鑑賞日記(2013/12)
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日本は国際連盟を脱退で国際的に孤立し、国内の経済不況と農村恐慌で国民の不満と怒りが満ち、陸軍の若手将校らが昭和維新の計画を立て天皇の取り巻きを排除して陛下の大御心を直接国政に反映を計った。
野中大尉(萩原健一)・安藤大尉(三浦友和)・河野大尉(本木雅弘)・香田大尉(勝野洋)・栗原中尉(佐野史郎)・中橋中尉(うじきつよし)・磯部元陸軍一等主計(竹中直人)・村中元陸軍大尉(隆大介)は昭和11年2月26日未明に雪の中昭和維新を決行した。
栗原隊は首相官邸を襲撃し、岡田総理を狙ったが身代わりの松尾秘書だった。
坂井隊は斉藤内大臣と渡辺教育監督を射殺し、中橋隊は高橋蔵相を射殺し、安藤隊は鈴木貫太郎侍従長海軍大将(芦田伸介)を襲撃したが、命はとりとめた。
丹生誠忠中尉(宅麻伸)隊は陸相官邸を占拠し、野中隊は警視庁を占拠し、河野隊は湯河原で牧野伯爵を襲撃するが河野は被弾し牧野に逃げられ河野は陸軍病院に収容された。
陸相官邸では香田と磯部が川島陸相(金子信雄)と真崎大将(丹波哲郎)ら高級将校に決起趣旨を述べ陛下の御聖断を要求した。
皇居では緊急の軍事参議会議で武藤章中佐(新克利)・荒木貞夫大将(日下武史)・阿部信行大将(鈴木瑞穂)・山下奉文少将(高松英郎)・寺内寿一大将(藤岡重慶)・石原莞爾大佐(渡瀬恒彦)らは曖昧な陸軍大臣告示を発表し、宮中では湯浅宮内大臣(田村高廣)・木戸秘書館長(長門裕之)・広幡侍従次長(小野寺昭)らで戒厳令が杉山参謀本部次長(仲代達矢)に下され決起部隊も戒厳部隊に編入された。
翌27日には香椎戒厳令司令官(加藤武)から奉勅命令が発表され、決起部隊に原隊への復帰が勧告され、当初決起部隊へ同調していた真崎らの力も及ばず事態は次第に皇道派青年将校達の不利な方向へ傾き、原隊から食料供給を絶たれ、安藤隊は赤坂の山王ホテル(梅宮辰夫)に立て篭もるが、ラジオやビラでの原隊復帰の勧告も始まった。
<以下、隠し字>
青年将校らの脳裏に妻子(丹生すみ子(有森也実)・野中美保子(名取裕子)・坂井孝子(藤谷美和子)・田中久子(安田成美)・安藤房子(南果歩)ら)の顔が浮かび、入院中の河野の元へ兄・河野司(根津甚八)が見舞いに来たが弟の言葉に驚いた。
陸相官邸では坂井(加藤昌也)が隊員に原隊復帰をし、山王ホテルでは村中らが兵を帰して軍法会義で戦うと提案するが安藤はあくまで反対し、野中は安藤に兵たちの命と名誉を守ろうと説得し安藤は無念だった。
ホテルから青年将校が次々と野中と安藤に敬礼しながら出ていき、安藤も野中に別れを告げ兵に自分達は正しいから胸を張れと言い、安藤は拳銃で自決を図り、野中は決起を謳ったハンカチを燃やし拳銃で自決し、河野も熱海で自決していた。
29日宮中では事変の鎮圧が終わり捕らえられた決起部隊の青年将校ら19人は軍法会議で全員が銃殺刑になった。
監督:五社英雄
脚本:笠原和夫
原作:笠原和夫
出演者:勝野洋・佐野史郎・萩原健一・三浦友和・うじきつよし・本木雅弘・隆大介・仲代達矢・小野寺昭・加藤昌也・加藤武・田村高廣・長門裕之・丹波哲郎・金子信雄・竹中直人・芦田伸介・梅宮辰夫・根津甚八・宅麻伸・有森也実・名取裕子・藤谷美和子・安田成美・南果歩・新克利・日下武史・鈴木瑞穂・高松英郎・藤岡重慶・渡瀬恒彦
製作年:1989年
感想: 戦前の軍の考え方は今では理解は難しい。
ただ、上部の曖昧さで時間を稼ぐ手段はいつの時代も同じだろう。
一番慎重だったのが最後まで諦めない姿勢はこれもどの時代も似ている。
陸軍同士の闘いの後半は、襷で区別して判り易くしている。
(2013/12/06)
