鑑賞日記(2012/10)
- 憑神
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幕末の江戸、下級武士だが家柄は良い別所彦四郎(妻夫木聡)は、婿養子先・井上家から離縁されて、母・イト(夏木マリ)と兄・左兵衛(佐々木蔵之介)と兄嫁・千代(鈴木砂羽)と住んでいた。
学問所同期の榎本武揚(本田大輔)の出世について蕎麦屋・甚平(香川照之)から秘訣は向島の「三囲稲荷」と聞き、帰り道に酔ってさびれた稲荷の祠の名が「三巡稲荷」だったので分社と思い、神頼みをしたがその稲荷は災いをもたらす神たちの所だった。
貧乏神の伊勢屋(西田敏行)が現れて別所家に借金の取り立てを行うが、下男・小文吾(佐藤隆太)の呪文を嫌い「やどがえ」を行った。
その相手は井上家で元妻・井上八重(笛木優子)まで巻き込んでしまった。
次に相撲取りの疫病神(赤井英和)が現れて、将軍の影武者が仕事の別所家の跡取りを兄から代わったばかりの彦四郎は病に苦しんだ。
勝海舟(江口洋介)が榎本と訪れて将来の手助けを頼まれ、疫病神はそれを見て「やどがえ」をした、その先は兄で病になった。
彦四郎は兄から家に伝わる刀を受け取るが偽だった。
死神の女の子・おつや(森迫永依)が現れて、彦四郎は毒を間違えて飲んだり、断絶になった井上家の息子に殺されそうになった。
おつやは「死神は準備だけで自ら手出ししない」といい、彦四郎は武士の本懐まで待って欲しいと頼んだ。
彦四郎は将軍の身代わりで死にたいが大阪から将軍・慶喜は家来を残して逃げ帰り、待って出会った。
<以下、隠し字>
彦四郎は「人は神と違い死ぬ事が出来る」と言い、死神は将軍・慶喜に「やどかえ」したというが元に戻る2度目は出来ないとも言った。
上野・寛永寺に立てこもった旗本と共に影武者として死ぬ覚悟の彦四郎に、死神・おつやは心中を望み彦四郎の体内に入った。
彦四郎は、寛永寺で死ぬが・・・。
監督:降旗康男
脚本:降旗康男・小久保利己・土屋保文
原作:浅田次郎
出演:妻夫木聡・佐々木蔵之介・夏木マリ・鈴木砂羽・香川照之・佐藤隆太・西田敏行・赤井英和・森迫永依・笛木優子・江口洋介
制作年:2007年
感想: まじめな彦四郎と、個性的な貧乏神・疫病神・死神の絡みが面白い。
取り憑く相手を1度だけ変える「やどがえ」を、どの神も行う事になるがその相手を勝手に決めて行うので、意外な展開になる。
最初は災難と思うが、次第に人が生きる意味を知る事になる。
(2012/10/06)
- はやぶさ/HAYABUSA
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的場泰弘(西田敏行)の講演を聞いていた水沢恵(竹内結子)は宇宙科学者を目指していた兄が亡くなり自身が同じ道を目指しアルバイトしながら博士論文を書いていた。
講演は、小惑星へ探査機を飛ばして多数のミッションを狙う史上始めてだらけの事であり、恵は的場から計画書をもらった。
2002年夏に恵は的場から呼ばれボランティア的に広報とカメラ担当を手伝い、的場は「宇宙開発は失敗の歴史」と言い、恵は一般向けの相談員を行うが素人向けの説明の難しさに悩んだ。
カメラ担当は坂上(高嶋政宏)で1台で複数の機能を持つ事に挑戦し、喜多(鶴見辰吾)はイオンエンジン責任者で、川渕(佐野史郎)はプロジェクト全体のリーダーだった。
恵は的場に資料室を教えてもらい宇宙開発の歴史を学び、坂上は17年間変更ばかりで「軽さ+コスト+省電力」の戦いだったと言った。
2002年12月予定が翌年5月に変更になって、的場たちは漁業関係者との調整に明け暮れた。
2003年5月9日内之浦から打上で「はやぶさ」と命名され、相模原研究所と臼田観測所に移り目標の小惑星は「イトカワ」の名称が認められた。
恵は広報の為に絵日記を書き始め、論文の作成も行っていた。
「はやぶさ」は「イトカワ」に接近したが予想外の形状と表面で、恵は小惑星の破片と思った、着陸場所が岩で少なく2回のシュミレーション後に着陸目指しマーカーの落下は成功したが原因不明事態に飛び立った。
機体は傷ついていたが川渕は再着陸を決断し着陸したが、再浮上後はトラブルで不安定になりイオンエンジンで臨時に姿勢制御したが、サンプルの採取は未確認でその後に通信が途絶えてしまった。
的場は理論的な再通信確率を計算して通信再開を目指し、ついに再開した。
