ島に送りこむが困難を極め遅れ、大村艦隊は独自に出発してキスカ南方で連絡を待った。
潜水艦は銃撃で襲われ天野が戦死しイ号七先任将校(桐野洋雄)の指示で国友のみ脱出させて沈没し、国友は島の秋谷司令官(藤田進)・寺井先任参謀(土屋嘉男)・工藤軍医長(平田昭彦)のみに作戦を告げて、1日2時間のみの撤退準備を繰り返した。
大村らはキスカ島突入の態勢になったが、霧が晴れやむなく反転帰投して撤退の一時延期を島に伝えた。
<以下、隠し字>
米軍の進軍と霧の発生待ちで批判の中で待っていた、大村は再び濃霧発生が見込まれてキスカ島へ向うが、濃霧は味方に不利にもなり船の行方不明や、旗艦・阿武隈の三重衝突で艦船に修理が発生し、3艦が離脱した。
先行させた木曽艦長(伊藤久哉)に追いついた阿武隈はキスカに向うが、霧で島を敵と間違い攻撃し、キスカ島守備隊は毎日日没後約2時間の海岸に集結待機したが海上砲撃と判断して止めた。
だが大村の救援隊は、常識に反して岩礁の多い西の難所を廻り島影を利用して米軍の封鎖網を見事くぐりぬけ、阿武隈・木曽ら5艦が海上に並び、キスカ司令部に撤退時間の4時間繰り上げを伝え、米軍の目をかくれ無血救援を行った。
監督:丸山誠治
特撮監督:円谷英二
脚本:須崎勝弥
原案:千早正隆「太平洋海戦最大の奇跡」
出演者:三船敏郎・山村聡・中丸忠雄・佐藤允・西村晃・志村喬・稲葉教男・田崎潤・児玉清・桐野洋雄・藤田進・土屋嘉男・平田昭彦・伊藤久哉・
製作年:1965年
感想: モノクロ映画で、特写技術を使った実話の映像です。
少ないチャンスの判断が難しく重なる。
微かな可能性しか無かった事は事実だろう。
(2014/03/06)
- 県庁の星
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県庁産業政策課エリート・野村聡(織田裕二)は、特別養護老人複合施設建設「ケアタウンプロジェクト」で出世を狙い、議長・古賀(石坂浩二)や知事・小倉(酒井和歌子)らにプレゼンするが反対派・来栖(ベンガル)らの意見も抑える必要があった。
課長・北村(矢島健一)や同僚・田畑(山口紗弥加)や同期・桜井(佐々木蔵之介)に書類作りの早さを驚かれ、篠崎建設の社長娘・篠崎貴子(紺野まひる)と付き合っていたが工事の落札目当てで、反対派対策で出来た民間企業との人事交流研修のメンバーに選ばれた。
野村はスーパー「満天堂」に派遣されたが業績は悪く、店長・清水(井川比佐志)指示の教育係・二宮あき(柴咲コウ)は年下のパート店員で、マニュアル・組織図無しで役人のスキルが通用しないお客様第一主義の現場だった。
暇な寝具係でトラブルを起こし、レジでも同様で人事交流研修の批判記事が報道され、隠す為に厨房担当にされたが食材利用不正に気づきクレームをつけ副所長・浅野(益岡徹)は弁当グループを2つに分け片方を野村にまかせ高級品指向で、従来品で競合わせたが従来品が売れた。
早くにケアタウンプロジェクトが始まり外された野村は、篠崎からも絶縁され失意に落ちるが、野村を二宮が励ました。
その頃、保健所と消防署の査察で満天堂は厳重注意で、しかも不採算店で閉店の危機になり、二宮は以前に野村が作成した改善計画書を読み他を説得し、スーパー経営の建て直しが始まった。
<以下、隠し字>
不良在庫の棚の利用・食材の管理システム開始・売り場の配置変更を行い、野村と二宮はデパ地下に女性の購買調査に行き、野村は売れ残った自分が企画した弁当を食べて自ら改善して売り上げを伸ばし大口注文が入るがそれはケアタウンプロジェクトの竣工式だった。
満天堂の売り上げは向上し、野村の研修期間が終わり県庁に戻ったが望んで生活福祉課へ異動するとケアタウンプロジェクトの有効利用や建設費削減案を作成し、議会に提案して県政改革に乗り出した。
満天堂の保健所と消防署の査察が行われ店長がなんとか質問に答え、検査が行われた。
野村の改革案は桜井は可能と議長と知事に伝えたが、あくまでも検討するだけと廃棄された。
野村は二宮に送られ満天堂を去るが、県庁の改革は簡単でないだろうと言い・・・。
監督:西谷弘
脚本:佐藤信介
原作:桂望実
出演者:織田裕二・柴咲コウ・石坂浩二・酒井和歌子・ベンガル・矢島健一・山口紗弥加・紺野まひる・井川比佐志・益岡徹・和田聰宏・奥貫薫・渡辺哲・
製作年:2006年
感想: 公務員エリートと民間とのギャップが示される。