- 阿修羅のごとく
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昭和54年冬、三女・竹沢滝子(深津絵里)が竹沢家4姉妹、長女・三田村綱子(大竹しのぶ)と次女・里見巻子(黒木瞳)と四女・竹沢咲子(深田恭子)を集め70歳の父・竹沢恒太郎(仲代達矢)に愛人・土屋友子(紺野美沙子)と子供がいると雇った探偵・勝又(中村獅童)が撮った写真を見せた。
母・竹沢ふじ(八千草薫)には内緒と約束したが、姉妹に日常の問題が現れてきた。
未亡人の長女・綱子は華道の師匠だが浮気もするし、別に出入りの料亭の升川貞治(坂東三津五郎)と付き合うがその妻・枡川豊子(桃井かおり)にばれ出入り仕事が切れた。
次女・巻子は、サラリーマンの夫・鷹男(小林薫)と2人の子供(佐藤恒治・長澤まさみ)の主婦だが夫の浮気を疑い始め、図書館勤務の三女・滝子は未婚だが父の愛人調査依頼した・勝又と恋愛感情があり、四女・咲子はボクサー陣内(RIKIYA)と同棲中でいずれ結婚を考えており母・ふじだけに紹介した。
愛人の子供は父のではないと判るが誰も愛人に父との手切れを言い出せなく、知らなかった事にしようと言い出した。
巻子は仕事中の夫と秘書・赤木(木村佳乃)と会い夫との関係を気にし、咲子は陣内の女遊びが気になり、滝子は勝又と結婚の話をし、咲子に子供が出来、母・ふじだけ普通に日常を過ごしていた。
昭和54年夏、新聞に父の浮気と竹沢家と思われる投稿が載り誰が書いたか皆が疑い、勝又は家が火事で父の浮気資料を燃やし、竹沢家に住む事になるが父に自分が浮気調査をしたと打ち明けた、陣内は次第に有名になるが咲子の子供が生まれ、滝子は勝又と結婚するが、結婚式場で咲子とチャンピオンになり結婚した陣内が倒れ意識不明になった。
綱子は升川貞治と浮気で、巻子は夫と秘書の浮気を疑い、咲子のアクシデントを心配したのは仲が悪いと見られていた滝子だった。
<以下、隠し字>
年末にふじが全員を呼び出し恒例の白菜の漬け物作りを行い、昭和55年正月を一家揃って迎えた。
恒太郎は土屋友子から別の人との結婚を言われ、巻子はふじと食事をし、用事があると言う母と別れ父の愛人宅に行くと、そこにふじがおり巻子を見てショックでふじは倒れ病院で亡くなり葬儀が行われた。
咲子が放心状態で万引きで捕まり係員に脅迫されたが滝子と勝又が逆に脅して助け、咲子と滝子は互いの思いを語り会った。
皆で母の部屋を探すと新聞投稿の謝礼品を見つけ、ふじが早くに恒太郎の浮気を知っており投書の形で気持を発散させていたと判った。 女の心には阿修羅がいると思った。
監督:森田芳光
脚本:筒井ともみ
原作:向田邦子
出演者:大竹しのぶ・黒木瞳・深津絵里・深田恭子・八千草薫・仲代達矢・小林薫・中村獅童・RIKIYA・紺野美沙子・坂東三津五郎・桃井かおり・木村佳乃・益岡徹・佐藤恒治・長澤まさみ
製作年:2003年
感想: 平凡に見える家庭にも問題は存在する。
男は少しぐらい遊んでも良いと思い、女は性格で反応が異なる。
だが、嫉妬心は誰しも存在しそれを抑えているだけかどうかだ。
男の心を知る事は阿修羅のように誰も出来る。
(2013/12/12)
- おろしや国酔夢譚
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1782年嵐に会った・大黒屋光太夫(緒形拳)らの船は漂流して北のカムチャッカに漂着したが、そこは本国から来ているロシア人がいて言葉を覚えながら生活を変えて生き残ったが、迎えの船が難破して次が来るか判らなかった。
光太夫は生き残った日本人でオホーツクを渡る船を作り始めロシア人の協力で2年で作りオホーツクを渡りヤクーツクに着いた。
