鑑賞日記(2012/01)
- 相棒 劇場版II・警視庁占拠!特命係の一番長い夜
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6年前に警視庁の別の係が同時に遭遇した国際テロ事件で爆発事故が起きた。
元警視庁刑事・八重樫哲也(小澤征悦)が、総務部・朝比奈圭子(小西真奈美)を訪ねて来て警視庁内に入った。
特命係・神戸尊(及川光博)はエレベーターで会い、八重樫が圭子を人質にしていると思った。
警視庁幹部会議室に八重樫が乱入し田丸警視総監(品川徹)、長谷川副総監(國村隼)等の幹部12名を人質に立てこもった。
警察庁からの早期解決要請もあり、会議室は機動隊とSITで包囲するが要求も無かった。
特命係・杉下右京(水谷豊)は、鑑識・米沢守(六角精児)や一課総務・陣川公平(原田龍二)と会議室内を見る作戦を行った。
捜査本部は、進展しない事態に、捜査一課・伊丹憲一(川原和久)、三浦信輔(大谷亮介)、芹沢慶二(山中崇史)らが苛立っているが、右京の連絡で籠城犯が八重樫であり、籠城前に尊が助けた女性が朝比奈圭子と判った。
そして緊迫した会議室内で銃声があり犯人が死亡した。
大河内監察官(神保悟志)の事情聴取でも12名は黙秘して、犯人の目的も発砲者も不明であった。
疑問をもった右京と尊は、角田課長(山西惇)らの協力で調べ始めた。
事件の報告で警察庁幹部の小野田官房室長(岸部一徳)と、金子警察庁長官(宇津井健)は不穏な動きを見せた。
圭子の上司の婚約者・磯村が死去し、八重樫が警察を辞めた6年前の事件がきっかけと右京と尊は掴みその事件の真相と経過が重要と判った。
<以下、隠し字>
その真相を八重樫と圭子は追っており、ついに八重樫は籠城事件を起こした。
警視庁幹部会議室には盗聴器が仕掛けられており、警察庁幹部は偶然に事件の内容を入手していた。
警察庁幹部は警視庁幹部に、人事刷新計画を要求した。
大河内と圭子は取引をした。
右京と尊は真相を知るが、圭子の偽証言で事件は終わりそうになった。
しかし、・・・事件は色々な思惑で意外な展開をした。
監督:和泉聖治
脚本:戸田山雅司・興水泰治
出演:水谷豊・及川光博・川原和久・山西惇・六角精児・志水正義・久保田龍吉・片桐竜次
制作年:2010年
感想: テレビのスペシャルより時間的にはわずか長いだけだが、出演人数と配置と進行の速さで差をつける。
解明されるべき謎と、隠される真相と、サスペンス的な意外性を重ねあわす。
深い内容をかする程度に使用するものもあるが、警視庁内、警視庁と警察庁の対立を軸に多くの関連人間模様を描く。
サスペンス的要素が高く、個々の絶対性は拘らない見方が良いだろう。
簡単に、事件の構造を理解し難いくらいに、多数の事がかみ合っている。
警視庁内の事件が中心で、レギュラーをうまく登場させている。
(2012/01/04)
- g@me
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広告代理店のクリエイター・佐久間俊介(藤木直人)は、大手ビールメーカーの新商品キャンペーンを手がけていた。
突然彼の案はビール会社の副社長・葛城勝俊(石橋凌)の反対で破棄され、メンバーからも外された。
初めての挫折の夜に、あてもなく葛城邸に向かったが、佐久間は偶然に葛城の娘・樹理(仲間由紀恵)が防犯カメラを避けて塀から出る所に出会った。
彼女は葛城の愛人の子として不遇な生活だと言い、意気投合し樹理は狂言誘拐をしないかと言った、ゲーム感覚であった。
佐久間の部屋に来た樹理は、気ままで掴みどころが無いが、自信家の佐久間はゲームとして勝てると思った。
3億円誘拐が始まるが樹里は勝手に出歩き、友人に携帯電話したと思いだした。
留守番電話の痕跡を消しに樹里を横須賀に車で送り、偽情報を葛城に知らせる。
佐久間の身代金受け渡し方法は巧妙で成功するが、逆に樹里は別れを惜しむが無理に別れた。
<以下、隠し字>
所が樹里は戻っておらず、警察発表は異なる顔写真だった。
佐久間は、調べて狂言誘拐の偽装に気づき、葛城と取引をしようとするが・・・。
