鑑賞日記(2012/12)
- 麒麟の翼~劇場版・新参者~
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看護士・金森登紀子(田中麗奈)が加賀恭一郎(阿部寛)に亡父(山崎努)の3回忌を行う事を漸く仕事が無ければで説得した頃に加賀は事件に呼び出された。
カネセキ金属製造本部長・青柳武明(中井貴一)が近くの地下道で刺されて助けを呼ばず8分程歩いて日本橋の翼のある麒麟像の下で死んだ。
同時刻に職質された八島冬樹(三浦貴大)は逃げて交通事故で重体で、恋人の中原香織(新垣結衣)は無実を信じた。
加賀は本庁の甥・松宮脩平(溝端淳平)とコンビで不明な遺留品を調べ、中原から八島が当日面接を受けようとしていたと聞いた。
加賀と松宮が訪ねた青柳家は母と息子・悠人(松坂桃李)と妹・遥香(竹富聖花)がいたがバラバラで、悠人がかって通っていた中学にメールを送っており水泳部の教師(劇団ひとり)を訪問するがかっての事故の事は多く語らなく、殺害前に武明がコーヒーショップで誰かと会っていたと判った。
加賀の後輩でジャーナリスト志望で食べ物やで働いている青山亜美(黒木メイサ)から武明が半年前から月1回デジカメと地図を持って来ていると聞き、神社でも見たと言った。カネセキ金属の工場を訪ねた松宮は冬樹が事故でかって止めたが労災がなく、工場長(鶴見信吾)は武明の指示と述べた。
冬樹は死亡し、捜査本部が被疑者死亡でおえたいと思うが、加賀と松宮は中原から冬樹との事を聞き、ばらばらの青柳家の事情を調べ、武明の神社詣での目的をしらべ、それとかって起きた水泳部の事故の関係を調べ続けた。
<以下、隠し字>
やがて、冬樹の当日の行動・悠人の水泳事故後の行動とそれを知った武明の行動が次第に明らかになって来た。
事件の日に武明が会っていた人物が判り、武明が助けを求めず翼のある麒麟像の下まで歩き続けた謎が明らかになって行った。
監督:土井裕泰
脚本:櫻井武晴
原作:東野圭吾
出演者:阿部寛・溝端淳平・中井貴一・新垣結衣・黒木メイサ・田中麗奈・松坂桃李・菅田将暉・三浦貴大・劇団ひとり・竹富聖花・山崎賢人・山崎努・聖也
制作年:2012年
感想: 人の責任をテーマに、容易に判らない謎を解く過程の多くの隠されていた出来事が明らかになり、人間がその場の責任を避けた事が新たに生み出す問題を問う。
加賀自身も父との関係を問われる。
(2012/12/05)
- おかえり、はやぶさ
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2003年5月9日に、小惑星イトカワのサンプルを地球に持ち帰る人類初のミッションを持って鹿児島県内之浦から、小惑星探査機「はやぶさ」が打ち上げられた。
12月、打上げから5年半を経過した火星探査機「のぞみ」が故障でプロジェクト終了になり、プロジェクトマネージャー・大橋伊佐夫(三浦友和)と広報・伊沢公平(中村梅雀)は会見で非難され「諦めきれずぎりぎりまで続行した、申し訳ない」と謝罪した。
「はやぶさ」プロジェクトマネージャー・江本智彦(大杉漣)は成功しないと評価されないと言い、イオンエンジン担当・山田幸一(豊原功補)と大橋伊佐夫の息子のエンジニア助手・大橋健人(藤原竜也)や新人理学博士・野村奈緒子(杏)も参加していた。
小学校でのデモに詳しい少年が参加しており、それは健人の同僚・岩松大吾(田中直樹)の息子・風也(前田旺志郎)で、母・多美(森口瑶子)の病気の回復を「はやぶさ」プロジェクトの成功に映していた。
「はやぶさ」の位置制御が不安定の時に健人は強引にキセノンガスの吹き出しを使用して成功させ、実力と勝手なリスクの行動の批判とがあった、理学系は夢を追い工学系は実証を追い微妙に差があった。
人生の多くを「のぞみ」についやした父・伊佐夫は引退し、引きこもって壁の貼り替えで時間をつぶし、妻・小夜子(宮崎美子)はあきれており、健人の悩みになっていた。
2005年11月に、イトカワ付近に到着した「はやぶさ」だったが、奇妙な形のイトカワへの着陸に失敗し、リスクのある2回目の着陸を成功させたが、サンプル採取の弾丸は発射されなかった、江本は健人に父・伊佐夫への「たまにはJAXAに来て欲しい」とのメッセージを託した。
11年前に野村奈緒子は、伊佐夫の講演を聴いて宇宙に興味を持ったと語った。
はやぶさは燃料漏れで位置制御ができずついに通信途絶になった。
