鑑賞日記(2011/07)
- インシテミル 7日間のデス・ゲーム
-
気の弱いフリーターの結城理久彦(藤原竜也)は街で女性・須和名祥子(綾瀬はるか)から質問されて、時給11万2千円の高額バイトの存在を知る。
参加先の謎の施設「暗鬼館」を訪れたのは、老齢の安東吉也(北大路欣也)・主婦の渕佐和子(片平なぎさ)・医師研修士の大迫雄大(阿部力)とその婚約者の橘若菜(平山あや)・関水英夜(石原さとみ)・真木雪人(大野拓朗)・岩井荘助(武田真治)・西野宗広(石井正則)を加えた10名だった。
全館に監視カメラがある中で7日過ごし、事件の対応に応じて探偵ボーナス・犯人ボーナス・被害者ボーナスが支払われるという。
フリーライターの西野宗広(石井正則)は複数の人物を報道された事件の犯人と言う。
ロボットが館内を動き、違反者や犯人の投獄を行う。
夜は定時に個室に入り、室外に出るのは禁止されている。
部屋には鍵がないが、中にカードキー式の金庫があり中に凶器が入っていた。
2日目の朝に、西野宗広(石井正則)の銃殺死体が見つかる。
大迫雄大(阿部力)は、探偵役となり、岩井荘助(武田真治)を通り魔であり犯人と指摘する。
多数決で、大迫・橘・関水・真木が賛成、結城・安東・渕が反対、須和が棄権で岩井は犯人となりロボットが牢屋に監禁した。
結城の金庫にあった凶器は、拳銃に変わっていた。
時間と共に表示される、数値はどんどん増えているが、外部に放映されていてアクセス数らしい。
<以下、隠し字>
3日目、渕が釘打ち銃で殺されるが、犯人は関水らしい映像が写しだされる。
4日目、大迫・真木・橘が死ぬ。
5日目、夜の禁止時間中にロボットに見つかった関水がロボットに殺される。
7日目の朝に、安東の死体が見つかり、岩井が脱走した。
岩井は結城を殺そうとするが、須和名が拳銃で阻止しようとして奪われる。
岩井は、銃を撃って暴発して死ぬ。
西野は被害者ボーナスを得る為に、わざとロボットに殺されていた。元々最初の犯人はいなかった。
安東は死んだふりをしていた。
結城は多額の金額を受け取るが、須和名が機構の人物でアクセスを増やすために操作していた事を知る。
監督:中田秀夫
脚本:鈴木智
原作:米澤穂信
出演:藤原竜也・綾瀬はるか・石原さとみ・阿部力・武田真治・平山あや・石井正則・大野拓朗・片平なぎさ・北大路欣也
製作年:2010年
感想:
映像化の難しい本格推理物だ。
視聴者のばらつきを吸収するために、どうしても判り易くして、それでもサプライズエンディングという無理な事を目指す。
展開は予想出来ないでしょうが、いくつかの事実は予想は可能になる。
映像化の難しさをあらためて判る。
(2011/07/04)
- レディ・ジョーカー
-
戦後すぐ、差別扱いで物井清二が日之出ビールを解雇された。
そして50年後、競馬場に集まる集団がある。
そこから5年前、恵まれない境遇を生きてきた5人は競馬場で知り合い、それぞれ異なった理由で犯行に至った。
そして生まれた、誘拐計画だった。
誘拐犯の5人とは、小さな薬店の老店主・物井清三(渡哲也)、中年のトラック運転手・布川淳一(大杉漣)、信用金庫職員・高克己(吹越清)、町工場の若い旋盤工・松戸陽吉(加藤晴彦)、ノンキャリア刑事・半田陽平(吉川晃司)だった。
ある日、業界最大手の日之出ビール社長・城山恭介(長塚京三)が「レディ・ジョーカー」と名乗る犯行グループによって誘拐された。
