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鑑賞日記(2013/04)

運命じゃない人

婚約破棄で、家を出てきた桑田真紀(霧島れいか)は、婚約指輪を質屋に持ちこむが3500円で一人入ったレストランで、寂しさで今にも泣きそうだった。
勤務中のサラリーマン・宮田武(中村靖日)は、結婚予定でマンションを購入したが1週間前に彼女・倉田あゆみ(板谷由夏)が荷物を残して別れて出て行った。
仕事中もパソコンであゆみの写真を見てため息をつき、同僚からデートに部屋を貸すと無理に頼まれた。
「宮田武」の場合。
夜に、宮田がマンションに帰宅した時、携帯で呼び出しが親友で私立探偵・神田勇介(山中聡)からで食事を誘われるが宮田は外出したくないが、神田からあゆみの話と聞き出かけた。
レストランで宮田が待っていると神田が遅れてきて、あゆみと偶然会って結婚するらしいと告げたが、ひどい仕打ちにも関わらず、宮田はまだあゆみが気がかりだが神田は新しい出会いを探せと言い、急に後ろのテーブルの女性・真紀に声をかけて3人は一緒に食事をすることになった。
急に、神田がトイレに立ち戻ってこなく、携帯に電話をすると急な仕事と言い切られ、初対面の真紀となんとか食事を終え、真紀を送ろうとするが婚約破棄で帰る家がないと言ったので宮田は放っておけず自分の家に泊まる提案をして、人の良い宮田に真紀は宮田の家に向かった。
マンションに到着し宮田は真紀をあゆみが使っていた寝室へ案内し、部屋の隅のダンボール箱を宮田は前の彼女・あゆみのものだと言い、ついあゆみとの経緯を真紀に話すと同情した真紀が、思わず彼を抱きしめた。
二人が気まずくなった時に玄関のチャイムが鳴り、行方知れずのあゆみが現われ「荷物を取りに来ただけ」と上がりこみ、自分勝手なあゆみの態度に真紀は宮田の家を出て行き、宮田は後を追いかけ説得するが真紀はタクシーで行き、宮田はタクシーを全速力で追いかけて、真紀に電話番号を教えてほしいと頼み、真紀は迷うが電話番号を書いた紙を渡した。
<以下、隠し字>
宮田武が見た事と、桑田真紀・神田勇介・倉田あゆみ・あゆみの現在の恋人の浅井志信(山下規介)それぞれから見た事は異なっていた。
「神田勇介」の場合、「浅井志信」の場合と続く。
そこに、「倉田あゆみ」の場合・「桑田真紀」の場合が割り込む。
宮田武の知らない事が起きていた。


監督:内田けんじ
脚本:内田けんじ
出演者:中村靖日・霧島れいか・山中聡・山下規介・板谷由夏・眞島英和・近松仁・杉内貴・北野恒安・法福法彦
制作年:2004年


感想: 一番の中心人物の様で実はそうでない人物の視点から見た話は、次々とより詳しい人物の視点へと繰り返して行く。
あゆみや神田や真紀の行動を疑わないひとのよい宮田武を中心にする事で自然な流れが出来た。
結局、宮田武は変われ無かったのか?。
(2013/04/04)

