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鑑賞日記(2012/11)

最後の忠臣蔵

吉良上野介邸討ち入りから16年、寺坂吉右衛門(佐藤浩市)は吉田忠左右衛門の遺族の茅野きわ(風吹ジュン)に会い討ち入りの様子を話し託された金を渡し漸く使命を終えた。
寺坂は16年前の討ち入りで伝令役で帰りに寄った浅野上屋敷で生き証人として遺族をまわる使命を受けた。
大石家の家臣で討ち入り前日に消えた瀬尾孫左衛門(役所広司)は可音(桜庭ななみ)の弾く琴が聞こえる家に帰り、ゆう(安田成美)と商いを話し、高価な花瓶を入手したが捌くのが難しそうだった。
ゆうの紹介で茶屋四郎次郎(ヨシ笈田)に会い、ゆうが茶屋が身請けした島原太夫の夕霧と知った。
進藤長保(伊武雅刀)に報告した寺坂は進藤・茶屋・息子の茶屋修一郎(山本耕史)と人形浄瑠璃を見ていたがそこで瀬尾と連れの姫を見、茶屋修一郎はその姫・可音にひと目ぼれした。
茶屋は瀬尾に息子が惚れた姫を探して欲しいと頼み、素養があれば息子の嫁に欲しいと言い、瀬尾はゆうに相談するが、逆に16年前からの秘密を明かして欲しいそして嫁ぐ年頃とも言われたが可音は瀬尾と暮らしたがっていた。
可音は修一郎に会い、名前を明かしたが家は言わず好きな人がいるとも言い、それを聞いた瀬尾はゆうに話すと、好きな人は瀬尾で女が男に恋するのは定めと言った。
可音は自分が嫁ぐと瀬尾はどうすると聞くが、嫁がせるのが自分の使命と答えた。
茶屋は進藤に可音の事を話すと進藤は字を聞き大石の隠し子ではと寺坂に言い、街で瀬尾を見かけた寺坂は後をつけ家を見つけた。
瀬尾と寺坂は斬り合いになるが、寺坂は隠れた瀬尾に自分への大石の命と見た生き残った人の苦労を語った。
<以下、隠し字>
寺坂と進藤は、瀬尾は16年前に大石の命で子供を助ける為に失踪したと知り、寺坂は可音に会い話し、可音は瀬尾に自分は自分のものでなく嫁ぐと言い、瀬尾は茶屋親子に全てを話し婚礼を決めた。
婚礼の日は浪士の17回忌であり、可音は瀬尾に自分で仕立てた着物を贈り輿で出かけたが、寺坂が多くの付き添いを連れて来て、行列が進むにつれて次々と大石を恩とする者が加わった。
瀬尾は婚礼から家に戻り、ゆうと過ごしそして・・・・・。


監督:杉田成道
脚本:田中陽造
原作:池宮彰一郎
出演者:役所広司・佐藤浩市・桜庭ななみ・安田成美・山本耕史・ヨシ笈田・伊武雅刀・風吹ジュン
制作年:2011年


感想: 寺坂の話は多く語られているが、瀬尾と可音の話が主題です。
武士としてしか生きられない瀬尾と、女性として生きたい可音の違いそして真実が判る事になる。
(2012/11/05)