日本に戻るにイルクーツクの役所に嘆願書を出すが返事が来ずバイカル湖のほとりのイルクーツクへ5ヶ月で移動した。
そこで日本語をはなすタチアナ(アナスタシヤ/ニェモリャーエワ)に会い昔日本人が日本語を教えて居たが死んだと聞かされ、庄蔵(西田敏行)は凍傷で片足切断した。
光太夫は学者・ラックスマン(オレーグ/ヤンコフスキー)に会い初めての文化に衝撃を覚えて故国へ伝えたいと帰国への執念を燃やしたが、嘆願書は拒否されたがラックスマンは届いていないと言い首都ペテルブルグへの直訴を言った。
庄蔵はタチアナに手を引かれキリシタンとなり帰化し、新蔵(沖田浩之)はロシア女・ニーナ(タチヤーナ/ミハリョーフキナ)と恋して姿を消した。
<以下、隠し字>
残った者が遠い首都ペテルブルグに向かい到着するが、ラックスマンが病気になりトルコ戦争が始まり、軍事地図を要求されたり、女王エカテリーナ二世(マリナ/ヴラディ)の西への移動などで機会がなく、光太夫は独りで女王の居場所に向かい、ベズボロドコ伯爵(ユーリー/ソローミン)と女王側近・ソフィア(オリヨーナ/アルジャニーク)の協力を得て女帝に謁見し帰国を許された。
既に光太夫・小市(川谷拓三)・磯吉(米山望文)の3人で、光太夫は途中で庄蔵に報告したが別れた後で庄蔵は無き崩れた。
1792年9年9カ月ぶりに3名は根室へ着くが、鎖国中の幕府は彼らを迎えず、国交は長崎出島のみで、小市は病死し、光太夫・磯吉も罪人駕篭で江戸に送られた。
(後日、通商に繋がったとされた)
監督:佐藤純彌
脚本:野上龍雄・神波史男・佐藤純彌
原作:井上靖
出演者:緒形拳・西田敏行・沖田浩之・川谷拓三・米山望文・江守徹・オレーグ/ヤンコフスキー・アナスタシヤ/ニェモリャーエワ・タチヤーナ/ミハリョーフキナ・マリナ/ヴラディ・ユーリー/ソローミン・オリヨーナ/アルジャニーク・・・・・
製作年:1992年
感想: 嵐の漂流からカムチャッカ漂着し、最後はロシアの西の端で女王から帰国を許されるまでの長く過酷な10年を描く。
ひたすらその土地に馴染む事に徹し、新しい見聞を故国に持ち帰る事を望んだ。
それを受け入れる状況には江戸時代はなかったが、その礎になった。
(2013/12/18)
- ハンサム★スーツ
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プロジェクトの白木(中条きよし)と沢田(伊藤明賢)が「ハンサム・スーツ」のモデルのブサイクを探していた。
大木琢郎(塚地武雅)は米沢明(ブラザートム)と、母親・さきが残した定食屋「こころ屋」を営んで、イタリア留学経験し料理も人柄も良いが、ブサイクで女性に縁がなかったが、ある日アルバイト募集で美人の星野寛子(北川景子)が来て採用になった。
琢郎は車椅子の狭間真介(池内博之)に惚れている谷山久恵(本上まなみ)に相談して積極的になれと言われ悩んでいると、沢田に会った。
寛子に琢郎は告白するが、美人だと理由を言うとがっかりされた。
久恵達の結婚式のスーツを買いに紳士服屋に行き沢田から着るだけでハンサムになれる「ハンサム・スーツ」を販売員(温水洋一)に勧められた。
着ぐるみスーツで顔も体型も声もハンサムになり琢郎は、光山杏仁(谷原章介)となり神山晃(伊武雅刀)から人気カリスマモデルに誘われた。
こころ屋ではブサイクだが仕事は完璧な本江(大島美幸)を雇い琢郎は気にいった。
杏仁は神山とトップモデルの來香(佐田真由美)から好かれ真介とも会い人気モデルになったが、琢郎は杏仁に変身して寛子に会うがやはり振られた。
琢郎はこころ屋で本江といると楽しく気になった。