坂上が契約期間が終わり、萩原教授(高橋長英)が定年になり、死去等で帰還前に幾人かが去って、的場は最後まで見届けるのは少ないと言った。
飛行する「はやぶさ」のイオンエンジンがとまったが喜多が設置していたバイアス回路で無事なエンジン部分の組み合わせで再稼働させた。
2010年6月「はやぶさ」は地球に戻り、恵はカプセル回収班に入り、カプセルを分離した「はやぶさ」は最後に地球の写真を撮り大気圏で燃えつき、恵たちはオーストラリアで燃えつきる「はやぶさ」を見て、カプセルを回収した。
数ヶ月後、理学博士となった恵は、プロジェクトの講演会でカプセルから「イトカワ」の資料が見つかった事等を話した・・・。
監督:堤幸彦
脚本:白崎博史・井上潔
参考:「はやぶさ君の冒険日誌」小野瀬直美
出演:竹内結子・西田敏行・高嶋政宏・佐野史郎・山本耕史・鶴見辰吾
制作年:2011年感想: 現実のドキュメントに個人のフィクションを重ねた。
膨大なミッションと関係者とトラブルの全ては描けないので、選択のドラマとなる。
発射から帰還まで参加したヒロインの目と、彼女が描く「はやぶさ」自身の日誌を中心に見たドキュメントドラマだ。
(2012/10/12)
- ひみつの花園
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幼い頃からお金を数えるのが大好きの鈴木咲子(西田尚美)は、恋人も出来ず短大卒業後に銀行に就職したが他人のお金では楽しくなかった。
ある日銀行強盗の人質になるが、彼女と5億円の入ったスーツケースをトランクに乗せた犯人の車が青木ヶ原の樹海で爆発し、咲子はスーツケースと吹き飛ばされて、スーツケースはどこかの川に水没した。
奇跡的に助かった咲子は、毎日のんびりしていたが記憶を頼りに水没した5億円の入ったスーツケースを思い出し、父・幹男(鶴田忍)と母・富子(角替和枝)と妹・美香(田中規子)と樹海に行くが奥には入れなかった。
テレビで樹海調査をする多摩川大学地質研のニュースを見て生きる目標を見つけ、家族の反対を無視して銀行を退社し預金を全て降ろして、森田教授(内藤武敏)や江戸川助手(利重剛)の指導を受けるため猛勉強で多摩川大学に入学した。
伊丹弥生(加藤貴子)は何かと咲子とはりあうが気にもとめず、ぼろい下宿を借り授業を熱心に受け、コンパス等の高価な機器を購入し、ロッククライミングやスキューバダイビングや水泳や自動車運転を学び、大学の特待生になるが資金が無くなった。
資金集めの為に大学を止め風俗でアルバイトし、賞金の出る水泳大会やロッククライミング大会に出てオーストラリア大会にも参加した。
集めた資金で装置や4WD自動車を買うが重みで下宿が壊れ、大怪我で入院した。
江戸川は咲子の作った樹海地図を見つけ、咲子は病院を抜け出し実家に泥棒に入り、江戸川を樹海に追ったが二人とも装置不良で迷うが偶然に5億円を見つけた。
そして、・・・・・。
地質学研究室で江戸川に5億円の事を聞かれた咲子は、また隠して次の宝探しの目標を目指した。
監督:矢口史靖
脚本:矢口史靖・鈴木卓爾
出演:西田尚美・利重剛・加藤貴子・田中規子・鶴田忍
制作年:1997年感想: 夢見るヒロインのお金への執着と宝探し談です。
目標の為には何でも習い、しかも非常に上達するというスーパーウーマンです。
ユーモアというか、宝探しを喜劇的に描きます。
(2012/10/18)
- スマグラー おまえの未来を運べ
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1999年、役者志望のフリーター・砧涼介(妻夫木聡)はパチスロの儲け話に乗り失敗して多額の借金をして、その返済のために裏社会の金融業実は便利屋・山岡有紀(松雪泰子)の紹介で秘密の運送屋=スマグラーの仕事に入った。
運送を丈(永瀬正敏)とジジイ(我修院達也)と初仕事の砧で行ったが砧は右耳が聞こえなかった、依頼荷物は2人組に狙われた田沼組組長・田沼春治(島田洋八)の死体であり危険な荷物の運搬と処理がスマグラーの仕事だった。
途中のコンビニで宅配便を送る2人組と丈がもめそうになり、不法投棄の監視警察官に見つかりそうになるが、砧の演技でのがれた。
宅配便で組長の首を送られた田沼組の幹部、西尾(小日向文世)、河島(高嶋政宏)は犯人を捜し始め、山岡にたどりつき、3日以内に殺人犯を捜す事を要求した。
