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鑑賞日記(2011/06)

影武者

戦国時代、徳川家康の野田城攻めの折り、鉄砲で撃たれこの世を去った武田信玄(仲代達矢)だが、弟信廉(山崎努)は信玄死すの報を3年打ち消すため信玄の影武者(仲代達矢)を立てた。
影武者は盗みの罪から処刑されるところを信玄と瓜二つだったことから助けられたのだった。
だが影武者にとって戦国の雄・信玄として生きることはあまりにも難しかった。
幼児には気づかれたが、なつかせた。
織田信長と、家康は真実を知ろうと色々と手をつくす。
武田勝頼(萩原健一)は、不満で高天神城を攻めるが、影武者(仲代達矢)は後ろで山のように動かず、隠しとおす。
だが、馬にのり損ねてばれて、追い出される。
仮葬儀の後で、藩主となった勝頼は、長篠に出陣するが、信長の鉄砲隊に滅ぼされる。


監督:黒澤明
製作総指揮:ジョージ・ルーカス
脚本:井手雅人・黒澤明
出演:仲代達矢・山崎努・萩原健一・隆大介・大滝秀治・根津甚八
製作年:1980年


感想:
歴史上の有名な事件を武田から1解釈として描く。
影武者という設定は、時代劇には簡単に使いがちだが、実際は非常に難しい事を判らせます。
影武者の悲劇性が、強く表現されています。
(2011/06/06)

戦国時代を生き抜いてきた、一文字秀虎(仲代達矢)は70歳を迎え、家督を3人の息子に譲る決心をする。
長男太郎(寺尾聰)は家督と一の城を、次郎(根津甚八)は二の城を、三郎(隆大介)は三の城をそれぞれ守り協力し合うように命じ、自分は三つの城の客人となって余生を過ごしたいと告げた。
同盟を結ぶ、藤巻(植木等)・綾部を立会とした。
しかし、三郎は愚行だとのべ、追放される。
しかし、三郎は藤巻の婿に招かれた。
太郎は、妻の楓(原田美枝子)にそそのかされて、秀虎を城から追い出した。
次郎は、太郎に従うように見せかけて、秀虎の軍と太郎を討つ。
やがて、秀虎はショックのあまり発狂してしまう。
次郎は、それで命は助けて追放する。
楓は、次郎を騙し、次郎の妻(宮崎美子)を暗殺させる。
秀虎を助けるために、戻ってきた三郎は戦いに勝ったが、最後に鉄砲にあたり死ぬ。
その隙に、同盟先綾部に裏切られた次郎は城で最後を迎える。
一文字はほろぶ。


監督:黒澤明
脚本:井手雅人・黒澤明・小國英雄
原作:ウィリアム・シェイクスピア
出演:仲代達矢・寺尾聰・根津甚八・隆大介・原田美枝子・宮崎美子・植木等・井川比佐志・ピーター
製作年:1985年

感想: はじめは毛利3兄弟のパロディかと思うが、シェークスピアのリア王が原案という。
力でのしあがった者が、楽な余生をおくる事は出来ないで、逆に3人の息子を見る目がないための悲劇とも自然ななりゆきとも言える。
奪った領地と城の他に、息子の嫁もとなると、実は復讐を狙っている者もいる。
巻き込まれた者が、全て乱世に飲まれて行く。
(2011/06/13)

