鑑賞日記(2012/09)
- 十三人の刺客
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明石藩江戸家老・間宮(内野聖陽)が、藩主・松平斉韶(稲垣吾郎)の暴君を訴えて切腹自害した。
将軍・家慶の弟の斉韶は、明年に老中就任が決まっており将軍は穏便な指示だったが、幕府や国の問題と判断した老中・土井(平幹二朗)は斉韶暗殺を御目付役・島田新左衛門(役所広司)に命じた。
明石藩主は尾張藩・牧野家にも虐殺でもめており、間宮の家族も虐殺した。
明石藩主の腹心で新左衛門と剣の同門の・鬼頭半兵衛(市村正親)は、老中が何もしないのはおかしいと考え、新左衛門と牧野家が絡んでいる事を突き止めた。
新左衛門は浪人・平山(伊原剛志)や甥・新六郎(山田孝之)を集め、大目付・倉永(松方弘樹)は配下5名と加わり、平山は門下生と浪人を加えて12名となった。
新左衛門は、斉韶暗殺は江戸から明石への参勤交代道中と判断、尾張藩内拒否時の通過場所を落合宿と予測し襲撃場所と決め、それに賭けた。
新左衛門は尾張藩木曽上松御陣屋詰・牧野靭負(松本幸四郎)に協力を求め、落合宿全体を買い取り要塞化を計った。
落合宿名主(岸部一徳)は金で協力し、山の民・木賀小弥太(伊勢谷友介)が加わえた13名で準備した。
明石藩70名は姿を消して来なかったが、新左衛門はひたすら待った。
<以下、隠し字>
3日後に明石藩行列が兵を蓄え200騎以上の多勢で来た、刺客達は退路の橋を爆破して戦いが始まった。
13人対300人超の決戦が始まり、計略で130名に減り壮絶な斬り合いとなった。
監督:三池崇史
脚本:天願大介
原作:池宮彰一郎
出演:役所広司・市村正親・山田孝之・伊原剛志・松方弘樹・伊勢谷友介・沢村一樹・古田新太・高岡蒼佑・六角精児・波岡一喜・石垣佑磨・近藤公園・窪田正孝・稲垣吾郎・平幹二朗・松本幸四郎・内野聖陽・岸部一徳・吹石一恵
制作年:2010年
感想: 少数対多数の斬り合いはいくつかの作品化されているが、その過程と必然性と参加者の個性の描き方で変わります。
徹底した巨悪と、配下の宿命と江戸時代で減った剣豪の思いを前半で描く。
後は、ひたすら活劇が長い時間で描く。
どの様にも出来るが、逆に難しい場面でしょう。
(2012/09/06)
- 洋菓子店コアンドル
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東京で評判の洋菓子店「パティスリー・コアンドル」で働いているのは、オーナーでシェフパティシエ・依子(戸田恵子)と夫・ジュリアン(ネイサン・バーグ)、そしてマリコ(江口のりこ)であり、時折訪れる十村遼太郎(江口洋介)は製菓学校の講師でスイーツ評論家だった。
鹿児島から方言で話す娘・臼場なつめ(蒼井優)が、パティシエ修行中の筈という恋人・海(尾上寛之)を探して店を訪ねてきたが、海はコアンドルを辞めていた。
なつめは困り、依子に店で働かせて欲しいと頼み、ケーキ屋の娘なので得意のケーキを作るが依子や十村に厳しく評価され、依子が作ったケーキは驚く程に美味しかった。
なつめは見習いで雇ってもらい、店の事務所に泊り込みで働き始めたが店は忙しく、皆職人で厳しかった。
芳川(加賀まりこ)が訪れ、シェフは大事な客と言った。
なつめは、始めて給料を貰い驚き、試作に勝手に材料を使用していて怒られた。
なつめは依子とジュリアンと十村の写真を見つけ、十村が「伝説」と呼ばれた天才パティシエだったと知ったが依子は、彼がパティシエを辞めた理由は答えなかった。
マリコと口論中に、なつめは海の現在勤める店を知ったが、会えた海は手紙で別れたと言い東京で修行を続けるとして、彼女もいた。
なつめは、仕事に打ち込み新作ケーキを作るが、芳川や十村はまだまだと言った。
十村はかって、急な仕事で娘の迎えに遅れて交通事故で娘を亡くしていた。
晩餐会の契約を取った依子が帰り道で階段から落ちて大ケガをして、入院中は店を閉める事になり晩餐会も無理になった。
マリコは引き抜きの話があった。
ジュリアンから頼まれて、訪れた芳川忠雄(鈴木瑞穂)から病気の芳川夫人がなつめのケーキを食べたがっていると聞いた。
<以下、隠し字>
なつめは、晩餐会を行う為に十村にシェフになる事を頼み込む。
マリコも加わり3人で準備を始めて、依子とジュリアンも加わり最終チェックをして、晩餐会の最後のデザートをおこなった。
