鑑賞日記(2013/09)
- シャッフル
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1週間前から記憶喪失になってしまった戸辺コウヘイ(金子ノブアキ)の元に突然届いた案内状には簡単なモニター調査で記憶を取り戻したいならば参加して人生を変化させるプロジェクト・シャッフルと書かれていた。
モニター会場に戸辺が着くと3人の男がおり、モニターの担当者・神宮寺(市川亀治郎)が現れ、4人は自己紹介し、堺シンゴ(鎌苅健太)は建設業、物部ユウサク(ムロツヨシ)は飲食店経営、轟ゲンゴロウ(賀来賢人)はフリーライターでそして戸辺コウヘイだった。
4人は神宮寺の指示で課題をこなすが戸辺は頭痛に襲われた。
5人は銀行強盗の一味で、神宮寺=アガサは襲撃計画の立案・轟=エラリーは防犯カメラと金庫等のシステム解除・堺=エドはフロア・物部=大藪は逃走・戸辺=レイモンドは金の運搬と役割分担で、謎の人物Mr.ヤマシタからの依頼で約2億円の大金を奪っていた。
なぜか警察に情報が漏れていて、5人とも命を落としかけ戸辺は記憶を失い戸辺が隠した金の在処もわからなくなった。
その国で貨幣単位が代わるので直ぐに両替が必要で戸辺の記憶を戻す為の芝居だったが、意外な展開に進んだ。
<以下、隠し字>
情報漏れの犯人が判らないと金を取り出せず、全てがその調査目的だった。
しかしその過程で金を独占する計画も進んでいた。
それは成功したかに見えたが、・・・・・。
監督:及川拓郎
脚本:及川拓郎
原作:「シャッフル」(劇団スパイスガーデン公演より)
出演者:金子ノブアキ・市川亀治郎・賀来賢人・鎌苅健太・ムロツヨシ・中村ゆり
制作年:2011年
感想: 多重の入れ子構造の話が、多く作られて来た。
本作もその一つで、時間と視点との絡みで解釈を変える。
必ずしも論理的伏線ではないので、サプライズサスペンスになる。
(2013/09/01)
- 金環蝕
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昭和39年5月12日の第14回民政党大会で現総裁・寺田政臣(久米明)は、最大派閥・酒井和明(神田隆)を破り総裁に就任したが、広野大悟(河村弘二)は出馬せず多額の金が買収に使われた。
星野康雄官房長官(仲代達矢)の秘書・西尾貞一郎(山本學)が、金融王・石原参吉(宇野重吉)を訪れ2億円の借金を申しこむが石原は断り、星野の周辺を脇田(早川雄三)・荒井(矢野宣)と政治新聞社長・古垣常太郎(高橋悦史)に調査させ、妾の荻乃(中村玉緒)・加代子(大塚道子)・かつ江(長谷川待子)からも情報を集めた。
電力会社財部賢三(永井智雄)総裁は、在任中に九州・福竜川ダム建設工事の入札を行う事を副総裁・若松圭吉(神山繁)・正岡(高城淳一)・小島(根上淳)らに指示するが遅れた。
星野は若松に福竜川ダム建設を竹田建設にするように朝倉(西村晃)と接触させるが厳しく、西尾に財部に首相夫人・寺田峯子(京マチ子)の依頼を書いた名刺を渡させたが、財部は古垣にぼやき、そっと名刺の写真を撮らせた。
通産大臣・大川吉太郎(北村和夫)らは任期前に財部を辞任させて、松尾芳之助(内藤武敏)を後継にして竹田建設落札を目指した。
正岡は隠れて工事費の見積もり作業をするが高めに誘導し若松と連絡を取り、会議で入札のロアーリミットをくじで決めたがくじは焼いた。
数日後の入札で、一番高額の竹田建設だけがロアーリミット以上で落札し朝倉は寺田派に5億円を払った。
石原は星野を呼び出すが、2人の争いになり西尾は屋上から墜落死するが、法相・神原孝(大滝秀治)・滝井検事総長(加藤嘉)は自殺にするが、寺田首相が重病になり酒井や斉藤荘造(中谷一郎)らは酒井を首相にした。
<以下、隠し字>
神谷直吉(三國連太郎)は決算委員会で質問しようとするが星野は止めるが石原から資料提供約束で質問を始めた。
