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鑑賞日記(2011/04)

隠し剣 鬼の爪

幕末の、東北の小藩・海坂藩が舞台です。
下級武士・片桐宗蔵(永瀬正敏)は、地元で暮らしているが、仲間の武士(小澤征悦)は江戸へ出て行きます。
そして、長く宗蔵の家に奉公していた百姓の娘きえ(松たか子)も、実家に戻り嫁にゆきます。
3年前に母を亡くし、いまだ独り身の片桐宗蔵は、伊勢屋に嫁ぎ、幸せに暮らしているものと思っていたきえが、姿はやつれ、病気になっていた。
妹の志乃(田畑智子)からきえが病に伏せっていると聞いた宗蔵は、伊勢屋からきえを強引に連れ帰った。
快復していくきえを見て、喜んだ宗蔵だったが、回復したきえを実家に返した。
そんな時、藩の江戸屋敷で謀反が発覚した。
宗蔵は実は、剣術の達人であり、「鬼の爪」という技を教えられていた。
江戸の謀反で捕らえられて幽閉されていた仲間の武士(小澤征悦)は、腕は上だったが剣術の師は、ふたりから宗蔵を選び「鬼の爪」を教えた。
脱獄してこもった武士の成敗を命じられた宗蔵は、藩命のために戦うことになった。
<以降は隠し字とします>
その前日に、その武士の女房(高島礼子)が訪れて逃がして欲しいと頼まれるが断る。
戦いに勝ったものの、とどめを鉄砲でさされた。
そして武士の女房(高島礼子)が家老(緒方拳)と寝て、助命を得ていた事を知った。
武士の女房(高島礼子)は、騙された事を知り自害した。
城に上った宗蔵は、「鬼の爪」で家老を殺害した。
宗蔵は、録を藩に返して江戸を目指すが途中できえを訪ねて、一緒になる事を望み、2人で旅立つのであった。


監督:山田洋次
脚本:朝間義隆、山田洋次
原作:藤沢周平
出演:永瀬正敏・松たか子・吉岡秀隆・小澤征悦・田畑智子・高島礼子・光本幸子・田中邦衛・倍賞千恵子・田中泯
製作年:2004年


感想:題名の「鬼の爪」とは何かが最後に判ります。地方の小藩の下級武士という地味な人物が実は剣豪という原作者の定番です。 伏線を貼りながら、たんたんと進んでいますが主人公の性格には次第に親しみを持ちます。
(2011/04/10)

劔岳 点の記

明治時代末期、国防のため日本地図の完成を急ぐ陸軍は、最後の未踏地の劔岳登頂と測量を計画した。
その命を受けて、最後の空白地点を埋めるべく前人未踏の難峰・劔岳に挑むのは、陸軍参謀本部陸地測量部の測量手、柴崎芳太郎(浅野忠信)だった。
彼は、前回いぞんだ元測量手(役所広司)のアドバイスで、現地の案内人(香川照之)を決めて準備をはじめた。
柴崎はわずかの時間を妻(宮崎あおい)とすごして、予備調査に出かけた。
明治39年、神の山と恐れる部落を避けて現地案内人たちを選んだ。
そして、案内人と二人で現地調査を行った。
登山ルートは3つ、しかしどれも難しい。
直角の岸壁・氷のクレバス等がはばむ。
翌年、数人の測量協力者(松田龍平・モロ師岡・螢雪次朗)とともに現地を再度訪れ、測量点設置からの準備をはじめた。
しかし、最新装備で初登頂を目指す日本山岳会(仲村トオル)という強力なライバルが出現する。
新聞は、初登頂競争を報道する。
しかし、測量が目的であり多くの資材をもっての登山となる。
冬が過ぎたばかりの山では、雪崩にも出会った。
多数の測量点を設置して、測量は進んでゆくが、最後に劔岳がのこる。
柴崎は軽量の4号測量点を準備し、案内人が判断したルートの可能性にかける。
ついに登頂するが、そこで見たものは・・・・。


監督:木村大作
脚本:菊池淳夫・宮村敏正・木村大作
原作:新田次郎
出演:香川照之・浅野忠信・松田龍平・モロ師岡・螢雪次朗・仲村トオル・小市慢太郎・宮崎あおい
製作年:2008年

感想:物語か、自然の記録映画か迷う程の壮大な自然が描かれています。登場人物の映像と、自然の映像と、自然のなかに はめ込まれた登場人物の映像が混ざりあって、不思議な情景です。 山岳物語の雰囲気が全体に漂い、雄大さが感じられます。
(2011/04/20)

あずみ

「関ヶ原の戦い」が終わって、天下は豊臣家から徳川家へと移った。
未だ徳川家康の天下は盤石ではなく、反乱分子がいた。
そこで、家康側近の南光坊天海(佐藤慶)は、爺(原田芳雄)に反乱を企てる危険のある者を事前に暗殺するための集団育成を密かに命じた。
それを受けた爺は、少女あずみ(上戸彩)をはじめ戦乱で孤児となった幼子を集めて過酷な修行を行って最強の戦士へと鍛え上げた。
それから10年、無事修練を終えたあずみら10人は、自らに課せられた使命を信じていた。しかし、最初の命令は10人が2人ずつ戦い、勝った5名が任務を行う事だった。
過酷な命令の中で、互いに戦い5人を殺し、残った5名と爺が求められた3名の暗殺に旅だった。
最初に、浅野(伊武雅刀)暗殺に成功した。
次に狙った黒田長政(竹中直人)は、影武者だった。
仲間のひとりは、毒が傷にはいり死んだ。
しかも逆に、黒田長政は多くの刺客に暗殺者殺しを命じた。
旅芸人の娘(岡本綾)に恋した仲間も、狂った様な殺人者(オダギリジョー)に殺された。
少女あずみは、旅芸人の娘から少女に戻るように言われたが翌朝に野武士に襲われ、斬り殺し、刺客から戻れないと知る。
<以降は隠し字とします>
黒田長政を襲った3名の、1名は死に、1名は傷をおい行方不明になり、爺は捕らわれた。
爺を罠にして、最後の1名のあずみを狙うが、あずみはやってきた。
激しい戦いの中で、もう1名と出会った。
相手は、仲間内の争いで、ほとんどが死んだ。
残った最後のあずみと、狂った様な殺人者の死闘は、あずみが勝った。
あずみは、船で国に戻る黒田長政を暗殺した。
戻ったあずみは、もう1名の生き残りと、残りの真田昌幸暗殺を狙う。


監督:北村龍平
脚本:水島力也・桐山勲
原作:小山ゆう
出演:上戸彩・原田芳雄・竹中直人・オダギリジョー・岡本綾・小橋賢児・小栗旬・石垣佑磨・成宮寛貴・佐野泰臣・金子貴俊・鈴木信二・佐藤慶・伊武雅刀
製作年:2003年

感想:歴史小説ではなく伝奇小説的だが、実際はそれも超えて戦国時代を舞台にしたスーパーヒーローものです。 とにかく、現実はなれの設定です。勿論、作品の制作目的はリアル性でなく、非現実な程のヒロインの生き方と能力です。 キャッチコピーは「少女にして刺客」、まさしくそのままを描ききった作品です。
(2011/04/30)

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