苦い蜜 ~消えたレコード~

ビートルズ・バー「リボルバー」のオープニングパーティー中、ビートルズの稀少版オリジナルLPレコードが1枚紛失し、同じものを持っていた柚木(原西忠祐)が状況から犯人と疑われ、集めた鈴木社長(古今亭志ん弥)が寝込み、あとから発覚した金銭盗難も柚木が犯人とされた。
1年後、リボルバーではマスター・久保(中西良太)がミステリ新人賞の候補になり常連達、編集者・上田(池上季実子)とその部下・堺(住吉晃典)、元テレビ局プロデューサー・和田(田中健)、常連客・高木(高橋ひとみ)と沢田(森本タロー)と植木(葉月パル)が「リボルバー」の看板嬢・いずみ(原幹恵)と話していると奥の席に「目玉のオヤジ」と呼んでいた老人(犬塚弘)が集まっていた。
そこに鈴木の後を継いだ芸能プロダクション社長・佐藤(島田順司)が新人タレントマネージャー・滝川(渋谷琴乃)と新人タレント・加納(鎌苅健太)を連れて来た。
遅れてマスターの友人・前田(アーサー・ホーランド)が途中で会った探偵・三影(金子昇)と現れた。
三影は亡くなった柚木の無実を晴らす為に自分なりの結論は有るが1年前の事を聞きたいと言った。
柚木が盗む所は誰も見ておらず状況だけで犯人とされたと言うと、客たちの多くは無くなったレコードが500枚位しかない貴重品というが、提供した前田は絶対ないと言えないとも言い、三影は同じ日に無くなった3百万円は発見されておらずレコードが見つかっているのは不自然とも言った。
三影はレコードが何時盗まれたかも現金盗難時のアリバイも先入観で当時調べられていなかったと指摘し、次にレコードと同時に無くなった手紙が犯人の目的の可能性も指摘した。
和田は自分が受け取った手紙の内容を話し、三影は鈴木社長が病床でパラソルチョコレートと語った事を指摘し上田は久保の小説のプロローグに出てくると読み上げ、久保はその部分は自分宛の手紙の内容を使ったと打ち明けた。
三影は久保が最後に見たと言った事で盗難の犯人でないと言い、植木はレコード番号と手紙番号の食い違いを指摘した。
<以下、隠し字>
佐藤は丸く収まる事を不満で金の盗難は嘘で事業を継ぐ為に仕方なかったと言い、和田は関わらなかった自分にも責任があると言い、滝川は盗難と勘違いした事を告白した。
前田は自分が提供したレコードか調べる方法が有ると言い、それは違っていた。
そして、・・・・・。


監督:亀田幸則
脚本:亀田幸則
出演:金子昇・池上季実子・田中健・中西良太・高橋ひとみ・島田順司・犬塚弘・渋谷琴乃・原幹恵・鎌苅健太・森本タロー・葉月パル・アーサー/ホーランド・住吉晃典・古今亭志ん弥・原西忠佑・阪田瑞穂
制作年:2010年

感想: 殆どがバーの1室で繰り広げられる推理ドラマだが、そこに人間の個々の事情と感情と正義と悪意の有無が関係して、登場人部と共に視聴者も1員となり考える構成になっている。
会話と感情の密度が濃い。
(2012/11/11)

雷桜

村の山に天狗がいると噂されていたが、じい(時任三郎)と雷(蒼井優)が炭焼き小屋に住み、雷が村人を追い払い山が乱れるのを避けたいと思っていた。
徳川将軍・家斉の息子の一人斉道(岡田将生)は、母を亡くし心に病を抱え、家老・榎戸(柄本明)は新しく田舎出身の瀬田助次郎(小出恵介)をそば用人とした。
医師は静養のために江戸を離れる事を薦め、瀬田助次郎の故郷・瀬田村を斉道一行は訪れたが、逃げた鷹を追って山に入った斉道は天狗の身なりの雷に出会った。
島中藩と岩本藩が水で昔争った時に、理右衛門(時任三郎)は島中藩・瀬田村庄屋の赤ん坊を誘拐したが命に背いて育てたのが雷だったが、岩本藩から裏切り者として狙われていた。
斉道から女天狗の事を聞いた助次郎は妹・遊(蒼井優)と判り、母(宮崎美子)に知らせた。
助次郎と斉道は山に遊を探しに行き、正体を知られた理右衛門は雷を残し小屋を燃やして姿を消し、雷は理右衛門の言葉通りに母を訪ね迎えられたが、里の暮らしが合わずしばしば山に入って理右衛門が焼いた小屋を直しながら炭焼きを行った。
斉道は遊と山で会い、巨木・雷桜の前で親や母の事を話す内に次第に惹かれて行き、櫛を贈りふたたび会いに来ると言って村を去った。
斉道は将軍(坂東三津五郎)より紀州徳川家の世継ぎになれと言われ定めと知ったが、助次郎に頼み遊との約束を果たすために密かに瀬田村に向かい、それを知った榎戸たちも後を追った。
祭りの最中に遊と出会うが、理右衛門やそれを追う討手達も集まっていた、斉道は遊に別れと定めを話し、最後の別れに来たと言いその夜に2人は結ばれた。
翌日に2人を討手達が襲い助けに入った理右衛門は殺されたが榎戸達に救われたが、斉道は遊を忘れられなかったが榎戸が切腹し、遊に別れを告げ櫛を返されたが、定めと知り紀州に向かった。
遊は母に家で暮らせないと言い、母はどこにいても親子は同じと止めず、行列に遊が来ても斉道は会わず別れて去った。
<以下、隠し字>