石原は古垣に名刺写真のネガを渡し記事を書かせるが、買収された弟・古垣欣二郎(峰岸徹)が刺し殺し、石原も逮捕された。
神谷は突然に外遊し、寺田元首相は死んだ。
監督:山本薩夫
脚本:田坂啓
原作:石川達三
出演者:宇野重吉・中村玉緒・大塚道子・長谷川待子・早川雄三・矢野宣・西村晃・仲代達矢・京マチ子・山本學・北村和夫・大滝秀治・加藤嘉・中谷一郎・河村弘二・久米明・・神田隆・三國連太郎・高橋悦史・鈴木瑞穂・前田武彦・永井智雄・神山繁・内藤武敏・高城淳一・根上淳・笠原玲子・吉田義夫・嵯峨善兵・夏純子・川崎あかね・大楠道代・外野村晋・福田豊土・原田清人・中村美代子・原田あけみ
制作年:1975年
感想: 何があっても不思議で無い政治・政党のスキャンダルをドキュメントスタイルで描く。
全てに裏と金がある世界だ。
2つの殺人が小さく見えかねない、巨悪の世界だ。
(2013/09/07)
- ラヂオの時間
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「ラジオ弁天」のスタジオで直前のラジオ・ドラマ「運命の女」の生放送のリハーサル中で、主演女優・千本のっこ(戸田恵子)・浜村錠(細川俊之)・広瀬満俊(井上順)・野田勉(小野武彦)ら役者とナレーター保坂卓(並樹史朗)が放送ブースで、調整室にディレクター・工藤学(唐沢寿明)とミキサー・辰巳真(田口浩正)とプロデューサー・牛島龍彦(西村雅彦)とアシスタント・永井スミ子(奥貫薫)とAD・大田黒春五郎(梶原善)がいた。
脚本家デビューの主婦・鈴木みやこ(鈴木京香)はリハを見守り、編成の堀ノ内修司(布施明)やみやこの夫・鈴木四郎(近藤芳正)が訪れた。
本番直前にマネージャー古川謙十郎(梅野泰靖)が主演女優・のっこが自分の役名が気に入らないと牛島に言い、丸く納めようと要求役名「メアリー・ジェーン」に変更したが、浜村は自分の役名も外国人にし、熱海が舞台のメロドラマはニューヨークになり、みやこは辻褄の合わない台本の書き直しになるが、牛島は急場しのぎに放送作家・バッキー(モロ師岡)に変更を依頼したが、ドラマ全体を知らず物語は矛盾した方向へ向かい効果音がなく元効果係の守衛・伊織万作(藤村俊二)の助けを借りたが、マシンガンを撃つ場面から本番直前に辰巳の一言でシカゴに変更された。
本番が始まるが海で遭難する場面がシカゴは海がなくダム崩壊にするが、浜村が役柄をパイロットだと勝手に言った為に飛行機事故に変えるがスポンサーからクレームが入り、宇宙パイロットにするが事故で生還出来なくなった。
工藤らスタッフたちは次々の障害を、その場しのぎで乗り越えるが台本の変更連続にみやこは怒り放送ブースに立てこもったが、野田は台詞の追加を要求しドラマはのっこのわがままでみやこのハッピーエンディングと正反対になりそうだった。
<以下、隠し字>
工藤は、結末だけでもみやこの脚本通りにしようと牛島に言うがドラマを終わらせたい牛島は工藤をスタジオから追いだした。
工藤は極秘の回線でブース内と連絡を取り、のっこ以外の出演者と大田黒らの協力でドラマを当初のエンディングに戻し野田もラストの台詞が言え、ようやく生放送は終了して、・・・・・・・。
監督:三谷幸喜
脚本:三谷幸喜
原作:三谷幸喜
出演者:唐沢寿明・鈴木京香・西村雅彦・戸田恵子・奥貫薫・細川俊之・井上順・梶原善・モロ師岡・小野武彦・並樹史朗・梅野泰靖・布施明・田口浩正・藤村俊二
制作年:1997年
感想: コメディとか笑いは何かを追求した。
その場しのぎの変更が次々矛盾を起こし、対策とつじつま合わせに奔走する。
しかも、ほぼリアルタイムの時間設定なのが奇妙な臨場感がうまれて、ペーソスを含んだコメディになった。
(2013/09/13)
- 万華鏡
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美輪繭子(小松千春)は平凡な事務のOLで付き合いも悪く孤独で、自分の部屋で趣味の万華鏡とそのホームページの更新が唯一の楽しみだったが、画面に「死ね」という言葉があらわれて不安になった。