伊沢は文化庁に見つかる可能性は60-70%で計画が3年遅れると説明した。
管理室と臼田観測所で地道な「はやぶさ」探しが続いた。
江本は碁会所に伊佐夫を訪ねアドバイスを頼み、伊佐夫は多くの人の志気を高く保てるかがポイントと言った。
野村奈緒子は伊佐夫に講演の依頼をするが断られ自宅に押しかけ、自身が講演を聴いた思い出を話した。
岩松は多美の症状が悪く、JAXAを止めてアメリカにドナー探しに一家で行った。
2006年1月に臼田ではやぶさを見つけ、徐々に回復させた。
位置制御は太陽風を利用するアイデアで対応し、イオンエンジンの寿命にはクロス稼働で乗り切った。
2010年6月13日に「はやぶさ」は、手術に成功して帰国した岩松家や多くの人の前で、カプセルを地球に帰還させる事に成功した。
健人は父に、言いたかった事を電話してようやく打ち解けた。
監督:本木克英
脚本:金子ありさ 出演者:藤原竜也・杏・三浦友和・前田旺志郎・森口瑤子・竹山隆範・豊原功補・宮崎美子・大杉漣・中村梅雀
制作年:2012年感想: 事実を元にしており、ドキュメンタリーの部分と人間ドラマの部分のバランスが必要なテーマだ。
大橋家・岩松家と、健人・奈緒子の関わりがプロジェクトに繋がりを持たせている。
(2012/12/11)
- 天国のスープ
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高津特許事務所で働くOLの杉村結子(国仲涼子)は、病身の母・郁恵(十朱幸代)を介護しながら食べさせたくて「幻のスープ」をレストランを訪ね歩くが1年前に交通事故死した幼少時から言葉が不自由な姉・麻実(井川遥)が残した1枚の絵のみ出がかりだった。
料理人の岡本亮介(時任三郎)は子供・直紀の死・妻:美樹(床嶋佳子)との離婚・妻の幼稚園への訴訟・自らのレストランの失敗等で悩み、元山修蔵(伊東四朗)のレストラン「ナルミット」で雇われていたが修蔵の入院で元山九里子(丘みつ子)と「ナルミット」を続けた。
ある日、結子が「ナルミット」を訪ねるが期間限定品を探しておりリクエストし、以降度々「ナルミット」を訪れ、スープおたくでそれだけ注文し、九里子に死んだ姉が行きたがっていたレストランとスープを探していると打ち明け、亮介はキャロットスープを作ったが結子はおいしいが姉の言っていた豆乳の味とは違うと言った。
結子は姉の元恋人から「モノクール」の名刺を貰うが倒産しており、同僚や結子を思う川久保聡史(田中圭)の誘いを断り探し続け、美樹の両親(神山繁)は息子の分骨を止め届けた亮介に今の恋人・井坂は不満と言い、九里子は修蔵が亮介に実力を理由に店を任せたいと伝えた。
亮介は前のレストランで閉店後来た女性に残り物でスープを作り、お礼にジャスミンのネイルケアをして貰った事を思いだし、店を訪ねレシピを思い出し、作ったスープに「オレンジ色のスーツのスープ」と名付け、近くにちらしを配った。
川久保から食事に誘われた結子は「ナルミット」の新しいスープを知り食べて探していた物と知り、亮介から姉との出会いを聞き豆腐が豆乳の味の理由と知り、薦めで作り方を教えて貰い始め、完成させた結子は母にスープを食べさせ家族の味がすると言われた。
亮介は、井坂と別れて訴訟も止めて「ナルミット」に来た美樹に子と妻に助けられてスープが作れたと言った。
脚本:東多江子
監督:篠崎誠
原作:松田美智子「天国のスープ」
出演者:国仲涼子・時任三郎・井川遥・十朱幸代・丘みつ子・伊東四朗・田中圭・神山繁・床嶋佳子
制作年:2008年感想: 姉の好きなスープを探す事で、姉の死を克服しようとする親子と、そのスープを作って同じく息子の死と妻との破局を克服したシェフの話。
その繋がりにたどり着く過程と、スープ作りの奥深さが描かれる。
(2012/12/17)
- GONIN2
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暴力団野崎組から借金取立てを受けた外山正道(緒形拳)は、中嶋組輪姦され自殺した妻・陽子(多岐川裕美)の復讐で組を襲撃、現金500万を奪い、陽子に498万円の猫目石をプレゼントしようと宝石店に向かった。
フィットネスクラブを経営する蘭(余貴美子)は金に困り、スタンガンを持ち宝石店へ来た。
蘭がスタンガンを買うのを目撃した早紀(夏川結衣)は、後をつけてきた。
夫の浮気を目撃した志保(西山由海)は、抜けない結婚指輪を外しに宝石店を訪れた。
