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鑑賞日記(2013/07)

ステキな金縛り


宝生エミ(深津絵里)は失敗続きの弁護士で速水(阿部寛)から最後のチャンスでまかされた裁判は、矢部鈴子(竹内結子)殺人事件の被告人で否認している夫・矢部五郎の弁護だった。 被告人は当日に奥多摩の宿で金縛りにあっていたとアリバイを主張するが証人は一晩中、上に乗っていた落武者の幽霊だけで、エミは幽霊・更科六兵衛(西田敏行)に会い裏切り者の名誉を回復する約束で、証人として法廷に呼ぶが六兵衛の姿は一部の人にのみ見え、しかも夜だけで、相手の検事は科学で証明できないと不可という小佐野(中井貴一)だった。
エミと六兵衛は郷土史研究家(浅野忠信)から六兵衛の無実の説を聞き、自分が末裔と聞いた。
裁判官等には見えずエミは通訳したり、六兵衛がはい・いいえを笛で答えるが複雑な質問に対応出来なかったが、小佐野には見えていると判った。
どの様な条件で見えるかを見える人「エミ・ウエイター(深田恭子)・法廷画家(山本亘)・小佐野ら」を調べて、共通の3つの条件に辿り付いた。
犯人が六兵衛への刺客(市村正親)を送り、死の世界の公安・段田(小日向文世)が来て止めるが逆に六兵衛を連れ帰ろうとし、小佐野は尋問で崩すと止めアリバイよりその行為の理由を聞き六兵衛は名誉回復と言い裁判は違う方向に進んだ。
六兵衛は死の国に被害者を捜しに行くが見つからず、疑問に感じたエミは病で死に際の速水に死の世界の公安への依頼を預けた。
<以下、隠し字>
エミの依頼は資産家と結婚している似た姉・風子(竹内結子)の死の世界での捜索で、法廷に現れた幽霊が犯人を指した。
最終的に裁判で矢部の無罪が証明されて、そして・・・・。


監督:三谷幸喜
脚本:三谷幸喜
出演者:深津絵里・西田敏行・阿部寛・竹内結子・小日向文世・中井貴一・浅野忠信・草なぎ剛・市村正親・木下隆行・戸田恵子・生瀬勝久
制作年:2011年


感想: 理屈で考えるとたぶん矛盾がいくつか出てくるだろうが、発想の面白さで引っ張る。
視点によって幽霊が写る映像と、いない映像が切り変わるのも面白く、ひとりの法廷画家が幽霊が見える設定が利いている。
裁判が本来の進行から、幽霊の存在と証言の有効性と名誉回復に変わってゆく。
エミが、原点に戻って事件を見直すとシンプルな真相があった。
(2013/07/03)

ハゲタカ

大手自動車メーカー「アカマ自動車」の新車発表会を社長・古谷隆史(遠藤憲一)が行い、テレビキャスター・三島由香(栗山千明)はアカマ自動車重役・芝野健夫(柴田恭兵)に天才ファンドマネージャー・鷲津政彦(大森南朋)の事を訪ねたが舞台から降りたと聞き、西野治(松田龍平)に聞くとたぶん戻ると言われた。
鷲津を芝野が訪れ、巨大ファンドが買収に乗り出した「アカマ自動車」を救う依頼を受け、三島は海外ファンドのアカマ自動車へのTOBを知り、社長・古谷は急ぎ対策チームを作った。
ブルーウォーズ・パートナーズ代表・劉一華:リュウ・イーファ:(玉山鉄二)はTOB開始と3つの提案を示し友好的と発表し、自身は日系3世でハゲタカでないとした。
芝野はウォールームを設置し、鷲津は劉の身元調査を指示した。
劉はアカマ自動車の工場を訪問し、派遣工・守山翔(高良健吾)を仲間に誘い、鷲津はブルーウォーズが中小なので裏を探り、MGH銀行頭取・飯島亮介(中尾彬)は古谷と芝野に資金援助と鷲津への依頼を指示し、鷲津は引き受け公開買付を発表した。
ブルーウォーズも株の買付価格をあげて株価は限界まで上がった。
鷲津はブルーウォーズの後に中国国家系投資先があり巨大資金源の存在を知り、新聞報道されたが劉は海外資本に問題ないと説明し株保有比への影響は少なく、鷲津はアラビア系の資金援助先と会った。
劉は守山から聞き込んだ派遣違反を古谷に通知し、古谷は鷲津との提携解除してブルーウォーズとの提携をするが芝野は反対し、守山はストライキを計画するが、劉は直前で中止させ古谷と提携し発表した。
鷲津は劉が偽の情報を得、次にブルーウォーズと異なるアカマ自動車買収後の計画書を入手した。
<以下、隠し字>
鷲津は西野に協力を頼み、スタンリー・ファンドに買収提案し、スタンリーは劉に接触し、劉は鷲津に勝負はついたといい、鷲津は芝野に劉が偽と告げた。
スタンリーはブルーウォーズの買収を受け入れ、スタンリーの悪化した経営内容を知る鷲津は保有株を一気に手放しスタンリー株価は暴落し、劉は中国国家系投資先からスタンレーもアカマ自動車への関与も打ち切る連絡を受けた。
鷲津は古谷に失った金の責任を追及し、そして・・・・・。