城山恭介は、弟の事業本部長(辰巳琢郎)がその娘(菅野美穂)の恋人で、差別で解雇した秦野の死を気にする。
また、副社長(清水紘治)と総会屋・岡田経友会の西村寛司(松重徹)の対策に問題がなかったか調べる。
これに対し、合田刑事(徳重聡)ら捜査陣も動き出す。
だが誘拐の2日後、犯人側は突然城山を解放し、「人質は350万キロリットルのビール。要求は20億円」と日之出ビール社長へ裏取引を伝えていた。
警察は、日之出ビールの犯人との直接の二重取引を警戒し探る。
犯人は、城山恭介に携帯電話を渡して直接連絡していた。
身代金の受け渡しは、ダミーの人物を使用して複数回失敗する。
社長警護と、情報収集を行う合田刑事はいくつか疑問を見つける。
誘拐犯の刑事には監視がつけられた。
松戸陽吉は、ビールに染料を入れて実行力を示す。
そして事件は、大きく動き出す。
監督:平山秀幸
製作総指揮:中村雅哉
脚本:鄭義信
原作:高村薫
出演:渡哲也・吉川晃司・加藤晴彦・菅野美穂・國村隼・大杉漣・長塚京三・徳重聡
製作年:2004年感想: 多すぎ、かつ大きい過ぎるテーマと映像化時間の制限とで、葛藤した映画だ。
どこでをもっと掘り下げる事も可能だが、制約の中で一杯という感じもする。
多数の登場人物に、全て物語があるが、表現できたのはわずかに限られた。
おしいが、他に変えてもどこかが不足するだろう。
不足は、見る側が自身で補うしかない話だろう。
(2011/07/11)
- 蝉しぐれ
-
江戸時代、東北の小藩「海坂藩」が舞台。
15歳の牧文四郎は下級武士の義父・助左衛門(緒形拳)と母・とよ(原田美枝子)とともに、親友たちと剣術や学問に励んでいた。
剣術の苦手な友・与之助は、江戸で学問を学ぶために旅立つ。
隣家に住む幼なじみの小柳ふくとは、淡い恋心をもっている。
助左衛門は、嵐の日に川の決壊防止の場所を、農地の被害が少ない位置に変える様に上司に進言する。
その助左衛門が世継ぎを巡る陰謀に巻き込まれ、切腹を命じられてしまう。
遺体を引き取り台車で帰るが、重くて坂を昇れないが、ふくが押してくれる。
それを境に、罪人の子として貧しい長屋で母と辛苦の日々を過ごす文四郎であった。
唯一変わらぬ態度で接してくれたのは親友の逸平と、ふくだけであった。
ある日、留守中にふくが訪ねて来たが、ふくは江戸の屋敷で奉公するため旅立ってしまう事をつげにきたのだった。
成長した文四郎(市川染五郎)は、剣術の試合で不思議な技を持つ剣士に敗れる。
師は、相手の心を読めという。
文四郎は、逸平(ふかわりょう)と、江戸から帰ってきた与之助(今田耕司)から、ふくが藩主の側室になり子供を身ごもったと聞く。
文四郎は、父を切腹させた家老・里村左内(加藤武)に呼びだされ、復録と農地見回りの仕事につく。
その中で、父が使えていた家老・横山又助と、父が堤防決壊時に助けた金井村の庄屋・藤治郎(田村亮)に出会う。
<以下、隠し字>
ある日文四郎は、与之助からふく(木村佳乃)が藩に戻っていて、子供を身ごもっていると聞く。
その屋敷の前にゆき、用人(柄本明)と会う。
文四郎は、家老・里村に呼び出され、ふくの子供を盗むように命令される。
文四郎は、家老・横山の家に逃げ込む事を考える。
ふくのいる屋敷に行き、用人に説明しふくと再会する。
しかし、家老の命令でそこに多くの討手がくる、ふくと子供を金井村の庄屋の家に逃がし討手と戦う。
庄屋の家から、城内の家老・横山の家に舟で隠れて潜入する。