古都

昭和30年代の京都で、老舗の呉服屋佐田屋・佐田太吉郎(夏八木勲)と妻・しげ(高橋惠子)との間のひとり娘の佐田千重子(上戸彩)が主人公だ。
しげが店を継ぐときに主人を養子にして、軒先の捨て子を実子として育てていた。
千重子は自分の出生に疑問を持っていたが、聞く事が出来なかった。
夫婦も、千重子に後を継いでもらいたいが、実子でないという事を言えなかった。
佐田屋はそのころ家業が悪化していた。
千重子には、幼なじみで同業の家の次男・水木真一(小栗旬)と一緒になる話が昔からあったが、進展は微妙であった。
千重子は、幼馴染みの真砂子(北川弘美)に北山でそっくりな女性に会ったと聞く。
太吉郎は千重子の為に帯を作りに行くが、手織機「大友」の秀男(渡部篤郎)から「寂しい帯」だといわれる。
千重子は父の作った着物ばかり着ていたが、それは地味なものばかりだった。
秀男は、千重子を見てそれに似合う明るい帯を作り渡そうとする。
祇園祭の夜に、帯を渡すために橋で待ち合わす。
千重子は、双子の姉で幼いときに呉服屋の店先に捨てられていたが、妹の苗子(上戸彩・二役)は事情を知っており両親が亡くなってからは、姉を探していた。
祇園祭の夜に、ばったり千重子に会うが、千重子は自分は姉でないと言う。
去った苗子はお守りを落とし千重子がひらう、そして苗子に秀男は千重子と間違い帯を渡す。
千重子はお守りの貝合わせから姉妹と知る。
北山を訪ねた千重子は、苗子に姉と言い互いに境遇を語る。
千重子は、秀男に遠くから苗子を見せて、事情を話す。
秀男は、千重子の手紙を持ち苗子に会い謝る。
苗子は、自然に育った杉で世話されていないが自由と言い、千重子は両親に育てられているが後を継ぐ運命にありまっすぐ育つように剪定された杉のようだという。
小さい時から重い運命を背負って生きていると・・。
しげは太吉郎に、千重子に本当の事を言い、店もたたむ事を言うが太吉郎は悩む。
千重子は苗子を、店に連れてゆき両親に会わす。
そして、自分が実子でない事を知っていると言う。
その夜、千重子と苗子は一緒に過ごして語り合う。
しかし、それぞれの運命の通りに生きてゆくことにする。


監督:猪崎宣昭
脚本:永田優子
原作:川端康成
出演:上戸彩・渡部篤郎・小栗旬・西岡徳馬・高橋惠子・夏八木勲
製作年:2005年

感想: 京都という町と、そこの四季を描くのがひとつの目的となっている。
そして、そこの着物関係の伝統をも描く。
その中で、生まれながらにして伝統の老舗の後を継ぐ運命とは如何に重たいものかを知って行く。
それが、双子の捨て子という事をうすうす知りながら迷う。
双子の妹との出会いは、生まれは同じでも育ちが異なるとその運命は受け入れて立ち向かって行くしかないという事を主人公は知る事になる。
(2011/06/20)

キサラギ

マイナーなグラビアアイドルの如月ミキ(末永優衣)が焼身自殺を遂げてから1年が過ぎた。
家元(小栗旬)がインターネットに開いたファンサイトでは、一周忌のオフ会を開催することになった。
家元とサイトの常連の、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)・スネーク(小出恵介)・安男(塚地武雅)・いちご娘(香川照之)という5人の男であった。
安男は、喪服を購入するため一度席をはずした。
家元のコレクションはレアで、盛り上がるが他の参加者もそれぞれレアものを見せる。
その中で、オダは如月ミキの自殺に疑問を示し、警察への不信感と集まった中に不審人物を指摘する。
これを境に、集まった人物が単なるファンで無いことが明らかになり、意外な真相が明らかになりそうになるが、その度に否定される。
しかし、また新しい事が判る、真相はどのようになるのだろうか。
<以下、隠し字>
オダは、警察の捜査が不十分とするが家元は自分が警官であると示し、反対する。
オダは、自殺に疑問を示し、ファンサイトの掲示板への書き込みから、いちご娘をストーカーで犯人と指摘する。
いちご娘は、見守っていただけと言い、アリバイを主張して確認された。
オダは、他のメンバーから太っちょのマネージャーと他のメンバーから指摘され認める。悩んで50キロ痩せたと言う。
安男は、食あたりで会話に参加できない。
いちご娘の指摘で、スネークが当日如月ミキを訪ねており、知り合いの店員と判る。
松男は、如月ミキの幼馴染みで毎日電話していたと言う。
家元は、他が密接な関係で自分のみが、純ファンとしりがっかりする。
しかし、如月ミキの死や参加者の関与はますます、混乱してゆく。


監督:佐藤祐市
脚本:古沢良太
原作:古沢良太
出演:小栗旬・ユースケ・サンタマリア・小出恵介・塚地武雅・香川照之・末永優衣
製作年:2007年

感想: 映画であるが、直ぐに舞台化出来る程に一幕で構成されている。
伏線と論理のアクロバットで展開する、マニアックな映画だ。
ロジックと伏線の好きな人には、たまらない魅力がある。
繰り返し見たくなる作品ですし、たった5人の演じる内容の濃さは映画の評価を変えるポテンシャルがある。
(2011/06/27)

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