監督:大友啓史
脚本:林宏司
原作:真山仁
出演者:大森南朋・柴田恭兵・玉山鉄二・栗山千明・高良健吾・遠藤憲一・松田龍平・中尾彬
制作年:2009年


感想: マネーゲームとも言える、株価操作と会社買収を描く。
その中で世界を相手にするファンドと、日本国内に拘る人間の存在も描き、その世界で上昇指向を目指す者と挫折も描く。
(2013/07/09)

聖獣学園

多岐川魔矢(多岐川裕美)は、青木健太(谷隼人)に体を与えた次の日にセントクルス修道院に入った。
儀式の後で、院長・小笠原綾(森秋子)と副院長・松村貞子(三原葉子)に部屋へ案内された魔矢は、少年刑務所出身の石田松子(山内えみ子)・清純な北野久子(渡辺やよい)・丘珠枝(田島晴美)等と同室になった。
魔矢と松子が松村に逆って、松村は修道尼の高波美恵(早乙女りえ)に監視させた。
魔矢は美恵の弱味を掴み、院長室に忍び込み一冊のノートに魔矢の母が心臓麻痺で死亡と書かれていたのを見付けた。
不信な魔矢は修道院で最も古い賄婦菅野さち(山本緑)に尋ねるが何も話さなかった。
司祭の柿沼信之(渡辺文雄)が修道院を訪れた。
柿沼は院長と肉体関係があり修道院の金を私欲し、さらに地位を利用して北野久子を犯し妊娠させた。
魔矢は松村が欲求不満に陥っているのを知り、青木健太を忍び込ませて松村を犯した。
魔矢はリンチを受けるが何も答えなかった。
男狂いになった松村の代りにローマよりナタリー(衣麻遼子)が着任した。
ナタリーは司祭と魔女狩りで自分が院長になる様に企み、久子をリンチして久子は舌を噛んで自殺した。
<以下、隠し字>
病床の菅野さちから「母の死因は自殺で理由は院長が知っている」と聞いた魔矢は母が柿沼に妊娠させられ自殺したことを知った。
魔矢は狙われ、反対に殺したナタリーになりすまし、柿沼に抱かれた。
魔矢が自分の実の娘だと知った柿沼はショックで絶叫した。
復讐を終えた魔矢は、修道院を出て平凡な娘に戻った。


監督:鈴木則文
脚本:掛札昌裕・鈴木則文
原作:鈴木則文・沢田竜治
出演:多岐川裕美・谷隼人・森秋子・三原葉子・山内えみ子・渡辺やよい・早乙女りえ・山本緑・渡辺文雄・衣麻遼子
制作年:1974年


感想: 定番の修道院・女囚もののひとつでパターン化している。
古い作が残っているのは、多岐川裕美のデビュー作だからか?。
(2013/07/15)

