鑑賞日記(2013/02)
- しあわせのパン
-
1年前から、りえ(原田知世)は東京から水縞尚(大泉洋)は札幌から、北海道の月浦の湖が見える所で宿泊設備付きのパンカフェ「マーニ」を始め、尚がパンを焼き、りえがコーヒーと料理を作っていた。
常連客の阿部(あがた森魚)や郵便配達(本多力)や近くの農園の広川夫妻(中村靖日・池谷のぶえ)や地獄耳の硝子作家・陽子(余貴美子)はお馴染みだった。
夏、誕生日の沖縄旅行をドタキャンされた齋藤香織(森カンナ)が何故か北海道に来てぼやきワインで酔いつぶれ、鉄道のポイント切り返しをし北海道から出れないストレス気味の山下時生(平岡祐太)がバイクで来て香織の挙動に呆れた。
水縞夫妻は香織・時生を連れて広川夫妻の野菜店等を訪ね、香織は時生を沖縄風に日焼けや土産探しに連れまわり、夜は水縞夫妻は香織の誕生会を開き楽しみ、翌朝帰る香織を時生が送りにきた。
りえはこれまでを思い起こし、尚は欲しいものは一つだけだが秘密だった。
秋、「マーニ」のそばのバス停留所に口をきかない少女・未久(八木優希)をりえが見つけ、尚が学校にパンを配達するときに連れて行った。
家に帰った未久は父親(光石研)に家出した母(霧島れいか)の「かぼちゃのポタージュ」が食べたいといい、翌日父親が「マーニ」に来て話し夕方に来た未久に「かぼちゃのポタージュ」を出すが思い詰めて食べなかった。
水縞夫妻は未久と父親を別々に招待し、夕食と「かぼちゃのポタージュ」を食べて未久は父と一緒に泣きたかったと言った。
冬、雪景色の夜に老人・阪本史生(中村嘉葎雄)と妻・アヤ(渡辺美佐子)がやってきて昔に来たと言いどこか思いつめており、史生はパンでなくごはんを希望し尚は広川夫妻に取りに行き、月を見に外に出ようとする2人を室内から見えると止めた。
食事を出すとアヤはパンを食べはじめおいしい、明日も食べたいと言った。
尚はしばらくすると満月が見えると言い、夫妻は数日宿泊しパン作りで楽しみ、やがて帰った。
<以下、隠し字>
春、阪本史生から妻の死とまだ老人でも変化を楽しめる事を知ったという手紙が届いた。りえは自分の「マーニ」を見つけたと思い、尚は欲しかったものが手に入ったと思った。
「マーニ」の2周年目に多くの人に水縞夫妻はパンを郵送した。
監督:三島有紀子
脚本:三島有紀子
出演者:原田知世・大泉洋・森カンナ・平岡祐太・光石研・八木優希・あがた森魚・余貴美子・中村嘉葎雄・本多力・中村靖日・池谷のぶえ・大橋のぞみ(ナレーション)
制作年:2011年
感想: 自分な好きな事を探しに北海道の月浦に来た夫妻は、それぞれ探しものがあった。
四季の変化を背景に訪問する客との接触のなかで、自分達の提供するものが幸せをもたらす事に自身も幸せを実感する。
(2013/02/03)
- 冬の華
-
関東の東竜会幹部・加納秀次(高倉健)は、会長・坂田良吉(藤田進)を裏切り関西暴力団に繋がった松岡幸太郎(池部良)を殺害したが、松岡には3歳の娘があり加納は洋子を南幸吉(田中邦衛)に託し旭川刑務所に服役した。
服役中は加納は「ブラジルにいる伯父」といつわり南を通して洋子の面倒を見て文通をした、15年後に出所した加納は南の準備したアパートに入り組に挨拶したが、南や陳(小沢昭一)は東竜会に人がいないと加納を歓迎し、会長・坂田は絵に凝っており幹部は色々な考え方でまとまっていないと知った。
加納は南が洋子(池上季実子)に「伯父」が帰国すると言っていた事を知り、加納の手紙を運び恋人となった竹田乙彦(三浦洋一)の案内で洋子の姿を見、洋子の手紙によく書かれていた喫茶店で彼女と出会い、加納が「ブラジルにいる伯父」と思った洋子は尋ねようとするが加納は彼女の前から去った。
組内部で闘争があり関西から多くのヤクザがやってきたが、坂田は何とか修めた。
加納は闘争から距離をおき洋子を見守るが、「ブラジルにいる伯父」に会えない事にがっかりしていた。