そして、・・・・・・。
監督:深川栄洋
脚本:深川栄洋・前田浩子・いながききよたか
出演者:江口洋介・蒼井優・戸田恵子・ネイサン/バーグ・江口のりこ・尾上寛之・加賀まりこ・鈴木瑞穂
制作年:2011年感想: いつまでたっても方言がぬけないヒロインと、パティシエの技術の向上のギャップが奇妙だ。
かわいげのなさがかえって、周囲の関心を集めるようだ。
それにより、周囲の生き方にも影響を与えている事に本人は気づいていない様だ。
職人が集まる魅力的な店・コアンドルは、多くの人の理想かも知れない。
(2012/09/12)
- あかね空
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永代橋で、豆腐屋・相州屋清兵衛(石橋蓮司)と、おしの(岩下志麻)の子供が行方不明になった。
20年後、江戸深川の長屋に京からきた豆腐屋志望の永吉(内野聖陽)が現れ、桶屋・源治(泉谷しげる)とおみつ(角替和枝)の娘おふみ(中谷美紀)と親しくなった。
豆腐屋「京や」を始めたが、腰のある豆腐に慣れた江戸の人には、京の柔らかな豆腐は馴染まなかった。
落ち込む永吉を励ますおふみだったが、江戸深川豆腐屋の嘉次郎(勝村政信)は長屋には向かないが、おいしくて料理屋には向くと言った。
噂を聞いた相州屋おしのは、「京や」の豆腐を買いに来て、清兵衛と共に生き別れになった息子と年恰好の似ている永吉に目をかけた。
永吉は、清兵衛に教えられて永代寺に毎日寄進し、ついには相州屋の進言で注文を受けた。
おふみは、永吉に嫁ぎ、相州屋は病で寝込んだ。
18年後、飢饉が江戸を襲い、人々は不安と品不足の中で暮らしていた。
相州屋があった場所に京やが店を借りており、永吉とおふみは三人の子供・栄太郎(武田航平)・悟郎(細田よしひこ)・おきみ(柳生みゆ)に恵まれていた。
長男の栄太郎は外回りで他の店から値上げを求められ困り、博打に身を持ち崩した。
その道に栄太郎を引き込んだ同業の平田屋(中村梅雀)は、豆腐屋に大事な京やの井戸を狙っていた。
借金を重ねた栄太郎を永吉は勘当したが、ある日永代寺にいくと相州屋から「土地の権利書を永吉に譲渡する」の言伝を聞かされた。
喜ぶ栄吉だが、帰りに早馬に蹴られて死亡した。
一方、平田屋は、やくざを使って失敗していたが深川を仕切る親分・傳蔵(内野聖陽・2役)を巻き込んで「京や」乗っ取りを狙った。
傳蔵は「京や」に豆腐を買いにゆき、おふみは丁寧に応じた。
平田屋は栄太郎の借金証文を隠しており、それで乗っ取る計画で傳蔵はその後の事を証文にする事を条件にした。
永吉の初七日に栄太郎が帰って来たが、平田屋と傳蔵もやってきた。
子供を抑えて、再度はじめからやり直す決心を言うおふみだったが、・・・・。
監督:浜本正機
脚本:浜本正機・篠田正浩
原作:山本一力
出演者:内野聖陽・中谷美紀・中村梅雀・勝村政信・武田航平・細田よしひこ・柳生みゆ・石橋蓮司・岩下志麻
制作年:2007年感想: 時代小説に伝奇小説・歴史小説・剣豪小説以外の人情物が増えて来ました。
登場人物は、職人・商人・料理人等が多い様です。
本作は、子供が行方不明になった夫婦を含めると、3代の豆腐屋の話になります。
豆腐屋は、商人であり職人であり料理人とも言えるでしょう。
(2012/09/18)
- DOG×POLICE 純白の絆
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警察官の早川勇作(市原隼人)はビル爆破現場に怪しい男を見つけ追うが逃がし、通りがかりの男からお産に間に合わないと言われ送り届けた。
しかしそこは斎藤(伊武雅刀)の犬舎で3匹は正常だが遅れた1匹の白犬は劣勢遺伝(アルビノ)だがぎりぎり助かった。
男は爆弾とは無関係の麻薬売人であり、手柄と思う早川は逆に単独行動を非難されて警視庁警備部警備二課装備第四係に移動になった。
新たな職場は、精鋭のハンドラーがいる警備犬の訓練所であり凶悪犯罪・テロ・大規模自然災害等の全てに出勤する部隊で、警備犬は使命を負っていた。
ただし警備犬が創設以来、災害救助のみで警備出勤はまだなかった。
所長の向井寛(時任三郎)とハンドラーの水野夏希(戸田恵梨香)・竹清悟(村上淳)・西村孝(竹山隆範)・永井孝介(阿部進之介)が毎日訓練と犬の健康状態を調べており、通称「いぬ屋」と呼ばれていた。