ダイアモンドは傷つかない

越屋弓子(田中美佐子)は、塾教師・三村一郎(山崎努)の同僚の結婚式に行き、妻・三村真知子(朝丘雪路)に会った、弓子は大学生で三村の塾の手伝いを行い付き合っていた。
弓子は同僚の学生からアルバイトをうらやましがれた、本庄と早稲田間のヒッチハイクにも誘われた。
受験生だった弓子は予備校の中年講師・三村に秘かに瞳れた、話す機会があり三村は「男には女との関係に二通りある」と言い、その夜二人は酔いつぶれ三村の愛人の牧村和子(加賀まりこ)の部屋へ行き、弓子は和子に対して批判的だが三村に周囲の多くの女性が傷つきながらも愛を続けている事を知った。
三村の家も妻・真知子がノイローゼで、実は問題だらけだった。
弓子は早稲田大学に合格し、三村から家具を贈られて2人で家を持った。
三村は塾のはしごをしており、弟・中山修司(小坂一也)から弓子は三村は半分が本気と言われ、三村の予備校での派手な生活を度々注意した。
弓子は「50年たったら結婚しよう」という三村の言葉に迷い、愛と淋しさに疲れ始めた。
<以下、隠し字>
弓子は、和子と会っている三村を偶然見て動揺した、その後に二人で酔い中山の家に押しかけ、翌日に妻・真知子に電話を入れる三村を見ていた。
三村は皆よかったと言うが、和子は夜に三村の家に電話し、三村は出ずに翌日駆けつけたが顔を切られた。
妻・真知子は薬ずけ、愛人・和子は自分の道を持っており、三村は体調を悪くした。
弓子は大人のふりは止めると言い、本庄と早稲田間のヒッチハイクに参加した。


監督:藤田敏八
脚本:田中晶子
原作:三石由起子
出演:田中美佐子・山崎努・朝丘雪路・加賀まりこ・小坂一也・石田えり
制作年:1982年


感想: 筋のぼやけたつかみ所の難しいストーリーです。
三村という全てが中途半端で、多数の女性と過ごす男は周囲は批判的だが、当事者の女性はなぜか別れられない。
しかし、全てが次第に悪くまわり始めて、女性たちは自分の生き方を始める。
(2013/07/21)

ぐるりのこと。

1993年7月。
出版社勤務の佐藤翔子(木村多江)は、靴の修理屋・佐藤カナオ(リリー・フランキー)の子供を身籠っていたが、式を挙げぬまま結婚していた。
翔子の父は愛人を作って母・吉田波子(倍賞美津子)を捨て、兄の吉田勝利(寺島進)は不動産屋で妻・吉田雅子(安藤玉恵)と二人の子供がいた。
カナオは夏目先輩(木村祐一)の紹介で法廷画家の仕事を始め、記者の安田(柄本明)・諸井(八嶋智人)や先輩画家の吉住(寺田農)・佐古田(春海四方)達に加わり自分の生き方を模索した。
1994年2月。
カナオと翔子の部屋に子供の位牌があり、悲しみから翔子は精神が参ってゆき、翌年次の子供を身籠るが中絶手術を受けて、翔子の病は広がった。
カナオは法廷で対面する事件が凶悪化していった。
1995年7月。
カナオは、売春事件やサリン事件等に遭遇し、翔子はサイン会で本当のやさしさに迷い子供を見て泣いた。
母の足の治療で動きつらくなり、逃げた父が名古屋にいると知ったが、翔子は倒れた。
1997年10月。
安田が入院し、カナオは見舞いに行き、何故逃げないかと聞いた。
仕事も辞めて心療内科に通う翔子は過去をカナオに告白し、夫婦の絆を確認しあった。
1998年7月。
お寺に通うようになった翔子は、精神の安定を取り戻し、僧侶(高橋かすみ)から天井画を依頼され、ひさしぶりに絵筆をとった。
<以下、隠し字>
2000年5月。
父が末期ガンと兄の勝利から聞いたカナオと翔子は二人で名古屋に向かった。
報告の家族会議で、父を裏切ったのは母の波子だと聞かさ、カナオが描いた似顔絵で夫との対面をした波子だった。
2001年7月。
翔子の描いたお寺の天井画が完成し、二人の部屋には金屏風の前に並ぶカナオと翔子の写真があった。


監督:橋口亮輔
脚本:橋口亮輔
原作:橋口亮輔
出演者:木村多江・リリー/フランキー・倍賞美津子・寺島進・安藤玉恵・柄本明・寺田農・高橋かすみ・春海四方
制作年:2008年


感想: 起伏がありながら、一緒にそれぞれの道を歩む夫婦をえがく。
一方で、法廷画家の夫は、多様な裁判と被告たちの生き様に次第に直視できるようになった。
(2013/07/27)

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