それがそれぞれを理解する事で改善出来る事も示される。
ただし、経営危機の民間は直ぐに改善し、将来的に破綻が予想される県は先送りになる。
(2014/03/12)
- ICHI
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雪の中、離れ瞽女の市(綾瀬はるな)は父を探して放浪し、仕込み杖を持ち逆手一文字の刀の名手だった。
市に絡んだ遊び人から助けようとして藤平十馬(大沢たかお)は金を失い、宿場で小太郎(島綾佑)と知り合い、賭場で十馬に勝たせ借りを返し追ってきた万鬼党5人を斬り、藤平十馬は武家の剣術の指南役の跡取りだが、幼い頃に母を傷つけその後刀を抜けない浪人だった。
宿場町の若頭の白河組の虎次(窪塚洋介)は万鬼党5人の死体を勘違いで十馬を白河組の用心棒として雇ったが、万鬼(中村獅童)が頭の万鬼党から白河組の宿場は狙われていたが、虎次の父である白河長兵衛(柄本明)は八州廻りに警護を頼む積もりだった。
小太郎から捜し人の噂を聞いた市は小太郎の父は盲目の居合い使いの噂のみ知っており、市は瞽女として滞在した。
小太郎の助けで、市と十馬は度々会うが互いの過去を消せないが、刀を抜けない十馬は木刀で市と立ち合うと勝った。
八州廻りがが来たが、万鬼党の襲撃で八州は追い返され、白河組は被害を受け長兵衛も息子を庇い死に、十馬と自分が人違いと言った市は万鬼党を幾人か殺し、万鬼党のナンバー2である伊蔵(竹内力)に万鬼に会わせろと言い、万鬼との戦いに破れた市は万鬼が父の宿命のライバルで父が数年前に死んだと知った。
万鬼に重傷を負い監禁状態の市を十馬が救出し、治療で眠る間に市は十馬の愛情に目覚め、小太郎に看病されていた。
<以下、隠し字>
白河組と万鬼党が宿場で向かい会い最期の闘いが始まり、虎次は伊蔵を倒したが双方残党が少なく、万鬼が十馬との戦いを望むと、ようやく刀を抜けた十馬は万鬼と相撃ちで斬り、そこへ小太郎と満身創痍の市が駆けつけ息絶える十馬から実の父親の愛情を感じ、万鬼にとどめを刺すと万鬼党は引きあげた。
宿場に活気が戻り、虎次が跡を継ぎ、市は十馬の墓を参り、十馬の母の墓前に彼の刀を納めるため小太郎に別れを告げ旅立った。
監督:曽利文彦
脚本:浅野妙子
原作:子母澤寛
出演者:綾瀬はるか・大沢たかお・中村獅童・窪塚洋介・柄本明・竹内力・島綾佑・
製作年:2008年
感想: 盲目の居合いの達人・座頭市自体が強引な設定だ。
それを女で離れ瞽女にし、刀を抜けない強い剣客が加わる。
ひたすら娯楽性を楽しむ事になるが、その点はシンプルな筋で変わった人物が逆に楽しめる。
(2014/03/18)
- 探偵はBARにいる
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札幌・ススキノ、霧島グループの記念パーティで霧島(西田敏行)が挨拶し、マキ(カルメン・マキ)が歌い側に新しい愛人・沙織(小雪)がいた。
探偵(大泉洋)は会場のそばで新聞記者・松尾(田口トモロヲ)から取引をし、取りかかりの沙織に名刺を渡した。
探偵はススキノを知り尽くし、行きつけのBARで相棒兼運転手の高田(松田龍平)と酒を飲み、オセロをする生活だった。
街へ出た霧島はヤクザに絡まれていた女を助け様として討たれて死んだ。
1年後、探偵は雪に埋まれて脱出したが、そこ発端は「コンドウキョウコ」と名乗る女から電話で、弁護士の南(中村育二)に2月5日どこにいたか聞くだけの依頼で簡単と思い引き受け実行したが、拉致され雪に埋められた。
探偵は高田に警告と言われるが、弁護士をつけ「清輪コーポレーション」と「則天道場」と関係先の情報を得て、美人ママの店で沙織と出会い霧島は殺されたと言った。
翌朝、近藤京子(街田しおん)殺害事件が発生し、スナックの女性から「足なが伯父さん」の話を聞いた所に岩淵恭輔(石橋蓮司)が来て容疑者の母・田口康子(阿知波悟美)から息子は不良で警察も来たが大型テレビを贈ってくれたとも言った。
探偵にまた「コンドウキョウコ」から電話が入り、加藤を呼び出して欲しいといった。
探偵は近藤京子の母・近藤百合子(竹下景子)を訪ね、「足なが伯父さん」はたぶん夫ではなく霧島では無いかと言い、沙織の確かめ、戻ると相楽組の相田(松重豊)と出会い南と花岡の窓口を調べて貰った。
探偵は相楽組組長の娘の様子を定期的に報告する事を頼まれていた。