向井は早川を民間の犬舎へバディ犬を探しにつれて行き、早川は斎藤と会い劣勢遺伝(アルビノ)で生まれたシロと再会し、警備犬として弱いがバディにした。
水野の企画でSATとの合同訓練があり、早川は隊員から犬と人間の信頼関係の重要さを学び、シロの訓練をまじめに始めた。
そんな中で連続爆破事件が発生し、予告場所の爆弾探しに「いぬ屋」が参加し見つけたが、駐車上で水野のバディのブランドが火薬を見つけ爆発で怪我を負い早川は耳の悪そうな犯人を見かけたが逃した。
ブランドは引退を予想され、向井は10年前の犬が相手を間違った事故の事と、その時の所長の娘が女性警官だった水野だと言った。
早川は、シロの母の能力から火薬臭気訓練を希望しシロは高い能力を持っていた。
連続爆破犯人は警備会社の不備を認められなかった久坂(若葉竜也 )で耳が悪く、新たに爆弾を仕掛けた予告をした。
向井は独自に出動して捜査1課の大塚(松重豊)に再挑戦を頼み調べ始め、早川と水野とシロは容器に隠された爆弾を見つけ、早川は場外の処理容器に間一髪で放りこんだ。
<以下、隠し字>
シロは、やじ馬に反応し早川が出した大きな音に反応しない男を早川とシロが追い地下の隠れ家にたどり着いた。
そこで犯人ともに爆発と火災に巻き込まれ落下物で動けなくなったが、シロも逃げようとしなかった。
水野から貰った訓練用のボールをシロに渡すと、シロは水野に助けを求めに向かった。
そして、・・・・・・。
監督:七高剛
脚本:大石哲也
原案:小森陽一
出演者:市原隼人・戸田恵梨香・時任三郎・村上淳・竹山隆範・阿部進之介・松重豊
制作年:2011年感想: ハンドラーと警備犬との信頼関係を描く。 それはまさしくバディであり、警察内の装備では無く、警備犬の能力を示したいハンドラーの挑戦が続く。
警備出勤への参加がテーマであり、あくまでも人と犬の物語であり、事件解決の話が主体ではない。
(2012/09/24)
- フラガール
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昭和40年、福島県いわき市の炭鉱は不況で炭鉱会社は温泉資源でレジャー施設「ハワイアンセンター」を建設し、「求む、ハワイアンダンサー」に、ここから抜け出すチャンスと早苗(徳永えり)は紀美子(蒼井優)を誘ったが紀美子の母・千代(富司純子)も兄・洋二朗(豊川悦司)も、炭鉱で働いていて母は「ハワイアンセンター」には大反対だったが、紀美子と早苗はないしょでフラダンサーの説明会に行った。
説明会は他に、初子と小百合(山崎静代)だけだったが、ハワイアンセンターの吉本部長(岸部一徳)は、東京から平山まどか(松雪泰子)を招いた、本場でフラダンスを習いSKDのダンサーだったまどかは、素人娘に踊りを教える意欲はなく、紀美子が教えて貰わないと踊れないといったが短時間では無理と思っていた。
朝にまどかの練習を見た娘達は教えて欲しいと頼み、母に見つかり反発して家を出た紀美子は夜練習をするが、まどかは基本からと言った、炭鉱の不況は進みダンサーへの応募も増えて、ひたむきな娘たちにまどか自身も夢を持ち始め、男達にもハワイアンセンターで働く者が出て来た。
しかし、早苗は一家で北海道夕張へ移住するため別れ、練習に気が入らない紀美子はしかられた。
ハワイアンセンター宣伝キャラバンが始まったが、未熟なダンスに内部でけんかが起き、まどかは皆を叱った、宣伝キャラバン最中に小百合の父親が炭鉱の事故で亡くなったが、中止を言うまどかに小百合は続行を言い、戻った時に批判は強くまどかは自ら責任を取って止めると言った。
夕張の早苗から紀美子への小包を練習場へ持っていった母・千代は、もくもくと練習する紀美子をみて心を動かされ、ハワイアンセンターの工事が遅れて、寒さ対策にストーブを借りにきた職員に千代は率先して協力し、東京へ帰るまどかは、娘達に引き留められた。
そして「ハワイアンセンター」は初日を迎え、フラガールたちはダンスを披露し、千代が見守るなかで紀美子は見事に独演して、フラガールたちは大喝采を受けた。
監督:李相日
脚本:李相日・羽原大介
出演:松雪泰子・豊川悦司・蒼井優・徳永えり・富司純子・岸部一徳・山崎静代
制作年:2006年感想: 実話を元にした話でモデルがいる。
古い時代の継続を願う者のなかで、新しい仕事場とダンサーを夢見る者達を描く。
対立と反発が、教師の心をまきこんで無理と思われた事を実現させた。
(2012/09/30)