佐久間・樹里?・葛城・・いずれがより騙し合いに最後に勝つのか。
監督:井坂聡
脚本:尾崎将也・小岩井宏悦
原作:東野圭吾
出演:藤木直人・仲間由紀恵・石橋凌・宇崎竜童
製作年:2003年感想: 誘拐をコンゲームにして、騙し合いを仕掛け合う。
だれが、何が本当かがわずかな手がかりで変わる。
また、佐久間と樹里?とのラブストーリーの面も大きい。
ただし、どこまでが真実でどこは偽装かは、結末まで判らない。
勝者とは何か、愛とはそこにどの様にはまるのか。
そもそも、結末は本当の結末なのだろうか。
(2012/01/10)
- 座頭市
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ある宿場町に現れた、金髪頭に仕込杖を持った盲目の按摩・座頭市(ビートたけし)とそれを襲う集団との対決から始まった。
服部源之助(浅野忠信)は、病身の妻・おしの(夏川結衣)と宿場に現れ、妻の薬代を稼ぐ為に用心棒の仕事を探した。
流し芸者になって、昔の大店で両親の命と財産を奪った「くちなわの親分」を探す旅を続ける姉弟・おきぬ(大家由祐子)とおせい(橘大五郎)も宿場に来た。
おせいは、女の服装だった。
野菜売りのおうめ(大楠道代)たちは、無理な取立てを行うヤクザ・銀蔵(岸部一徳)一家の悪行に苦しんでいたが、帰り道に会った座頭市はその家に泊まった。
服部源之助は、雇われ爺さんと共に飲み屋を開いているそこの主人(柄本明)の所で用心棒のあて探し銀蔵一家に腕を見せて雇われた。
対立するヤクザの博打場で、おうめの甥で博打好きの新吉(ガダルカナル・タカ)と座頭市は出会った。
暴利を貪る扇屋(石倉三郎)と銀蔵は、盗賊「くちなわの親分」に影で操つられ町の制覇を狙っていた。
おきぬ・おせいは、飲み屋の主人の口利きで扇屋の座敷に出るが途中で逃げ出した、その時に腕の蛇の彫り物を見た。
新吉に助けられ、おうめの家に隠れたふたりは、「くちなわ」とは蛇の事だと知った。
座頭市は博打場で勝ち続け、いかさまを見破った。
ふたつのヤクザ一家が抗争するが、服部源之助が皆殺しにして、銀蔵たちが実権を握った。
盗賊「くちなわの親分」・銀蔵・扇屋の横暴に、座頭市は立ち上がった。
<以下、隠し字>
復讐のため、おきぬ・おせいは再度扇屋の座敷に上がったが、見破られた。
おうめの家は、座頭市を探す「くちなわ」に焼かれた。
座頭市は、銀蔵・扇屋を殺し、服部源之助との一騎打ちにも勝った。
その頃自分のせいと思った服部源之助の妻・おしのは自害した。
座頭市は、裏幕の盗賊の飲み屋の主人たちも殺した。
町に平和が来たと見えて、みんな踊った。
しかし、座頭市はおきぬ・おせいの本当の仇を知っていた。
そして・・・・・・。
監督:北野武
脚本:北野武
原作:子母沢寛
出演:ビートたけし・浅野忠信・大楠道代・ガダルカナル・タカ・橘大五郎・大家由祐子・岸部一徳・石倉三郎・柄本明・夏川結衣
製作年:2003年感想: なぜ北野武が、また座頭市を撮影するのか、それは映像を観て判断しよう。
過去の座頭市との違いは何か?。
それが重要だし、影の謎だ。
話は、適当な数の悪党と、適当な数の被害者を配する事で見事に作られている。
剣劇もなかなか、工夫があるし、所どころのギャグも効果的だ。
終わりの祭りは、演劇感覚だろう。
(2012/01/16)
- 蛇のひと
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残業中の会社員・三辺陽子(永作博美)に、課長の今西(西島秀俊)が「夜に口笛吹くと蛇が出る」と言った。
翌朝陽子が出社すると、部長・伊東(國村隼)の自殺で大騒ぎで、しかも今西も行方不明で、とりあえず病気とした。
陽子は部長の葬儀手伝に行くが、伊東の妻・牧子(石野真子)と今西の話をした。
葬儀後、副社長から陽子は、今西が会社の金を横領して逃亡した可能性があり、伊東部長が証拠を握っていた可能性から、今西に伊東殺人容疑までかかった。
陽子は、人柄から信じ無いが会社の命令で今西の捜索を開始した。