宝石店店員・ちひろ(喜多嶋舞)は中嶋組の梶(松岡俊介)の恋人で、強盗団の手引きだった。
セーラー服姿の売春婦サユリ(大竹しのぶ)は17歳という嘘が通用しなく、絶望して宝石店に迷いこんだ。
その宝石店には梶と直子(片岡礼子)ら強盗団が押しこみ、5人の女たちと居合わせた。
蘭はスタンガンで強盗団から銃と宝石を奪い、早紀とサユリと志保も加わった。
蘭たちはちひろを楯にして店を出ると、ついてくるちひろと横浜のディスコ跡に逃げ込むが、ちひろの連絡を受けた梶と直子が襲った。
梶は宝石を持ち逃げるサユリを殺し、ちひろを見捨てて直子と逃げようとした。
猫目石を探す正道が強盗団を追って現れ、梶たちに斬りかかり、宝石を手にして姿を消した。
女たちは蘭のクラブに隠れ、翌朝に志保だけが家に戻った。
ちひろもこっそりディスコへ戻るが、野崎組の刺客・代市(鶴見辰吾)に監禁された。
蘭と早紀も捕らえられ連れ込まれるが、正道が再び現れ組員たちを殺し、代市にも斬りかかり、他の追っ手に蜂の巣にされた。
<以下、隠し字>
蘭たちはヤクザに最後の戦いを挑んだ。
半年後、蘭・早紀・ちひろの3人は野崎組を襲い、組長の野崎(左とん平)を撃ち殺した。
監督:石井隆
脚本:石井隆
出演:緒形拳・多岐川裕美・大竹しのぶ・余貴美子・喜多嶋舞・夏川結衣・西山由海・松岡俊介・片岡礼子・永島敏行
制作年:1996年感想: 筋の必然性のないバイオレンスドラマだ。
逆に展開は読めないし、複数いる女性の役が区別しにくくなる。
正道が狂言回し役で、展開を変える時に現れる。
(2012/12/23)
- 雪の断章・情熱
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広瀬雄一(榎木孝明)は、7歳の少女・夏樹伊織(中里真美)と出会い自分のアパートへ連れ帰った。
孤児の伊織は、那波家にひきとられ酷く使われて人間不信に陥っていた。
雄一は那波家を訪ね引き取った、東京に家のある雄一は仕事で札幌に赴任中で彼の面倒は家政婦のカネ(河内桃子)が見ていた。
カネは反対したが、親友・津島大介(世良公則)の励ましで雄一は伊織を育てる決心をした。
十年の歳月がたち、伊織(斉藤由貴)は17歳になり、雄一は伊織に北大を受けさせようとしていたが、同じ高校に北大を受けようとする那波家の次女・智子(藤本恭子)もいた。
伊織と雄一のアパートに、那波家の長女・裕子(岡本舞)が引っ越して来た。
裕子の歓迎会が開かれ、見事な舞踊をみせた彼女は一度自室へ引きあげた。
伊織がコーヒーを運び、その後再び裕子の部屋へ探しに行くと裕子は死んでいた。
青酸死が判り、伊織は重要容疑者として刑事・吉岡(レオナルド熊)につきまとわれた。
自室を警察に荒らされ、カネから「雄一は伊織が女として成長するのを待っている」と言われ、伊織はショックを受け、雄一に「偽善者」と言ってしまった。
雄一のフィアンセだという細野恵子(矢代朝子)がアパートを訪れ「伊織が結婚の障害になっている」と告げた。
大介の誕生日に、大介の部屋に内緒で花束を持ち込んだ伊織はある物を見て、殺人事件の事を思い出した。
伊織は家出し吉岡に補導され、真犯人を知っていると言ったがそれ以上は何も答えなかった。
雄一は、北大だけは受験しろと言った。
大介が雄一の出張中に伊織を函館へ誘い、「函館は故郷で、自分もみなし児であった」と告白した。
伊織は北大に合格し、博多転勤となった大介は伊織について来てくれと言い伊織は頷いた。
大介が九州へ発つ前日、吉岡が来て一生容疑者として生きる伊織に、真犯人を言うよう忠告した。
<以下、隠し字>
翌日、大介が服毒自殺をし、遺書で大介は彼の両親が裕子の父親が原因で自殺を計り、そのため犯行したと告白していた。
雄一を頼って生きろと伊織に言い残していた。
伊織は雄一のもとから出る決心をするが、引き止められ雄一と伊織は互いに本当の気持を確認しあった。
監督:相米慎二
脚本:田中陽造
原作:佐々木丸美
出演:斉藤由貴・榎木孝明・世良公則・河内桃子・レオナルド熊
制作年:1985年感想: 原作は少女の幻想・妄想と成長を多く描くが、映画は1年間の出来事を描く。
伊織はそれほど妄想的でなく知的に描かれ、殺人事件とその結末が強調されている。
それ以外はストーリーで必要かどうかが半端になった。
17才の少女が17才時を演じるデビュー作として記念となる。
(2012/12/29)