売れっ子カメラマンの村上(遠藤憲一)はモデル(野本美穂)を撮影していたが気が乗らず中止した。
楓(小松千春)は奔放に生きる性格で洋介(広沢好輝)と楽しんでいたが、美輪繭子を襲って犯す依頼をした。
新しい万華鏡を見て楽しむ繭子を見かけた村上は、カメラを向けてとりはじめ、正式に依頼するが断られたが、落とした新しい万華鏡から住居を突き止めて、電話番号を知らせた。
<以下、隠し字>
繭子が村上宛に電話した時に、洋介が襲ってきて犯される、異変を感じた村上は繭子を訪れ、事情を聞かず結ばれ、写真の被写体になってもらった。
写真を現像した村上は、繭子の表情に極端に異なるものが混ざっている事に気づいた。
たまたま村上の家に行ったモデルは、豹変した繭子に殺され、繭子は逮捕された。
刑務所で医者は、典型的な多重人格障害で直るかどうかは不明と言った。
監督:伊藤秀裕
脚本:佐々木乃武良
出演: 小松千春・遠藤憲一・広沢好輝・野本美穂
制作年:2001年
感想: サイコスリラーで、主人公の感じるどこまでが、片方の人格か判らない。
何故に、自分の他人格を襲わすかは不明だ。
(2013/09/19)
- 戦国自衛隊1549
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2003年10月13日に、陸上自衛隊・東富士駐屯地で秘密に行われた人工磁場発生器実験で事故が起きて的場(鹿賀丈史)一佐の中隊が460年前の戦国時代に飛ばされ、飯沼七兵衛(北村一輝)という斉藤道三の部下だけ戻って来た。
2年後、過去の世界との過干渉と思われる「ホール」が日本各地に出現して侵食し始め、研究本部所属の神崎怜(鈴木京香)二尉は、歴史を修正するため救出オペレーション部隊「ロメオ隊」を結成し元特殊部隊「Fユニット」鹿島勇祐(江口洋介)を招集し森彰彦(生瀬勝久)三等陸佐を隊長に再度のタイムスリップに挑む事にした。
現地での活動制限時間は74時間26分で、それを過ぎると現代に戻れ無かった。
1549年の世界では何も無い筈の所に城があり、現地の子供・藤介(中尾明慶)は織田に攻められたと言い、隊も襲撃された。
既に織田信長・的場(鹿賀丈史)に歴史は変えられ斉藤道三(伊武雅刀)は娘・濃姫(綾瀬はるか)を差し出し服従し、信長は駿河にいた。
七兵衛は道三の命で信長につき、的場の部下・与田(的場浩司)二尉は森たちを捕らえて城に連れて行った。
救出対象の的場は、織田信長に成りすまし軍事力で戦国の世を支配して、MHD電池を利用して世界をリセットしようとしていた、歴史は塗り替えられ未来は消失してしまう間際だった。
七兵衛と濃姫は恋仲だったが、七兵衛は主命といい濃姫は思うままに生きよと言い、七兵衛は未来は望みと言いそこに戦車が助けに来るが森は後を託して戦死した。 三國(嶋大輔)陸曹長は残った中の上級地位だったが3つの選択肢から、任務遂行を選んだ。
<以下、隠し字>
藤介が蜂須賀小六(宅麻伸)と知った鹿島は歴史を書き戻す事に決め、藤介を木下藤吉郎にし、七兵衛を織田信長にして道三を仲間にし、城を攻めコンビナートを破壊しMHD電池を神崎と持ち出し、ヘリで駆けつけた木下藤吉郎とタイムスリップ地点に戻り、後を木下藤吉郎と織田信長(七兵衛)に託してワープした。
2005年に戻ると鹿島は「歴史を書き直してつじつまを合わせた」と言い、神崎は「真実の歴史は誰も知らない」と言った。
監督:手塚昌明
脚色:竹内清人・松浦靖
原作:福井晴敏
原案:半村良
出演者:江口洋介・鈴木京香・鹿賀丈史・北村一輝・生瀬勝久・中尾明慶・伊武雅刀・綾瀬はるか・嶋大輔・的場浩司・宅麻伸
制作年:2005年
感想: 「戦国自衛隊」のリメークだが、テーマは「真実の歴史は誰も知らない」だろうか。
タイムスリップはまだ実現が認められていないが、小説等では度々登場する。
(2013/09/25)