チャイニーズマフィア最強で伝説の殺し屋二人組の背骨(安藤政信)と内臓(鄭龍進)は張(阿部力)の裏切りで山岡によって内蔵は殺され背骨は拘束され、丈たち3人に田沼組への輸送の依頼が来た。
丈たち3人は輸送を始めるが組長の若妻・田沼ちはる(満島ひかり)は監視と言って一緒に車に乗った。
トラックに荷台で背骨の監視を命じられた砧は人のよさで背骨を逃がしてしまい、時間稼ぎの為に覚悟を決めて背骨の身代わりになり、丈達は山岡の助けで背骨を追った。
田沼組に送られた砧は背骨として河島の拷問で左耳も聞こえなくなり、何も判らないままに過酷に責めら、夢を見なければ良かったと思った。
<以下、隠し字>
背骨の居所を知った山岡から連絡を受けた丈は、張とチャイニーズマフィアを皆殺しにした背骨と対決し、ちはるの手助けで殺したが、ちはるは自分が組長殺しの裏におり口封じの為に背骨を殺したと言った。
瀕死の砧は賭けの演技で河島から逃げだし、丈に助けられ逃げた。
そして、・・・・・。
監督:石井克人
脚本:石井克人・山口雅俊・山本健介
原作:真鍋昌平
出演:妻夫木聡・永瀬正敏・松雪泰子・満島ひかり・高嶋政宏・小日向文世・安藤政信・阿部力・我修院達也・鄭龍進
制作年:2011年感想: 裏社会の闇の仕事に紛れこんだ主人公は、依然として迷い続けるが死と接する事で気持が変わる。
闇の世界の登場人物は、全員が裏があり展開が読めなくなっている。
(2012/10/24)
- 少女たちの羅針盤
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広島県福山市の廃墟に地元出身の女優・舞利亜が来てネットシネマの撮影がはじまるが、監督(前田健)は台本内容が変わり順次少しづつ渡すと言い、監督は土地の人間で伝説の劇団「羅針盤」を知っておりメンバーの一人が死に、今回舞利亜はヒロインで犯人役と言い、実は舞利亜はその一人を殺したのは自分だった。
4年前、楠田瑠美(成海璃子)は演劇部で先輩ともめたが実際は顧問・渡見恵子(戸田菜穂)と仲が悪く、同じ部の北畠梨里子(森田彩華)といつもガムを噛んでいる来栖かなめ(草刈麻有)と劇団を作ると言い、他校の江嶋蘭(忽那汐里)を誘い家庭が貧しくアルバイトをしている蘭も結局参加した。
かなめの姉・広瀬なつめ(黒川智花)は地方のアイドルで5人で映画に行き、4人は名前に「東西南北」が含まれるので「羅針盤」という劇団名にした。
舞利亜は共演の倭(塩谷瞬)から羅針盤のネックレスを渡され、廃墟に告発の落書きを見つけた。
かなめは「羅針盤」のウエブサイトを作り自分のブログも載せ、瑠美はストリート芝居を提案したが人が集まらず、4人はストリートでも舞台空間を作る工夫を話し合い、蘭は元社宅の廃墟へ案内して稽古場にし、次のストリート芝居は成功するが色々のいやがらせが行われた。
舞利亜は小道具に犯人役の証拠を入れてあると聞くが見せてもらえなかった。
瑠美は市民会館での演劇イベントへの参加を提案し、台本選びするが梨里子はストリート芝居より前進を提案して自ら書いた台本を示し採用が決まった。
蘭は母(清水美沙)から余裕がないとイベント後の演劇を止められ、梨里子は迷いからリストカットしていた。
演劇イベントで「羅針盤」は最高の内容と観衆から認められるが事前に思惑のあった審査員から受賞をはずされ瑠美は怒るが、賞は関係ないと思った。
舞利亜は脅迫状を受け取った。
「羅針盤」は個人ファンが付くが、警察からストリート芝居を禁止された。
蘭は母と、父・御蔵総一郎(石黒賢)に会う、本妻の子供を亡くし2人を迎えたく全寮制の学校への転校やストリート芝居を禁止を言われ、蘭は東京でオーディションを受けようとし、同行したかなめの方が受かったが、かなめは襲われ隠すが噂になり、その後自殺と新聞に載った。
<以下、隠し字>
舞利亜は廃墟に一人残り襲われ、現れた元「羅針盤」の3人がかなめの自殺の日のアリバイ偽造や残した日記や証拠を見せた。
ネットシネマの撮影自体が蘭の父の御蔵グループの企画だった。
そして、・・・・。
監督:長崎俊一
脚本:矢沢由美・谷口純一郎
原作:水生大海
出演者:成海璃子・忽那汐里・森田彩華・草刈麻有・黒川智花・戸田菜穂・清水美沙・石黒賢
制作年:2011年感想: 現在と、4年前が併行して描かれる。
4年前の死が殺人としる舞利亜への脅迫の真相は?。
「羅針盤」の劇中劇が、なかなかの出来と思う。
細部の伏線もかなりある。
(2012/10/30)