陽子自身は、恋人(ムロツヨシ)もいるがそれ以上には進んでいなかった、今西に尋ねられた時も正直に返事していた。
後輩の田中(田中圭)が後をつけて来たが、陽子も監視指示との事だった。
二人で、今西の友人を順番に訪ねて行った。
今西の言葉で、会社を辞めて漫画家を目指す青年(劇団ひとり)に会った。
今西に振られた後に、結婚しDVが原因で離婚した女性(ふせえり)がいた。
今西の進めでマンションを購入したが、ローンで疲れ果てた夫婦(勝村政信・佐津川愛美)がいた。
浮気を今西の仲裁で、愛人と妻と3人(北村有起哉・奥貫薫)で住むことになった友人が妙な関係で長く続いていて疲れていた。
なにげない言葉で良くなった筈が、みんなどこかしら不幸になっていた。
陽子には今西が判らなくなっていったが、伊東の妻・牧子が伊東が横領した金を会社に返して一応解決した。
<以下、隠し字>
陽子はひとり、今西の大阪の実家に行くがそこで出会った今西の幼馴染み(板尾創路)から、子供の頃の今西の、悲しい過去を聞いた。
そしてそこから、しだいに陽子は事実に気づいた。
東京に戻った陽子は、今西が次に何をするか考えて、自分の恋人を訪れた。
そして、・・・・。
監督:森淳一
脚本:三好晶子
出演:永作博美・西島秀俊・板尾創路・劇団ひとり・田中圭・勝村政信・ふせえり・佐津川愛美・北村有起哉・奥貫薫
製作年:2010年感想: ミステリ的には、未必の犯罪になるのか。
言葉に含まれる気づかない悪意の存在は、何故生まれたのか。
何故、今西は陽子には何もしない・出来なかったのか・・・。
人の心にいる蛇とは何か。
明らかになってゆく。
自身の努力で、結果は決まるのでは無いか。
(2012/01/22)
- 39 刑法第三十九条
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畑田修(入江雅人)と恵夫婦が殺害され、容疑者として劇団員・柴田真樹(堤真一)が逮捕された。
告訴され罪を認めたが犯行当時の記憶がなく殺意を否認したので、刑法第三十九条により無罪主張の国選弁護人・長村(樹木希林)が精神鑑定を請求した。
精神鑑定人の小川香深(鈴木京香)は、精神医学者の藤代(杉浦直樹)の助手として、司法精神鑑定に参加した。
香深は、精神不安定の母(吉田日出子)と同居生活していた。
藤代と共に拘置所を訪れた香深に、ある日柴田にもうひとりの人格が現れた。
幼児の頃の父親の虐待により、多重人格症になっており、戦闘的な人格でしかも犯行者と同じ左利きだった。
藤代は法廷で柴田は犯行時には精神が解離状態と鑑定したが、香深は柴田は詐病との結論だった。
検察官(江守徹)に話した香深は、再鑑定を任されたが、詐病なら柴田に畑田殺害の動機がある筈だ。
畑田の経歴を探り少年時代に工藤温子(吉谷彩子)という少女を強姦殺害したとを知ったが、彼は未成年で犯行当時心神喪失状態として刑法第三十九条により裁かれてなかった。
その事件を調べる香深は、大阪へそして少女の兄・工藤啓輔を探し、刑事の名越(岸部一徳)と門司へ行った。
香深は工藤啓輔(?)とその妻の実可子(山本未來)と会うが、柴田の疑いは消えなかった。
<以下、隠し字>
名越はその後逃亡した現在の工藤啓輔を見つけ彼は、現在の柴田真樹との入れ替わりを認めた。
現在の工藤啓輔は、香深を訪ね妻を助けて元に戻して欲しいとノートを渡した。
法廷で香深は、公開鑑定を行い、真相を示した。
工藤は「私が本当に凶器を突き刺したかったのは、刑法第三十九条だった」と言った。
監督:森田芳光
脚本:大森寿美男
原作:永井泰宇
出演:鈴木京香・堤真一・吉田日出子・杉浦直樹・岸部一徳・山本未來・勝村政信・國村隼・樹木希林・江守徹・岸辺一徳
製作年:1999年感想: まるでミステリ作家のためにあるような「刑法第三十九条」がテーマだ。
犯罪という結果を、責任能力の無しというあくまでもデータから判断した精神鑑定や、年齢で罪状結果にする法律だ。
被害者は殺され損で、その家族は救われない。
その根拠が如何に弱い内容であっても・・・。
私刑ではなく、「刑法第三十九条」への挑戦を描く。
(2012/01/28)