坂田からの組結成の話も断わり、堅気になろうと考えていた加納は、坂田から息子の道郎(北大路欣也)の相談相手を頼まれ、道郎と再会を喜び合うが道郎の考える事は組の事であった。
平和になった様に見えたのも束の間で坂田は関西の暴力団員に殺され、組織はばらばらに動いた。
<以下、隠し字>
仇の関西連合の三枝信吉(岡田眞澄)と東竜会を裏切った山辺修(小池朝雄)を、道郎が狙っていると聞いた加納は苦悩し、山辺殺害を決意した。
加納は、竹田にかたぎになって洋子と一緒になる約束をさせ、洋子へ電話で日本には帰れないといった。
南に道郎が外出出来ない様に見張らせ、加納は東竜会の中堅と山辺へ向かい、殺害した。山辺は子供がいるから見逃して欲しいと言い、15年前と似ていた。
監督:降旗康男
脚本:倉本聰
出演者:高倉健・池上季実子・田中邦衛・三浦洋一・藤田進・北大路欣也・夏八木勲・司裕介・小池朝雄・大木晤郎・寺田農・奈辺悟・白井滋郎・天津敏・山本麟一・峰岸徹・高並功・小林亜星・今井健二・青木卓司・岩尾正隆・岡田眞澄・池部良・小沢昭一・倍賞美津子・大滝秀治
制作年:1978年感想: 暴力団関係に多彩な登場人物がいるが、区別がつけにくい程に早く話が展開する。
一方、加納と洋子の話は逆にじっくり描かれるが、実は内容は大きな進展はない。
加えて、エミーや母親の話が絡む。
結局はヤクザにも子供がおりそれだけが気がかりで、それを理解過ぎる事で自分の人生を失う男の話だ。
(2013/02/09)
- 姐御
-
古溝組の若頭・紺野淳一(松方弘樹)は田ノ浦組の客分・杉本昇治(北野武)に襲われ重傷を負い、妻・紺野愛(黒木瞳)は杉本の白刃に飛びついた。
古溝組の片倉弘(名高達男)らが、田ノ浦強(石橋蓮司)を狙うが失敗した。
淳一の傷が治った頃、田ノ浦組から手打ちの話があったが罠で淳一は殺さた。
愛は、かつて極道の妻だった吉本澄江(香山美子)の店を手伝いながら田ノ浦への復讐を狙い、愛人・亜矢子(白都真理)といる所を襲うが、失敗し刑務所に入れられた。
愛は獄中で女児を出産し、幸子と名付けて澄江に預けた。
四年後に愛は出所し、先に出所して古溝組三代目になっていた片倉に迎えられた。
田ノ浦組が澄江の店も地上げされようとしていたが、澄江は承諾しなかった。
愛は、田ノ浦を狙うために、客分・杉本に近づき、協力の約束を得た。
元の大手不動産会社は待ちきれず、古溝不動産に依頼してきた。
片倉に頼まれた澄江は承諾したが、田ノ浦は片倉と愛たちを襲い、片倉を殺した。
そして幸子(竹村愛美)を誘拐し、澄江は幸子と引き替えに店の立ち退きを受けた。
<以下、隠し字>
愛はついに田ノ浦を殺す決心をし、杉本から田ノ浦のマンションの合鍵を受け取り、田ノ浦と亜矢子を待ちぶせ、淳一の仇をとった。
監督:鷹森立一
脚本:中島貞夫
原作 藤田五郎
出演:黒木瞳・松方弘樹・北野武・香山美子・白都真理・名高達男・石橋蓮司
制作年:1988年感想: ヤクザの妻と愛人4人を中心に話が進む。
それぞれが異なる生き方をするが、殺された夫の復讐を狙いをひそかに狙った愛の気持と行動は驚きの目で見られたが、出所後も狙い続けていた事は誰も気づかなかった。
ヤクザの世界の愛情を描く。
(2013/02/15)
- 12人の優しい日本人
-
日本に陪審員制度があると仮定した物語で、12人の陪審員の全員一致でのみ決議して、それ以外は一致せずで別の12人の陪審員が選ばれて議論されます。
酔っ払った被害者男が若妻の女性被告に復縁を求め、夜間の道路でトラックに轢かれて死んだ事件で、証言は被告・トラック運転手・目撃した老婦人だけだった。
12人の陪審員は無作為に選ばれ、陪審委員長は40歳教師で過去に陪審員経験のある1号(塩見三省)、28歳会社員で妻と別居中の2号(相島一之)、49歳喫茶店店主の3号(上田耕一)、61歳元信用金庫職員の4号(二瓶鮫一)、37歳OLの5号(中村まり子)、34歳セールスマンの6号(大河内浩)、33歳職人の7号(梶原善)、29歳主婦の8号(山下容莉枝)、51歳歯科医?教師の9号(村松克巳)、50歳クリーニング店の10号(林美智子)、30歳弁護士?役者の11号(豊川悦司)、30歳大手スーパー課長補佐の12号(加藤善博)だった。
