鑑賞日記(2011/05)
- 雨あがる
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享保の時代、浪人の三沢伊兵衛(寺尾聰)とその妻(宮崎美子)は、長雨のため安宿に居た。
その宿には、色々の貧しい人や夜鷹(原田美枝子)がいた。
いらいらして喧嘩がちな、皆を見かねた伊兵衛は、道場破りの賭け試合で金を得て宴会を開いた。
妻からは、きつく禁止されていたのだが思わず破ってしまった。
翌日、散歩中に若侍の諍いを仲裁した三沢は、通りかかった藩主・永井和泉守(三船史郎)に城に招かれる。
三沢が剣豪であることを知った和泉守は、彼を藩の剣術指南番に迎えようとして、剣術試合を行う。
そこで、伊兵衛は、藩主をどぶに押し倒してしまう。
雨があがり、皆が旅だったあとで、使いがきて「賭け試合」を行ったため指南役には出来ないといわれる。
妻は、「何をしたのかではなく、何のためにしたのかが大事」と答えた。
伊兵衛と妻は、旅だって行く。
藩主は使いの返事を聞いて、間違いに気づき後を追う。
監督:小泉堯史
脚本:黒澤明
原作:山本周五郎
出演:寺尾聰・宮崎美子・三船史郎・檀ふみ・井川比佐志・吉岡秀隆・加藤隆之・原田美枝子
製作年:1999年
感想:故・黒澤明監督が山本周五郎の短編をもとに書いた遺稿を、黒澤組のスタッフたちが映画化した。
意外に短い作品です。
剣豪が何故、仕官が出来ないかという所が、三沢伊兵衛の性格による事が判り易く表現されています。
本人は、自覚しているものの自分に納得していない面もあります。
ただ妻は、そのような伊兵衛もまた好きだと感じます。
世渡りの下手な男と、それを受け入れる妻です。
(2011/05/10)
- DEATH NOTE デスノート
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死神・リューク(声:中村獅童)が落とした「デスノート」を手にした夜神月:ライト(藤原竜也)が、神になった気分で、「キラ」を名乗り世の中の浄化を試みる。
ノートに書いた人物が書いた内容で死ぬという設定、他にも色々設定ある。
ただし、殺す相手の顔を知っている必要がある。
ライトには、婚約者の秋野詩織(香椎由宇)がいる。
警察は特別体勢でいどみますがとても手におえない。
類似犯罪解決実績があり詳しいが謎の人物・エル/竜崎(松山ケンイチ)の協力で対抗することになる。
その人物との連絡はワタリ(藤村俊二)だけ。
FBIのレイ(細川茂樹)も調査するが、罠にはまりそのグループは大量に殺される。
レイの婚約者・南空ナオミ(瀬戸朝香)も犯人を追う。
捜査本部は場所を移動して、エルと出会い、共同調査となる。
犯人と目をつけたのが、捜査本部長・夜神総一郎(鹿賀丈史)の息子だった。
<以下、隠し字>
「キラ」は、追い詰められるがトリックで証拠を隠し自身の婚約者・秋野詩織とレイの婚約者・南空ナオミとを殺し、自殺に見せかける。
自身も婚約者の復讐のために捜査に加わる。
一方でアイドル・弥海砂(戸田恵梨香)が、似た現象に出会う。
監督:金子修介
脚本:大石哲也
原作:小畑健・大場つぐみ
出演:藤原竜也・松山ケンイチ・瀬戸朝香・香椎由宇・細川茂樹・戸田恵梨香・青山草太・中村育二
製作年:2006年感想:大がかりな仮想設定の中の、小さなトリックのアンバランスが笑ってしまいます。ただ、妙にバランスが取れている所も妙にあります。
前編という事で、本格的な対応はこれからと言う所です。
心理的な面に入らないので、動機から流れを予想する事は難しいです。
(2011/05/20)
- たそがれ清兵衛
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井口清兵衛(真田広之)は幕末の庄内、海坂藩の平侍であった。
妻を病気で亡くし、二人の娘と記憶が不確かな老母(草村礼子)の3人を養っている。
貧しく、奉行(小林稔侍)の元で勘定方の仕事をしているが、下城の太鼓が鳴ると付き合いは断ってすぐ帰宅し、家事と虫かご作りの内職に励む毎日であった。
そんな清兵衛を同僚たちは「たそがれ清兵衛」と陰で呼んでいた。
ある日、清兵衛は幼馴染みの朋江(宮沢りえ)と再会する。
朋江は嫁いでいたが、夫の度重なる酒乱と暴力で、最近離縁していた。
元夫(大杉漣)が、朋江の家にきて騒いでいたために、とめに入った清兵衛は果たし合いをする事になった。
朋江の兄(吹越満)は、自身が戦うとしたが清兵衛に止められる。
清兵衛は、短い木で相手を打ちのめす。
負けた相手は、藩随一の剣の使い手に助けを求めるが、その時は戦わない。
清兵衛は朋江に想いを寄せていたが、朋江との縁談を勧められても貧しさを理由に断ってしまった。
<以降は隠し字とします>
その後に藩主の死による、跡継ぎ争いで多くの死者が出たが、1名が切腹を断り立てこもった。
藩随一の剣の使い手といわれた男だった。
家老に呼び出された清兵衛は、その男を斬る命令を受けた。
清兵衛は、藩命が自分に下されたことによって、朋江に一緒になる事を望むが、すでに朋江には縁談が進んでいた。
妻の葬儀に大刀を売っていた清兵衛は、小太刀の名手であり小刀で討ち取る。
その後に朋江と一緒になるが、明治維新の戦いで死んだ。
ずーと後に、老いた娘(岸恵子)は、荒れ地にある両親の墓に参り、父を誇りに思うという。
監督:山田洋次
脚本:朝間義隆・山田洋次
原作:藤沢周平
出演:真田広之・宮沢りえ・小林稔侍・大杉漣・吹越満・草村礼子
製作年:2002年感想: 隠れた剣豪シリーズだ。
主人公が剣豪という伏線が貼られているが、だれと闘うのかは予想しにくい。
小太刀の名手という設定は、ちょっと気がつかない様になっている。
語り手の思い出という全体の設定は、短く終わるために有効にはたらいている。
(2011/05/30)