森と湖のまつり

北海道の草原を「ビヤッキー」風森一太郎(高倉健)がアイヌ部落を品物を持って訪問していた。
アイヌ研究家・池博士(北沢彪)と女流画家・佐伯雪子(香川京子)はアイヌのために働く風森一太郎の噂を聞くが、一太郎の闘いはアイヌ愛と現実の怒りが感じられる闘いに見えたが、池博士は一太郎の「アイヌ基金」で助かっているが力で奪う事は良くないと言い、雪子は一太郎に会いたいと思った。
池博士は山城屋(佐々木孝丸)から「アイヌ基金」の使われかたに不審を持つ川口館主人(花澤徳衛)等がいると言い、現地に残る雪子に娘・茂子(中原ひとみ)の絵を依頼した。
雪子は茂子に皮膚の色が出せず悩み木村医師(河野秋武)に診察中の風森ミツ(藤里まゆみ)と会い、彼女は一太郎の姉で17才にアイヌ故に教師・杉田(加藤嘉)との恋に破れ、それから少年・一太郎(福島卓)はアイヌ民族のために闘う事になった。
雪子は釧路の酒場カバフト軒に一太郎を探しに行き、アイヌ・千木鶴子(有馬稲子)と会い、一太郎がアイヌだが日本人を粧う大漁場の持主・大岩老(薄田研二)に反省を求める書状の使者を求め、雪子と鶴子は対立し賭けで雪子が勝った。
雪子は、大岩老と息子・大岩猛(三國連太郎)に会いにオホーツクに行くが大岩老の反省はなく、漁場を襲った一太郎の馬に雪子がしがみつき、森の小屋についた二人は抱き合った。
一太郎が去った後に雪子は、大岩猛から決闘の意の山刀を預かり、場所はノタップ岬のチャランケの丘で合図はベカンベ祭の鶴の踊だった。
<以下、隠し字>
ミツに、かつての恋人杉田が現われアイヌの純血を守ることが無駄かと一太郎にさとし、一太郎と大岩猛決闘が始まり、押さえ込まれた大岩猛は「お前も混血だ!」と一太郎に言った。
駆けつけた池博士・雪子らに「アイヌ基金」の隠し場所を教え、一太郎は姿を消し・・・・。


監督:内田吐夢
脚本:植草圭之助
原作:武田泰淳
出演者:高倉健・中原ひとみ・藤里まゆみ・香川京子・有馬稲子・薄田研二・三國連太郎・加藤嘉・佐々木孝丸・花澤徳衛・河野秋武・北沢彪・福島卓
制作年:1958年


感想: 梗概では省かれるが、アイヌの純血とそれの滅びそしてそれが大事なのかが度々語られる。
大切な事は他にあるのではないか、血を越えた愛があるので無いか。
純血に拘る者、アイヌを隠す者、混血を含め血に拘らない者、民族の滅亡と絡んで行く。北海道の自然の中のロケだが、現在はもう無理なのだろうか。
(2013/04/10)

はいからさんが通る

大正七年春、お転婆娘の花村紅緒(南野陽子)は、伯爵・伊集院家へ行儀見習いに行くことになり途中で牛五郎(柳沢慎吾)と会った。
扉が開ず塀を乗り越え落ちた、笑う軍服姿の青年が紅緒の許婚・伊集院忍(阿部寛)だった。
許婚を何も知らない紅緒はびっくりしたが忍の祖母と紅緒の祖父が決めたものだった。
料理・裁縫など奥女中・如月(野際陽子)は厳しかった。
紅緒が洗濯物を干していたら伯爵(丹波哲郎)が来て、女の物を男の物の上に干してはいけないと言い、怒った紅緒は伯爵を剣道で負かした。
数日後紅緒は忍と街へ行ったが、買い物の途中彼が芸者(松原千明)と親しく話しているのを見て怒った。
酒を飲み紅緒は酒場で軍人相手に暴れ、忍が止めに入ったが「冗談倶楽部」という雑誌に忍が悪者に書かれ、小倉の部隊へ左遷になった。
芸者は忍の死んだ友人の恋人で、忍は紅緒に「小倉から戻ったら結婚」と言ったが、忍の部隊はシベリアヘ送られた。
忍は消息を絶ち、復員した部下の鬼島(本田博太郎)の話では、忍はロシアで行方不明だった。
忍は生きていると信じる紅緒は忍が帰って来るまで伊集院家いたいと伯爵に頼んだ。
その間紅緒は「冗談倶楽部」で働くことになった。
大正十一年冬、紅緒は編集長の青江冬星(田中健)から結婚を申し込まれ、伯爵夫妻からも忍のことは忘れて、と言われた。
<以下、隠し字>
紅緒は似た日本人の噂を確かめに、牛五郎とシベリアへ行ったが噂の男は別人だった。
帰国した紅緒は青江と結婚を決めたが、式の当日に記憶障害が直った忍が帰って来た。
鬼島が式場へ走るがすれ違いで紅緒に会えず、青江と紅緒が誓いの言葉を述べる時に大震災が起こり、紅緒は忍と再会した。