被告人が若い美人で同情から審議は無罪で終わりそうだったが、2号が有罪意見で無罪の根拠を聞きはじめ、明解な被告の殺意なしの実証が曖昧だった。
1人が議論のために有罪にまわり、議論の中で次第に有罪が増え6人になり計画殺人の疑いも出て来たが、意見をまとめるため殺人罪から障害致死で執行猶予の妥協案も出たが全員一致に成らなかった。
殺意を示す証拠は以下だった。
・1:被告人は長い距離逃げた>長距離の選手だった>計画性もあるか?。
・2:逃げたルートが被告人の家への最短ルートと異なる。
・3:ピザの注文を被告人はしていた>子供のためでその夜は帰れないと思っていた?。
・4:被害者は酔っていた>長く追いかけられたか疑問?。
・5:目撃者は「死ねばよい」と聞いたが被告は否定?。
・6:被告人は目撃者に気づかず、目撃者は気づいた>暗闇で見にくい筈だ。
・7:クラクションは被告人に聞こえない>運転手は鳴らさず、目撃者は急ブレーキでふり向いたのは不自然?。
・8:被告人証言で「夫が一瞬悪魔に見えた」>暗闇で見えたとすれば被告人がトラックを背にしていて被害者にライトが照らした時。
<以下、隠し字>
有罪が増えたが、2名の無罪が残り11号が推理を始めて、議論が進み殺意の証拠が消えていった。
そして、・・・・最後に全員一致でのみ決議した。
監督:中原俊
脚本:三谷幸喜・東京サンシャインボーイズ
出演者:塩見三省・相島一之・上田耕一・二瓶鮫一・中村まり子・大河内浩・梶原善・山下容莉枝・村松克巳・林美智子・豊川悦司・加藤善博
制作年:1991年感想: 感情から次第に殺意の可能性があつまり、それが次第に証拠から消えて行く。
陪審室のみの会話で全てが進む、法廷・安楽椅子推理的な要素がある。
個々の陪審員の性格や事情が明らかになってゆく過程が面白く描かれている。
(2013/02/21)
- リアル鬼ごっこ
-
日本でもっとも多い苗字「佐藤」、最近佐藤姓の人間が相次ぎ亡くなっていた。
佐藤翼(石田卓也)には、母親の死後アルコール依存症の父親(吹越満)と生まれつき病気の妹の愛(谷村美月)がおり病院で医師(柄本明)に看病されており、不良高校生の翼には佐藤洋(大東俊介)率いる敵対グループがあった。
翼と洋は元々幼馴染でが今は敵対で、ある日翼が捕まってしまうが洋の前から翼は忽然と姿を消した。
翼が気がつくと、誰もおらず、洋が追われてきた。
二人を追うのは仮面をつけた「鬼」たちであり、この世界は王政で「佐藤」姓を持つ人間は一日のうちの数時間、王の使いの鬼に追いかけられ、捕まれば死刑の殺人ゲームが行われており、放送局ではアナウンサー・渡辺かをり(松本莉緒)がニュースをしていた。
信じられない翼の前に、妹の愛と全く同じ顔の少女が現れ、この世界は現実世界と平行して存在するパラレルワールドで、同一人物の生死がリンクしているといった。
翼だけだ特殊で、片方でしか存在出来く、妹が呼ぶ時のみこちらの愛は会話出来た。
翼・父・妹・洋は一緒に逃げるが1人ずつ死んでいき、最終時間に愛も捕らわれ残ったのは翼のみだった。
<以下、隠し字>
翼は放送局から王様に話しかけるが、王様の正体と殺人ゲームの目的は予想外だった。
現実世界とパラレルワールドで併行して、戦いが行われた。
そして・・・・・。
監督:柴田一成
アクション監督:谷垣健治
脚本:柴田一成
原作:山田悠介
出演者:石田卓也・谷村美月・大東駿介・吹越満・松本莉緒・柄本明
制作年:2007年感想: パラレルワールド故にストーリーは面白く出来るが、意外性も大きいがそれ位は当然の背景設定だろう。
真相は、都合良すぎるし、複数のパラレルワールドの登場は矛盾があると感じる。
(2013/02/27)