そして、家老・里村に死に行く者の気持ちを知らせる。
藩が落ち着き、しばらくたち、藩主が亡くなり、ふくから呼ばれる。
ふくは、尼になると言い、今は2人いる文四郎の子供と自分の子供が、自分と文四郎の子供だったら良かったという。
監督:黒土三男
脚本:黒土三男
原作:藤沢周平
出演:市川染五郎・木村佳乃・原田美枝子・緒形拳・今田耕司・ふかわりょう・小倉久寛・山下徹大・利重剛
製作年:2005年感想: 四季の移り変わりが何度も、移され長い時間が経過する。
約半分が、若い頃の生活と事件になる。
時の流れと共に、成長した全ての登場人物が、藩主側室になった、ふくを巡っての事件に遭遇する。
そこでも多数の、懐かしい再会がある。
そして、その事件から長い時が経過して、長い時間の話の終わりとなる。
時間と思い出と再会を、キーワードとして語られて行く。
(2011/07/18)
- DEATH NOTE デスノート the Last name
-
2冊目のデスノートが舞い降り、キラを崇拝するアイドル・弥海砂(戸田恵梨香)がそれを手に入れる。
海砂は、両親を殺人犯に殺されてそれを殺したキラの崇拝者だった。
海砂は第二の死神・レム(声:池畑慎之介)から聞いて、寿命を売って顔見るだけで名前を知る事が出来るようになる。
テレビ報道記者の「高田清美」(片瀬那奈)は、キラを援護する発言をするが、デレクター・出目川(マギー)に取り入った「西山冴子」(上原さくら)がキャスターをつとめる。
海砂は、キラを探すために犯罪者殺害予告をテレビ局に送り、テレビカメラ等を見ながら殺人を行う。
キラを探すあまりに、犯罪者以外も殺してしまう。
海砂は、夜神明「ライト」(藤原竜也)に出会い、キラと知る。
海砂はライトの家におしかけて、キラの指示に従うと言う。
ライトは、2冊のデス・ノートを使った計画を立てる。
自分と似た考えの者にデス・ノート2に仕掛けをした上で、使用させる事をレムに依頼する。
そして海砂に一度記憶を失わせ・隠したデスノート1を見つけさせる事だ。
父親が本部長をしている警察(鹿賀丈史・他)は、海砂を監禁するが何も言わない。
一度気を失ってからは、やたらしゃべり始める。
ライトは、デスノート1を隠してから自分も監禁して調べさせる。
高田清美は、レムからデスノート2を受け取り、殺人を始める。
警察は、高田清美の犯罪を見つけて追い詰めるが、ライトが隠れて殺す。
再度、ノートに触れたライトは力を持ったのだ。
海砂は、ライトの指示でデスノート1を見つけ、記憶が戻る。
再び、力を得た弥海砂を使い、ライトはエル(松山ケンイチ)を殺害しようとする。
しかし、エルは自分の命を賭けて計画を立てる。
監督:金子修介
脚本:大石哲也・金子修介
原作:小畑健・大場つぐみ
出演:藤原竜也・松山ケンイチ・戸田恵梨香・片瀬那奈・マギー・上原さくら・青山草太・中村育二
製作年:2006年感想: 架空の設定の説明にかける部分が少なくなり、同時にデスノートが2冊と弥海砂の登場でストーリーが複雑化する。
新しく判るノートの特性が複数あり、面白みも増えるが矛盾の有無が判り難くなった。
デス・ノートを多数の人間が触り、その人は死神が見えるので、話が大きくなったり、狭くなったりする。
ライトとエルの、知恵比べは二人のノート使用者の増加で混沌とする。
架空の設定をどの程度理解出来るかで、楽しみかたが変わりそうだ。
(2011/07/25)