監督:佐藤雅道
脚本:西岡琢也
原作:大和和紀
出演:南野陽子・阿部寛・野際陽子・丹波哲郎・松原千明・本田博太郎・田中健・柳沢慎吾


感想: 当時は歌手の南野とモデルの阿部との俳優としての新人同士だった。
大正の頃のありそうな話で、時代的にかなり飛んでいる主人公をユーモアに描く。
(2013/04/16)

大誘拐 RAINBOW KIDS

刑務所に仲間の秋葉正義(内田勝康)と三宅平太(西川弘志)を迎えた戸並健次(風間トオル)は、二人に誘拐の計画を話した。
ねらいは紀州一の山林王・柳川とし子刀自(北林谷栄)で、計画を実行する三人だったが長い日の後にとし子は吉村紀美(松永麗子)と山歩きを始めた。
山中で拉致に成功した彼らに和歌山県警本部長・井狩大五郎(緒形拳)から逃げるのは難しいと言った。
三人は刀自の元女中頭だった中村くら(樹木希林)の家を隠れ家とした。
和歌山県警本部では「刀自誘拐」の連絡で刀自を生涯最大の恩人と敬愛する井狩が捜査に乗り出した。
連絡を聞いた刀自の子供たちも次々と柳川家に到着した。
三人は隠れ家で身代金要求の策を練ったが、額が五千万円だと知った刀自は「大柳川家の当主は百億円」と言い、誘拐犯と刀自の立場は逆転して事件は刀自と井狩との知力の戦いになった。
百億円は無理と言い、本人の無事の確認を要求に応じて刀自は、捜査陣の裏をかいた放送局の中継で説明した。
家族で指示どうりに調べると、説明通りだった。
身代金の受け渡しは全世界へ生中継され、ヘリで三角ルートを飛ぶが、またしても捜査陣の裏で成功した。
<以下、隠し字>
三人組はそれぞれの道をいき、無事に柳川家に戻った刀自の前に事件の全謀を察した井狩が姿を現わした。


監督:岡本喜八
脚本:岡本喜八
原作:天藤真
出演:北林谷栄・緒形拳・風間トオル・西川弘志・樹木希林
制作年:1991年


感想: 規模の大きさと、テレビ中継の中での誘拐ストーリーです。
誘拐された刀自と、井苅との知力対決は妙味がつきない。
単独犯が面白いといわれるミステリだが、複数対決も内容によれば、より面白く出来る事を示した。
(2013/04/22)

極道の妻たち 三代目姐

関西の坂西組三代目組長・坂西武雄(丹波哲郎)が倒れて、妻の葉月(三田佳子)が切り盛りしていたが、組長代行の舎弟頭・寺田竜吉(成田三樹夫)は組の企業化で四代目を狙いそこへ若頭補佐・赤松徹郎(萩原健一)が出所してきた。
坂西が余命短い事を葉月は隠していたが急死し、幹部会で四代目争いが起き、葉月は結城弁護士(大門正明)から遺言書があると聞くが後日まで開封しなかった。
野方組の妻・野方操(かたせ梨乃)は赤松の元手でクラブ「ローズタトウ」のママになり、葉月ともめた。
葉月は寺田に全会一致の入れ札で四代目を決めるように言い、自分は瀬戸内海の島の坂西の生家に帰った。
赤松は瀬戸に葉月を訪ね、四代目組長が寺田になったと報告したが、葉月は赤松の決心を感じた。
赤松は寺田の知恵袋・木曽忠久(浜田晃)を射殺させ、野方操の部屋でアリバイのために松江清美(吉川十和子)を利用するが本当に惚れた。
寺田は赤松を破門したが、葉月から三代目の遺書を知り、赤松と清美を射殺を狙い野方操に操られた荒木太(坂上忍)に赤松は刺し殺された。
<以下、隠し字>
遺書は寺田を四代目組長に、赤松を組長補佐に指名していた。
葉月は遺書を破り、坂西組三代目姐となる決心をした。


監督:降旗康男
脚本:高田宏治
原作:家田荘子
出演:三田佳子・かたせ梨乃・坂上忍・吉川十和子・丹波哲郎・浜田晃・大門正明・成田三樹夫・萩原健一
制作年:1989年


感想: 多数の四代目狙いと男女の絡みが、乱れる。
結果的に誰も予測も進展も読み切れなかった。
(2013/04/28)

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