琢郎は、ハンサム・スーツは湯に弱いと気づき、紳士服屋を訪ねると試作でない「パーフェクト・スーツ」を勧められたが、二度と元に戻れないと言われた。
琢郎は本江に「ハンサム・スーツ」の秘密を言おうとするが自分のままでいたいと断られ、寛子が来て一緒にいて笑顔になれる人が好きだと言われた。
<以下、隠し字>
東京ガールズコレクションのステージに遅れて杏仁が来たが、本江が事故に遭った連絡があった。
杏仁は舞台で、多くの幸せを失ったと語り、はずし忘れた腕かざりで「パーフェクト・スーツ」を脱げて病院に駆け付け、無事な本江に結婚を申し込むと、・・・・。
監督:英勉
脚本:鈴木おさむ
出演者:谷原章介・塚地武雅・北川景子・佐田真由美・大島美幸・ブラザートム・池内博之・本上まなみ・中条きよし・温水洋一・伊武雅刀
制作年:2008年
感想: 実名が多く、芸能界の裏ばなしの様だが、表のテーマと裏のテーマがあります。
しかし、判りやすく作ったコメディとしてが一番、楽しめます。
(2013/12/24)
- 泣きたいときのクスリ
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泣き薬師駅車掌・竹野(袴田吉彦)が見送った電車に、電車で泣いている中年男(中村まこと)がいて洋介(遠藤憲一)や桜木エリカ(戸田菜穂)達が見た。
「泣き薬師駅」に来た龍一(大東駿介)に竹野は声をかけ、物思いに沈む龍一に白いワンピースの少女が声をかけた。
泣いていた男が駅をおり女子高生・綾(佐津川愛美)は尾行し、友人の麻里子(北浦愛)と会っていて麻里子は男をパパと呼んだ。
洋介はいつもの店で飲むが泣いた男が気にり、自分は泣くのを我慢していたのか泣く機会があったのかと考えた。
泣き薬師駅ではペット駅長を探し、無理な応募ばかりで探しに出た竹野は犬を見つけたが電車客の桜木エリカ(戸田菜穂)の犬で、エリカは母親の縁談の電話や会社での売れ残り在庫や社員の陰口に泣きたい事が多くあった。
麻里子(北浦愛)が会っていたのは母が別れた元父で、麻里子が携帯電話番号を変えなかったので3年振りで連絡できたと男がまた泣き、会っていない現在の娘の進学に悩み麻里子に相談して、その名が綾と聞き席を立つがレストランの係が初めての日と泣いて喜び面倒だった。
洋介は店を出るが母の死の電話が入いり、龍一と少女がそれを見ていた。
翌朝、龍一にさやかから電話が来るが出なく少女が心配し、竹野にメディアの取材が来て駅名が変わる事と名物駅長捜しを聞き、放送に反応が無いと嘆いた。
洋介は母の葬式の挨拶をしたが泣けなく焼き場で、龍一と少女がそれを見ていた。
竹野はエリカに犬の駅長を頼むが他人に懐かないと言われ、話しこみ30才で駅員に転職したと話した。 <以下、隠し字>
洋介は葬式の後で父が泣き虫と聞き、泣き出した。
竹野は駅長がイベント好きでカジュアルデーの服装で悩み、泣いてエリカに相談したらエリカは在庫残りを着せた。
綾は麻里子に例の喫茶店に誘われ、姉妹だと話し、男のまじ泣きで偶然に尾行したと言いメアドを聞いた。
エリカは犬の写った在庫のコーディネートを行い、洋介は店長から聞いたDVDに興味を持ち、龍一は少女が実は幼い頃の思い出と知り泣き、取材メディアは「泣き薬師」に関するファックスが届き驚き、駅ではその駅名では最後の電車が到着するアナウンスで竹野が泣き、それに龍一は乗り、綾のメールに男が泣いていた。
監督:福島三郎
脚本:飯島早苗・いしかわ彰
出演者:大東駿介・戸田菜穂・袴田吉彦・佐津川愛美・北浦愛・遠藤憲一・中村まこと
制作年:2008年
感想: 人前で泣く人も泣かない人もいるが、誰も泣きたい事がある。
そんな姿を、複数の人で描く。
複数の出来事と人物が併行して描かれるが、個性があり判り易い。
(2013/12/30)