18年後紀州で斉道は病で死に、助次郎は櫛を持って瀬田山の炭焼きの遊に会いに行くが、麓で青年に会い、「それは自分の母」と聞いた。


監督:廣木隆一
脚本:田中幸子・加藤正人
原作:宇江佐真理
出演:岡田将生・蒼井優・小出恵介・柄本明・時任三郎・宮崎美子
制作年:2010年

感想: 時代劇に題材を取っているが、親子と男女の愛が主題だ。
チャンバラ時代劇と捕物帖が多く作られた時代と、作り方が異なるので昔のパターンの時代劇を期待した人には納得しなくいだろう。
今後は殺陣やスペクタルではないものも増えてゆくだろう。
そもそも背景の時代に生きた人はいないのだから、どれも制作者の解釈の範囲だ。
(2012/11/17)

五瓣の椿

常盤津三味線の岸沢蝶太夫(田村高廣)は、素人娘・おりう(岩下志麻)に血道をあげていたが身元も言わず異様であった。
歌舞伎をおりうは見にゆき、その後で蝶太夫は料亭でおりうを抱くが、おりうは「むさし屋」内儀・おそのと蝶太夫との間の金銭と繋がりを確認すると、銀かんざしで刺して枕許に椿を置いて去った。
薬師・海野得石(伊藤雄之助)は違法な薬を使用して不当な薬礼を得ており、また金貸しとしても悪行で儲けていた。
得石が、おみの(岩下志麻)に惹かれていたが得石は昔「むさし屋」のおそのにも違法な薬を使用して関係し、おそのから多額の資金を出させて開業した、そのことをおみのに話しおそのは焼け死んだと言ったがおみのに銀かんざしで刺し殺され椿が残されていた。
1年前に、結核の「むさし屋」喜兵衛(加藤嘉)を娘・おしの(岩下志麻)が看病していたが、妻・おその(左幸子)は会おうとせずに遊び回っていた。
喜兵衛は娘・おしのに個人で溜めた870両で家を出て自分の店を持つのが夢だったが果たせなかったと言った。
中村座の佐吉(西村晃)から、おそのは本所亀戸天神の寮で若い役者といると聞いたおしのに、喜兵衛は自分を亀戸天神の別宅に連れて行くように言い「おそのに一言言いたい事がある」というが、途中で死去した。
おしのはそのまま運び、おそのは「喜兵衛はつまらなく、おしのは喜兵衛の子供でない」と言い若い役者と遊び続け、おしのは油をまいて放火して家族3人の焼き焦がれた死体が発見されたと思われた。
蝶太夫・得石殺しの犯人を、町役人は17-18歳の女と思っており、八丁堀与力・青木千之助(加藤剛)は、元蝶太夫の女中のしらせでお倫(岩下志麻)に会ったが、お倫は人殺しに見えず、婚約者の香屋清一(小沢昭一)が婚約者と名のった。
青木は、「むさし屋」の墓を調べ直し死者が男2人と知ったが、お倫は姿を消し清一は殺害されており、銀かんざしと椿と共に「法で罰せられない罪がある」と書き置きがあった。
本当の父は、袋問屋丸梅源次郎(岡田英次)と聞いたおしのは佐吉の手引きで丸梅に近づいていたが、今も丸梅は女に子供を作らせては捨てていた。
おつる(市原悦子)という女が2人の子供を連れて駄目と承知で丸梅を訪ねてきたが、無視をしったおしのは自分を親子に重ねて金を渡した。
おしのは、青木に「あと二人を殺したら自首して出るが御定法で罰することの出来ない罪がある」という手紙を送った。
母の姦通の手引きをし今も手伝っていた佐吉は、自身が狙われている事を知っており屋形船でおしのに迫るが、逆におしのに殺された。
<以下、隠し字>

丸梅源次郎をおしのは誘い抱かせて、その後で母殺しを含む今迄の罪状を話し源次郎に実の娘を犯そうとする男を非難した。
おしのは自首し、丸梅源次郎はおしのに会った後は店をしめ、魂のぬけた毎日を送っていた。
おしのは、女囚達の子供の産着を縫いながら晴ればれとした顔で刑を待った。
丸梅源次郎の女房が首吊り自殺し、これを聞いたおしのは罪なき人を死に追いつめた事に気づいた、そして裁縫鋏で自害した。