探偵はあきらの父・田口幸平(有薗芳記)からあきらと事件の前日にあっており証拠のテープがあると聞いた。
探偵と高田は則天道場で塾生(野村周平)に会うがヤクザが帰ってきて、3人で雪中を逃げ、塾生は警察に出頭した。
翌日、探偵は加藤を待つと清輪コーポレーションの車で来て、逃げ出したが田口が遅いので訪問すると夫婦とも殺害されていた。
探偵は相田から霧島を熟知している矢口が沙織と結婚すると言い、霧島を調べると周囲の評判が非常に良かった。
探偵はまた手を引けと襲われた。
<以下、隠し字>
しばらくして回復した探偵は沙織と会い、証拠がない事もあると言うと警察以外の解決もあると答えがあった。
「コンドウキョウコ」から最後の電話が来て、2日後の矢口と沙織の結婚式までに沙織を小樽の「ハーバーライト」へ呼び出し監視して欲しいと言い、入手した携帯への連絡を伝えた。
結婚式の直前に電話でベンチの下をみてと沙織から連絡があり、真相に気づいた探偵は札幌に戻るが・・・・・。
監督:橋本一
脚本:古沢良太・須藤泰司
原作:東直己
出演者:大泉洋・松田龍平・小雪・西田敏行・街田しおん・野村周平・カルメン・マキ・中村育二・阿知波悟美・田口トモロヲ・竹下景子・有薗芳記・近藤百合子・石橋蓮司・松重豊
制作年:2010年
感想: 好奇心と正義感が強く、無鉄砲な探偵が主役です。
ハードボイルドスタイルだが、謎解き要素も多く、長めの真相部は当然に省略です。
このタイプの探偵は、やせがまんで意外と喧嘩は弱いが、不思議と不死身だ。
捜査スタイルの都合で人物関係はいささか複雑になる、必要以上に・・。
(2014/03/24)
- チェリーパイ
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パティシエ・キヨハラ(北川景子)は店の人気メニュー「チェリーパイ」がうまく作れなく悩みチェリージャムを味見して、辻内透の名前の制服を見ながらため息をついた。
木下千春(肘井美佳)が電話で辻内透(岡田浩暉)から預かった物を取りに来て欲しいと言い、辻内は木下親子にチェリーの品種改良を依頼していたが一年前に車の事故で死んだがキヨハラを教えてくれた恩人で尊敬と恋心もあった。
常連客でキヨハラの親友の美大生・一木八千代(江口のりこ)が訪れ、厨房の様子に驚き、もうひとりの親友で新進コピーライターの高木文(原田夏希)も来てキヨハラは勧め無いがチェリーパイを買った。
チェリーパイの味はマズくなるばかりで、オーナーシェフの立石は品種改良の難しさと契約農家を木下から変えた理由を千春が辻内のフィアンセで可愛そうだからと言った。
立石はキヨハラに、中途半端からけじめが必要と言いキヨハラは気持をはっきりさせるのがいやだと答えた。
八千代は、高校時代に付き合っていた恩師・久保田を下校時間に待ち伏せた。
キヨハラを教えた辻内は厳しく、盗むのでなく感じろと言い、立石と可能性を語り春にきっかけを与えるつもりと言った事を思い出した。
文は、上司と不倫していたが妊娠と告げると相手は冷たくなった。
キヨハラは八千代に味が分からないから全てのチェリーパイを買ってと言い、八千代は久保田に如何に渡すか迷い、辻内はキヨハラにチェリーパイは環境で変わるのでレシピに頼るなと言っていた、立石はキヨハラにかわりチェリーパイを作り始め代わりにジョギングするように言った。 <以下、隠し字>
文は自棄酒を買い路で飲み始めたが、キヨハラの電話で訪れるが互いに間違う事もあり子供が出来るが覚悟していると言い、キヨハラが最後のチェリーパイというとおいしいと食べた。
キヨハラは休みを取り木下千春を訪ね、預かっているツジウチが生きていると聞き改良したチェリーを贈り物として見た。
千春はキヨハラに、自分のツジウチを早く食べたいと言い、キヨハラは作ったチェリーパイを千春に送り店に八千代と子供連れの文が集まった。
監督:井上春生
脚本:井上春生・久保裕章
原作:井上春生
出演者:北川景子・江口のりこ・原田夏希・肘井美佳・白井晃・海東健・品川徹・岡田浩暉
制作年:2006年
感想: チェリーパイは食べた事がないのでイメージが判らないがなにやら難しいらしい。
新鮮な食材は作るのも使いこなすのも、感じる世界なのか。
ツジウチというチェリーは、ヒロインの心に残るというメッセージなのだろう。
(2014/03/30)