監督:野村芳太郎
脚色:井手雅人
原作:山本周五郎
出演:岩下志麻・加藤嘉・左幸子・田村高廣・伊藤雄之助・加藤剛・小沢昭一・岡田英次・西村晃
制作年:1964年

感想: 短い長編の原作ですが、育ての父と過ごした動機の部分と自首してからの部分をふくらませて、動機・罪・罰と主人公の性格をより強調させた。
結果として、謎めいた原作より、テーマ性が強くなった。
主人公の年齢設定が微妙だが、忘れてしまう展開といえます。
(2012/11/23)

はやぶさ 遥かなる帰還

2003年5月9日に、小惑星探査機「はやぶさ」搭載ロケットが内之浦観測所からプロジェクトマネージャー・山口駿一郎教授(渡辺謙)や宇宙担当新聞記者・井上(夏川結衣)や町工場主・東出(山崎努)達の見守るなかで飛び立った。
NASAから視察に来てたクラーク博士は施設を「ボロをまとったマリリン・モンロー」と言ったが、「はやぶさ」の目的は小惑星「イトカワ」(後に命名)から石や砂を持ち帰る「サンプル・リターン」であり世界で例のない挑戦であった。
管理室ではイオンエンジンの4機中1機のトラブルに担当・藤中(江口洋介)とメーカー担当・森内(吉岡秀隆)が取組んでいた。
井上は、広報担当・丸川(藤竜也)に設備や担当者を紹介して貰いインタビューしていたが、火星探査機「のぞみ」の破棄を大下(石橋蓮司)から聞きその軌道計算担当でもある山口は1%の可能性を無くせず悩み、「のぞみ」は運用中止となったが丸川は宇宙開発に失敗はなく次へのスタートと言い、山口は父が危篤で弘前へ急遽帰省した。
「はやぶさ」は「地球スウィングバイ」に成功し「イトカワ」に向かっていた。
真理はカプセル担当・鎌田(小澤征悦)やプロジェクトチームの取材を続けながら、疎遠な町工場主の父・東出(山崎努)と会い妻を亡くし仕事も減り資金繰りに悩む父を気遣うがまだ距離があったが、仕事が忙しく息子・預かって貰った。
「はやぶさ」は、2005年11月に「イトカワ」に到着したが姿勢制御器の不良を化学エンジンで対応し、サンプル採取の為に着陸するがトラブルで緊急離脱した。
意見の別れる中で山口はリトライを決めたが、離脱後に化学エンジンの燃料が漏れ再度姿勢制御も不能になり、藤中と森内はイオンエンジンの燃料噴射で姿勢制御に成功するが地球への期間が3年延びしかもサンプル採取の確認ができなかった。
井上は父の工場で「はやぶさ」の部品の試作品をみつけ、父や息子の夢に参加する気持を知った。
そして通信途絶が発生して、長い「はやぶさ」探しが始まり46日後に漸く見つかり徐々に復帰させた。
しかし、イオンエンジンのトラブルなどが重なり2009年11月に地球帰還に必要なエンジンが停止した、藤中は4機の異なる組み合わせでの運用を提案し、森内は地上実験も行っていないリスクは「はやぶさ」の破壊の可能性もあると反対した、山口は「はやぶさ」を地球に戻すためにリスクを負う決断を行い、悩む森内を松本(中村ゆり)が激励し、皆でイオンエンジンの回復に成功した。
井上は担当が変わるが、「はやぶさ」帰還の前に父の工場を訪れて技術を伝えてゆくのが楽しいと聞いて、次第に距離が近くなった。
2010月6月13日に、「はやぶさ」は地球の写真を撮りカプセルを分離して燃えつきた、鎌田はカプセルを収納した、そして・・・。


監督:瀧本智行
脚本:西岡琢也
原作:山根一眞
出演者:渡辺謙・江口洋介・夏川結衣・山崎努・小澤征悦・吉岡秀隆・藤竜也・中村ゆり・近藤芳正・モロ師岡
制作年:2012年

感想: 長大なドキュメンタリーを如何に一般向けに映像化して、そこに個人の関わりを描くかという課題を持つ、映画です。
一つはリーダー山口の孤独な決断とチームのまとめ、そして大学と企業という立場の異なる藤中・森内というイオンエンジンに取り憑かれた技術者の葛藤です。
そして、新聞記者としてチームメンバーと接する井上と、試作品工場として接した父との離れた理解が近づく様子です。
(2012/11/29)

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